【管理栄養士監修】賞味期限切れの「寒天」はいつまで大丈夫?傷んだときの特徴や保存方法を解説!
2020/12/21
乾物の寒天は2年ほどの賞味期限が設定されているものもあり、長期保存が可能です。しかし、寒天は水に戻してしまうと、急激に傷みやすくなります。傷んだ寒天を食べてしまうと体調を崩す可能性があります。賞味期限や保存方法、傷んだ寒天の特徴などを把握して、おいしさや安全を保ちましょう。
寒天の賞味期限は?
寒天の原材料にはテングサやオゴノリなどの海藻が使われ、それらの使用割合・製法・形状によって、粉寒天、棒寒天、糸寒天などの種類があります。粉寒天は煮溶かしやすく少量を使用するときに便利で、棒寒天は角寒天とも呼ばれ、主に和菓子作りに利用されます。
また、糸寒天は細寒天とも呼ばれ、水で戻してスープやサラダなどの料理の食材として使われることもあります。
加工前の寒天は乾物なので数年ほど保存可能です。しかし、水を含んでそのまま食べられる状態に加工された寒天は賞味期限が短くなり、製造後2〜3日のものもあります。市販されているものの中には、加工後でも賞味期限が長いものもありますが、それでも未開封で1週間程度です。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
傷んだ寒天の特徴
寒天が傷んでいれば、いくつかの特徴が見られます。加工のために水分を含ませたり、保存状態が悪かった寒天を食べる場合は、必ずその寒天の状態をよく確認しましょう。
特徴1:カビが生える
寒天は、水に浸して水分を含ませたり、果物や牛乳などを加えて固めると菌が繁殖しやすくなります。
寒天そのものには微生物の栄養となる成分がほとんど含まれていませんが、糖質やたんぱく質が加わった寒天には、カビが生える可能性が高くなります。カビが生えた寒天は食べられないため、処分しましょう。
また、水分の多いフルーツや栄養の豊富な牛乳などを加えてつくるときは、冷蔵保存で早めに消費するようにしましょう。
特徴2:変色や異臭がする
水に戻してカビが発生した寒天は緑色や黒色などに変色して、さらに異臭を放つようになります。
傷んだ寒天は、見た目や臭いなどから判断しやすいため、少しでも違和感を覚えた場合は食べないようにしましょう。
賞味期限切れの寒天はいつまで大丈夫?
賞味期限が切れても、すぐに食べられなくなるわけではありませんが、水に戻したあとの寒天は早く食べきるようにしましょう。
また、保存方法が悪ければ賞味期限は短くなってしまう可能性があります。未開封の状態と、開封後では賞味期限が変わるため、食べる前に状況を確認しましょう。
賞味期限が1年以上過ぎた寒天
乾物の状態であれば、黄色くやけてしまったり、粘度や強度などが少し弱くなる場合はあります。しかし、正しく保存ができていれば賞味期限を1年以上過ぎていても、問題なく食べられる可能性もあります。
ただし、未開封であることが前提で、食べる際には見た目や臭い、味を確認して、自己責任で判断しましょう。
また、寒天は水に戻すと急激に傷みやすくなります。そのため、水に戻した寒天はすぐに食べるようにしましょう。
寒天の保存方法
賞味期限は、正しい方法で保存されている場合を想定して設定されています。そのため、正しく保存ができていないと、傷みやすくなってしまいます。
正しい保存方法を把握して、おいしく寒天を食べましょう。
常温で保存する
乾物の寒天は、基本的に常温保存となります。ただし、直射日光やコンロの近くなど高温になる場所、湿度の高い場所は避ける必要があります。暗くて涼しい場所に保存しましょう。
乾物の寒天は、保存期間が長くなると黄色く変色する可能性があります。この変色は、寒天の品質に影響を与えるものではないため、問題なく食べられます。また、黄色く変色した寒天は水に戻せば通常通り白くなると言われています。
冷蔵で保存する
乾物の寒天は常温で保存可能ですが、水に戻した寒天は傷みやすいため、冷蔵庫で保存して2日〜3日を目安に食べきりましょう。市販されている乾物以外の加工された寒天は、パッケージに記載されている保存方法と賞味期限に従いましょう。
また、加工後の寒天を凍らせると、解凍時に水分が抜けてスカスカになってしまい、食感が落ちてしまうため冷凍保存はおすすめできません。
寒天の活用方法
寒天は羊羹やゼリーなどのデザートでよく使われています。しかし、デザート以外にも、野菜や魚介類などを寒天で固めた寒天寄せにしたり、お米を炊く際に加えることで、ご飯のパサつきを抑えてモッチリとした食感に炊き上げるなど、いろいろな活用方法があります。
乾物の寒天は、ある程度の量をまとめて売られていることも多いため、工夫をして消費しましょう。
賞味期限切れの寒天には要注意!無理して食べないようにしよう!
賞味期限が過ぎても、その食品はすぐに食べられなくなるわけではありません。乾物の寒天は、傷みにくく長期間日持ちします。しかし、寒天は水に戻してしまうと傷みやすくなります。保存状態が悪ければ、さらに傷みやすくなります。
そのため、もし賞味期限切れの寒天を食べる際には、状態をよく確認しましょう。そして、少しでも傷んでいる様子が見受けられたら、無理して食べないようにしましょう。