ケアを始めた人から幸せになれる!「フェムゾーン」って何!?

2022/07/16

取り残されているひとをなくしたい。ずっと住み続けられる地球にしたい。そんな思いと行動が「持続可能な世界」につながると『サンキュ!』は考えます。今日よりあしたを良くするために、何かを始めたひとに会いに行く連載です。

<教えてくれた人>
高林裕果さん(44歳)/看護師・腟衛生協会代表
Glad株式会社 代表取締役社長。熱気あふれるフェム関連イベントは即満席。夫と中1長女の3人家族。

History
●2000年(22歳)看護師として小児科やICUに勤務。
●2002年(24歳)フェムゾーンのケア(フェムケア)の大切さを体感し、独学でケアを始める。
●2006年(28歳)結婚後に退職。美容の勉強を始める。
●2014年(36歳)美容クリニックの立ち上げに協力するなど、フェムケアに関する仕事を始める。
●2019年(41歳)腟ケアコスメ「CITUCA(ちつ花)」を開発。
●2021年(43歳)腟衛生協会を立ち上げる。フェムテックの会社「Glad」も設立。「フェムダン」監修や「note」での執筆など、フェムケアの大切さを発信。

"おまた(陰部)"から"フェムゾーン"へ。呼び名が変わった今が日本の意識を変えるチャンス

かつて看護師として働いていた高林さん。「介助中に目にする女性のフェムゾーンに、トラブルが多いことに驚きました」。具体的にはかゆみやニオイ、かぶれ。腟炎や膀胱炎を繰り返すケースも。「健康で快適に暮らすためには、フェムゾーンのケアが欠かせないのに、日本では恥ずかしいこととしてタブー視されています。欧米ではケアすることが当たり前なのに……。その状況を私が変えたい、という使命感が湧き上がったんです」。
ここ数年"おまた周り"を表す"フェムゾーン"という言葉が浸透し始め、女性たちの意識にも変化が。「悩みを相談しやすくなったという人が増えました。吸水ショーツなど"フェムテック"が注目されたことも追い風に。ついに来たチャンス、今こそ広めていきたい」。

アラフォーを過ぎると急激に老化する腟。ケアは全女性にとって欠かせません

「うちはセックスレスなので、腟のケアは必要ありません」と話を拒否されることも多いと話す高林さん。「知ってほしいのは、フェムゾーンに対する正しい知識です。腟は30代後半からの女性ホルモンの減少に伴って、乾燥しやすくなり、トラブルも増加します。フェムゾーンを覆う骨盤底筋も筋力が低下し、尿漏れの原因に。それらを防ぐためにも、全ての女性にケアが必要なのです」。 
高林さん自身、20代からケアを始めたのだとか。「私の場合ですが、ケアを始めてから生理が快適になり、肌のトラブルも減りました。骨盤底筋を鍛えてからは尿漏れもゼロ。顔をケアするのと同じように、興味をもって大切にしてあげることが、未来の快適さにつながりますよ」。

フェムゾーンケアとはどんなことをするの?

フェムゾーンを清潔にする+骨盤底筋を鍛える

ケアは大きく分けて2つ。お風呂で洗ったあと、オイルなどで保湿をすること。骨盤底筋はふだん立っているときに、意識的にきゅっと腟を締めるようにするだけでも効果があります。

あなたは「フェムゾーン」(腟周り、腟の中)のケアをしている?緊急アンケート!!

ほとんどの人がボディソープで洗っていた!

ボディソープで洗う人が約7割という結果になったが実はこれはNG(詳しくは下記で)。VIO脱毛は若い人に人気。

※20~50代『サンキュ!』読者にアンケート。(22年5月実施、61名による複数回答)

ボディソープでささっと洗う※、保湿はしない……これ絶対NGです!

「腟周りはまぶたと同じくらい皮膚が薄いので、敏感肌用か専用ソープを使って洗いましょう。そのあとは低刺激のオイルや化粧水・乳液でしっかりと保湿を」と高林さん。

※腟内の常在菌(デーデルライン桿菌「かんきん」)に自浄作用があるので、腟内までソープで洗う必要はありません

スターターキットもあります!

フェムゾーンに合わせた弱酸性の専用ソープのほか、保湿ミスト、オイル、クリームがセットになったCITUCAのキットは1980円。

44歳でファンデ要らずの肌はフェムケアのおかげだと思う

「フェムゾーンのケアが顔や全身の潤いアップにもつながっていると思う」と高林さん。ノーファンデでチークのみという高林さんの肌は40代とは思えないほどプルプル。

フェムゾーンは顔と同じようにケアをすべき。それを全ての日本女性の常識にしたい

「顔が老けたなーと思うとき、腟も同じように老化しています」と高林さん。「無添加のホホバオイルなどで腟周りをマッサージするのもおすすめ」と夫婦関係の専門家で一緒にフェムテック会社「Glad」を立ち上げた、フェムケアを啓発している三松真由美さん。

尿漏れが治る、腟が締まる「フェムダン」を流行らせたい!

「フェムダン」=フェムゾーンを健康にするダンスプログラム。高林さんが監修を手掛け、全国に広めようと始めたばかり。腟と骨盤底筋を意識しながら踊ることで、生理痛や尿漏れ、腰痛などを予防。写真の右手前は三松さん。「フェムダン」効果で尿漏れもなし。

初心者でも楽しめるダンス。全身を使うのでダイエット効果も。リピーターも多い。

YouTubeでフェムダンをチェック!【FemDanについて】で検索!

参照:『サンキュ!』2022年8月号「サンキュ!SGDs部」より。掲載している情報は2022年6月現在のものです。撮影/tsukao 構成/岡部さつき(風讃社) 取材・文/宇野津暢子 編集/サンキュ!編集部

 
 

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