【野菜のプロが解説】たまねぎは切る向きで辛さが変わるって本当!?
2021/03/10
野菜ソムリエプロで管理栄養士のサンキュ!STYLEライター小島香住です。
あたたかくなってくると「新〇〇〇」という野菜が多く出回ってきますよね。なかでもファンの多い「新たまねぎ」は、この時期だけのみずみずしさや甘さを楽しめます。生で食べても辛みが少ないので、オニオンスライスにすると格別のおいしさ。
皆さんは、たまねぎをスライスする時、どの向きで包丁を入れていますか?
本当に切る向きで辛さが変わるの!?
本当です!
たまねぎの辛みは「硫化アリル」という成分。この硫化アリルは揮発性が高いので、たまねぎを切った時に目が痛くなるのもこれが原因なのです。
そして、たまねぎを繊維に沿って包丁を入れるか、繊維を断ち切って包丁を入れるかで、断面が空気と触れる面積が変わり、硫化アリルが抜けていく量が変わるというわけです。
繊維に沿う?断ち切る??
縦に入っているスジ模様がたまねぎの繊維です。
この繊維に沿って包丁を入れる(=縦に切る)、断ち切って包丁を入れる(=横に切る)という2つの切り方の向きで、辛さが変わってくるのです。
繊維に沿う(=縦)
繊維に沿うこの切り方は、繊維の断面が小さいため硫化アリルが抜ける量も少なく、たまねぎの辛みや香りがしっかりと残ります。
また、繊維が残った状態なので、食べた時に歯で繊維を感じるため、「シャキシャキ」に仕上がります。
繊維を断ち切る(=横)
一方で、繊維を断ち切るこの切り方は、文字通り繊維を切っているので、断面から硫化アリルが抜けていきます。そのため、辛みが抜けて食べやすくなるのです。
また、繊維は切れているので、食べた時の食感は「シャリシャリ」に仕上がります。
料理別おすすめの切り方
繊維に沿う(=縦)
こちらは、加熱料理におすすめ。
繊維が残っているので加熱してもへたりにくく、シャキシャキ感を楽しめます。繊維が残っているということは、その中に含まれている水分も残っている状態です。
サッと加熱してその水分も閉じ込めたままにしておけば、水っぽくなることもなく、野菜炒めや生姜焼きなどがワンランクアップした仕上がりになりますよ。
繊維を断ち切る(=横)
こちらは、サラダなど生食におすすめ。
辛み成分が抜けているので、生でも食べやすくなります。硫化アリルは揮発性があると共に、水溶性でもありますので、水さらしをすることでより辛み成分は抜けていきます。
ただ、さらしすぎはビタミンなど他の水溶性の栄養分も流出してしまうので、長時間はさらさないようにしましょう。
他にも、温度が冷たいほど感じにくい性質もありますので、よく冷やして食べるのもおすすめです。
上手に使い分けよう
「繊維に沿う」「繊維を断ち切る」の特性を上手に使い分けて、たまねぎの食感や香りを色々な料理で楽しんでみてくださいね。
◆記事を書いたのは・・・小島香住(こじまかすみ)
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。男の子(1歳)のママ。子育てをしながら、野菜・果物を“おいしく食べて” “キレイに健康”になるレシピや保存のコツを紹介しています。
※ご紹介した内容は個人の感想です。