「ご教示の意味」とは?ご教授との違いや例文、注意点や言い換え表現まで
2022/06/04
ご教示は、教え示すことを意味する言葉。
相手から情報や知識を教えてもらうときに「ご教示ください」や「ご教示いただけますでしょうか」のような形で用いる言葉です。
今回はご教示の意味は?使い方や例文は?といった疑問だけでなく、言い換え表現や「ご教示」を正しく使うための注意点まで解説します。
ご教示とは?
ご教示の読み方と意味、ご教授との違いやご教示を使える対象について解説します。
ご教示の読み方と意味
ご教示は「ごきょうじ」と読みます。
教示とは、文字どおり「教え示すこと」を指す言葉。この「教示」に丁寧表現の「ご」を加えた「ご教示」は、主に相手から情報や知識を伝達してもらう際に用いる言葉です。
基本的には、相手から何かを教えてもらう際に用いる言葉と理解しましょう。
ご教示とご教授の違いは?
「ご教示」と「ご教授」では、相手から教えてもらいたい内容に違いがあります。
ご教示は「教え示すこと」を指し、ご教授は「教え授けること」を意味する言葉です。よって両者を用いる際に教えてもらう内容には、次のような違いがあります。
ご教示:すぐに伝えられる簡単な内容(例:知識や情報など)
ご教授:伝達に時間がかかる比較的難しい内容(例:学問や技芸など)
たとえば「打ち合わせの内容」や「申し込み方法」などを確認する際には「ご教示」が適しています。一方で「伝統芸能の技術」や「専門分野の知識」などを教えてもらう際には、「ご教示」ではなく「ご教授」を用いるのが適当です。
ご教示は誰に対して使える?
第三者に情報や知識の伝達を求める「ご教示」は、相手の立場を問わず使えます。目上の方に使っても、失礼にあたる言葉ではありません。
「ご教示」は、単に「教えてください」と伝えるよりも丁寧な表現です。とくに、目上の方に情報や知識の伝達を求める際には「ご教示」を用いましょう。
ご教示の使い方・例文
「ご教示」は具体的にどのように使われるのでしょうか。よく使用される「ご教示」を用いた6つの言い回しとその例文を通して、具体的な使い方を確認しましょう。
「ご教示ください」を使った例文
「ご教示ください」を使った例文は、以下のとおりです。
・改善点や気になることなどがあればご教示ください
・来週おこなわれるミーティングの議題を事前にご教示ください
「ご教示いただけますでしょうか」を使った例文
「ご教示いただけますでしょうか」を使った例文は、以下のとおりです。
・ご多忙のなか恐縮ですが、明日のパーティーの参加可否をご教示いただけますでしょうか
・専門部品Aの発注方法をご教示いただけますでしょうか
「ご教示いただけますと幸いです」を使った例文
「ご教示いただけますと幸いです」を使った例文は、以下のとおりです。
・プロジェクト全体を通して懸念点などあれば、ご教示いただけますと幸いです
・明日のスケジュールについて、ご教示いただけますと幸いです
「ご教示いただきありがとうございます」を使った例文
「ご教示いただきありがとうございます」を使った例文は、以下のとおりです。
・お忙しいところ、早速ご教示いただきありがとうございます
・お打ち合わせの参加可否についてご教示いただきありがとうございます
「ご教示くださいますようお願いいたします」を使った例文
「ご教示くださいますようお願いいたします」を使った例文は、以下のとおりです。
・先方への対応について、ご教示くださいますようお願いいたします
・大変お手数ですが、〇〇の操作方法をご教示くださいますようお願いいたします
「ご教示願います」を使った例文
「ご教示願います」を使った例文は、以下のとおりです。
・ご都合のよい日程をご教示願います
・〇〇プロジェクトの進捗についてご教示願います
ご教示の類語
ご教示と似た意味を持つ表現を2つ紹介します。
ご指導
「ご指導」は、ある目的や方向に向かって教え導くことを指す言葉です。
「ご教示」や「ご教授」のように相手から教えてもらいたい内容が明確な場面ではなく、方向性や目的といった大まかな内容に対する考えを求める際に用います。
例文
・今後は〇〇が担当となりますが、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします
・本日は〇〇についてご指導をよろしくお願いいたします
ご指南
ご指南は、武術や芸能などを教え示すことを指す言葉です。具体的には剣道や柔道などの武術、茶道や華道などの芸事を教えてもらう際などに用います。
例文
・先生がこれまでの経験で培った剣道の戦術をご指南いただきたいです
・その道のプロである◯◯先生からご指南いただきたく存じます
ご教示を使うときの注意点
「ご教示」を使うときの注意点を4つ紹介します。
基本的に社外の方や目上の方に対して使う
相手に情報や知識の伝達を求める「ご教示」は、基本的に社外の方や目上の方に対して使います。
「教えてください」を丁寧にした表現なので、同僚や部下に対して使うと大げさな印象を与えてしまう可能性があるためです。
私的な場面で友人や恋人に使う言葉としても適しません。同僚などに使っても誤りではありませんが、基本的には社外の方や目上の方に使う言葉と理解しましょう。
話し言葉では使わない
「ご教示」は書き言葉であり、一般的にはビジネスメールなどの文章で用いる表現です。
話し言葉として用いると、相手に丁寧すぎるような印象を与えかねません。
話し言葉で「教えてください」を丁寧に表現したいときは、次のように言い換えましょう。
・教えていただけますでしょうか
・お聞かせいただけますか
「ご教示」は書き言葉であると理解し、状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
「ご教示」と一緒に使う語尾にも意識を向ける
「ご教示」を使う際には、一緒に使う語尾にも注意しましょう。
一緒に使う語尾によって、相手に与える印象が変わるためです。
たとえば「〜ください」は「〜しなさい」という命令形を丁寧にした表現であるため、「ご教示ください」は相手に対してやや強引な印象を与える恐れがあります。
よって目上の方に「ご教示ください」と伝えると、ネガティブな印象を与えかねません。
丁寧な印象を与えたいときには、次のような表現を用いるのが適しています。
・ご教示いただけますでしょうか
・ご教示いただけますと幸いです
・ご教示のほどよろしくお願いいたします
「ご教示」は丁寧な表現ですが、一緒に使う語尾にも意識を向けるようにしましょう。
「ご享受」との誤変換に気をつける
「ご教示」を用いる際には、「ご享受」との誤変換にも気をつけてください。
「ご享受」には「恵みや恩恵を受け取る」という意味があり、「ご教示」を使う場面で誤って用いると失礼にあたります。
「ご教示」の入力時には、「ご教授」と誤用することも少なくありません。言葉の意味を正しく把握するだけでなく、書き損じや打ち間違いをなくすことも大切です。
「ご教示」に関するよくある疑問と回答
最後に、「ご教示」に関してよくある疑問に回答します。
「ご教示ください」の言い換え表現は?
「ご教示ください」の言い換え表現は、以下のとおりです。
・お教えいただけますでしょうか
・お伺いできますでしょうか
・お聞かせください
「ご教示」は英語でなんという?
「ご教示」は英語で「teach」や「enlighten」などと表されます。
「ご教示ください」を意味する英語としては「Please enlighten me on the specifics」などの表現がよいかもしれません。
まとめ
ご教示は、相手から情報や知識を教えてもらう際に用いる言葉。
基本的には目上の方に対して用いる言葉なので、部下や後輩などに使うのは避けるのが無難です。またメールなどで用いる書き言葉なので、口頭では別の表現に言い換えましょう。
ご教示の意味や使い方を正しく把握し、ぜひ適切に使用できるようになってください。