テクノロジーを活用して、客観的に自分の心と体の変動を調整!~連載「はじめよう!フェムテック」vol.15

2022/02/24

2021年10月26日(火)から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』(毎週火曜~木曜 午後7時53分~57分頃)。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀総編集長と東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた3回分の内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

●パーソナリティー

伊久美亜紀 Aki Ikumi
大学卒業後、出版社3社の編集部を経て、1995年ベネッセコーポレーションに入社。『サンキュ!』編集長を長く勤め、現在はK&Fメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務める。バツイチ29歳の長女一人。

東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった31歳。

●ゲスト

納さつきさん Satsuki Osame
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・「おさめスキンクリニック」院長。帝京大学医学部卒業、同大学院卒業。帝京大学医学部附属病院や国立国際医療研究センター、都内の美容皮膚科クリニックなどで研鑽を積み、2013年にクリニックを開業する。穏やかな語り口と温厚な人柄で、患者からの信頼も厚い。また、自身もニキビなどに悩んでいた経験から、見ためなど美容的な相談にも親身に対応。プライベートは2人の小学生ママでもある。http://osame-skinclinic.com/skincare/

まだまだ認知度の低い「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートした番組の第15週。ゲストは、皮膚科医の納さつきさんです。「加齢による皮膚トラブルがきっかけで、先生のところへ通院するようになって3~4年になります。予約制で診療時間をゆったりとってくださり、話がしやすい雰囲気をつくってくださるので、皮膚トラブル以外で感じる体調の変化についても気軽に相談させていただいています。温和なお人柄にも癒やされています」(伊久美)

【Talk 1】

■東島アナ「今夜のテーマは、“医師の視点から考えるフェムテック”です。納先生は、お医者さまの立場で、フェムテックの動向をどのように感じていらっしゃいますか」

■納「フェムテックはハードルが高いとか、忙しくて考えられないと思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、身近なところから始めてみてほしいなぁと思います。例えば、体温もコロナ対策としてだけでなく、毎日同じ時間に測ってアプリに記録しておけば、月経周期の予測や妊活、閉経後も体の管理に使えるので、体調の変化に気づきやすくなります」

■伊久美「女性特有の症状をテクノロジーで解決するフェムテックを、毎日の生活の中で積極的に実践していくことに賛同されているんですよね」

■納「はい。大賛成です!テクノロジーを利用して、自分の体の状態を客観的に見つめることで、より快適に暮らせると思います。女性は、女性ホルモンのバランスの波とともに、心と体の状態も変化するのですが、周期があるので自分で調整することもできるんす。これは、女性ならではの特権だと思います」

■東島アナ「女性特有の心と体の変化は、面倒でつらいこととしてネガティブに捉えがちですが、調整できるのであれば、前向きに取り組んでいきたいですね」

■伊久美「テクノロジーに苦手意識があっても、毎日体温を測ってアプリに記録することならできそう(笑)。早速始めていきたいです!」

【納 Voice 1】

テクノロジーを利用すれば、心と体の波もコントロールしやすくなる

自分自身のことを客観視することはなかなか難しく、例えば、昨日と今日の体温の変化を、しっかり認識している人は少ないです。毎日同じ時間に体温を測定して記録しておくことで、微妙な体調の変化に気づけるようになるなど、病気を早期に発見できることにもつながる。テクノロジーを敬遠せず、自分が少しラクな時間をつくるためにも、健康維持をサポートしてくれる味方として積極的にアプリやサービスの利用をおすすめしたいです。

【Talk 2】

■東島アナ「皮膚科医として、多くのかたを診察されていると思いますが、コロナ禍で、患者さんの症状に、何か変化を感じていらっしゃいますか」

■納「診察をしていて、背景からヒアリングをしていかないと、不調やストレスの原因は見えてこないなぁと感じています。“ストレスはないです”とおっしゃる患者さんも、細部までお話を伺っていくと、ご本人が気づかれていないストレスを抱えていらっしゃることも多い。そして、ストレスを抱えた状態が、当たり前になってしまっているようにも感じます」

■伊久美「具体的にどんな症状が表れてきているかたが多いですか」

■納「全世代で肌荒れは多いですね。あとはアトピーやじん麻疹の患者さんが、さらに悪化してしまったり。帯状疱疹になるかたも増えています。また、頑張りすぎると、交感神経の働きが活発になって眠りにくくなる傾向があるので、寝つきが悪いとか、不眠症を訴えるかたも。ほんの少しでも異変を感じたら、クリニックにご相談いただけたらと思います」

■伊久美「お医者さまにそう言っていただけるとうれしいですね。今、“コロナ禍なので、ちょっとしたことで病院へ行ったら、先生にご迷惑がかかるだろう”と考えるかたも多いと思うので」

■納「ささいなことだと感じたり、外出によるコロナへの感染が心配なかた、忙しくて通院できないというかた、自宅療養者に向けて、今はオンライン診療という方法があります。体温測定結果のアプリへの記録やオンライン診療を受けてみるなど、うまくテクノロジーを利用して、ご自身の心身を客観視していただけたらと思います。コロナ禍でストレスがいろいろあるはずですから、何より心身の健康を守っていただくことが大切です」

■東島アナ「オンライン診療も、スマホにアプリを入れるだけで、簡単に受診できますね。テクノロジーを利用すると時間も効率的に使えるようになって、生活がより快適になっていきそうな気がします」

【納 Voice 2】

自分の健康と向き合う時間を確保することが、幸せな時間の継続につながる

体温測定など、自分の健康状態を客観視する習慣を続ける中で、気になる症状や心配なことは、対面診療でなくてもオンライン診療という手段があります。患者さん側にとっては通院時間を省けるだけでなく、免疫が弱いかたの感染予防にもなる。医師側も対面診療より時間に余裕ができることが多く、余った時間を他の診療に充てることができ、互いにとって時間の有効活用に。さらに、患者さんが感じた異変を医療従事者と共有することで、早めの準備や対策も可能になってきます。異変をささいなことと思わず、テクノロジーを活用して、健康維持を心がけていただきたいです。健康と幸せは表裏一体ですから。

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次週のゲストは、マルチ・プロデューサーで「オトナの思春期」主宰の みよしようこさんです。

【番組インフォメーション】
『はじめよう!フェムテック』は、毎週・火曜日~木曜日の19時53分~57分の番組。火曜日:ニッポン放送をキーステーションに、全国19局ネット、水曜日・木曜日:ニッポン放送をキーステーションに全国27局ネットで放送中。聴き逃したかたは、お住まいのエリアのradikoでもお聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは27年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND