掃除のプロに聞いた「トイレ掃除」でやってはいけないワースト4
2024/01/03
トイレ掃除でやってはいけないことについて、ライターの増田剛己さんが、ハウスクリーニングの仕事に従事している掃除のプロ、土井恵子さんに取材してくれました。
プロのトイレ掃除はどこが違う?NG行為を聞いてみた
ハウスクリーニングのプロ土井さんによれば掃除の仕方でプロと一般の人との間でいちばん違いが出るのがトイレだそうです。
「掃除道具も違いますし、掃除する場所の順番も違うことが多いですね」とのことでした。トイレはほかの場所と違い、とくに掃除する順番などには注意をしたいところなのだそうです。
あなたは最初にトイレのどこから掃除し始めますか?
NG行為1:いきなり床に掃除機をかけるのはNG
「トイレの掃除で一般の方でよくやってしまう間違いが、いきなり掃除機をかけてしまうことです。じつは掃除機をかけるのは、最後なんです」と土井さん。それでは、トイレ掃除で最初にやるべきことは何でしょうか。
「一般家庭のトイレにはいろいろな物が置かれています。本だとか時計だとか、カレンダーが壁にかけてあったりしますよね。まずはそういうものすべてをトイレから運び出します」。
運び出したものは戻す前によく絞った濡れぞうきんなどで拭くといいそうです。
「ものを運び出したら、掃除し始めるのは高い場所からです」。
天井や壁をよく絞ったぞうきんや100円ショップなどで売っているお掃除シートなどを使って拭いていきます。次にタンクや便器を掃除し、最後に床を拭きます。このとき、ドアやスリッパなども忘れずに拭きましょう。そして、最後に掃除機をかけます。
NG行為2:トイレ専用ブラシだけでの掃除はNG
「トイレに専用のブラシを置きっぱなしにしている人は多いと思いますが、あれは正直おすすめできません」と土井さんは言います。
その理由はシンプルで、トイレに置きっぱなしのブラシは衛生的ではないから。ほとんどの人は、トイレブラシを使用したあとは、そのまま元の場所に戻すと思います。すると菌がついたままで繁殖してしまいますから、その状態でブラシをかけるのは、きれいにするというよりは菌をあちらこちらにこすりつけているようなもの。
また、すべてがそうではないですが、トイレ用ブラシは便器の内側の見えない部分などを掃除するには大きすぎて不向きなことが多いと、土井さんは指摘します。では、どういうブラシで便器を掃除すればいいのでしょうか?
「我々は100円ショップなどでも売られているツインブラシを使います。ソフトなブラシとハードなブラシがついているもので、デリケートな場所はソフトで、頑固な汚れはハードと使わけるんです」。
ちなみにトイレ用ブラシが完全に不要かというと、そうでもないそうです。たとえば、目立つ汚れがついてしまったときなど、その場ですぐに落とすために用意しておくのはいいとのこと。
汚れはできるだけ早く取り除いたほうが楽に落ちるので、日々の掃除にはトイレ用のブラシを活用しましょう。
NG行為3:乾いた雑巾で便座を拭くのはNG
とくに便座はデリケートで傷つきやすい材質ものものが多くあります。乾いた布などで拭くことは傷をつけてしまうためNGです。よく絞った濡れ雑巾などで拭くことをおすすめだそうです。
また、トイレシャワーのノズルなどもきれいに掃除をしておきたいところですが、分解して自分で洗うのは故障の原因にもなりますので、外側だけを洗いましょう。
NG行為4:タンクに洗剤を流すのはNG
タンクを掃除する場合、洗剤でタンク内を洗うのはもちろん、タンク内に流すのもNG。理由は、「タンク内部にある水を流す器具が洗剤によってうまく作動しなくなることがあります。むやみに洗剤を使わないほうがいいでしょう」とのことです。
プロが教えるトイレ掃除のNG行為まとめ
トイレの掃除に限りませんがプロは掃除をする前に段取りをします。とくにプロとの違いは、トイレにあるものをいったん外に出すというものではないでしょうか。たしかにそのほうが掃除をしやすいですね。
トイレの汚れというと尿の飛び散りなどを思い浮かべますが、実はそれ以外にトイレットペーパーや服の繊維などがホコリとなってなって堆積している場合があるので、いったん移動したものを戻す前によく拭きましょう。
◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。
◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。
◆文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。