「ご用命」はどう使う?よく使う日本語の正しい使い方と間違った使い方を解説
2022/07/29
日常生活やビジネスで使う日本語、正しく使えているか不安なことってありませんか?よく調べないまま使っていると、間違った使い方をしているかもしれません。
多くの人が意味をよく理解せずに使っている言葉がけっこうあるので、注意が必要です。
意味を間違えやすい日本語の言葉や言い回しについて、国語科教員免許を持つ ライターのdanngoさんが解説します。
「ご用命」の意味とは?
「ご用命」という言葉は、「用命」という語に丁寧な意味をそえる「ご」がついたものです。
「用命」というのは、「用事を言いつけること」という意味。
「ご」がつくことにより、立場が上の人が下の相手になんらかの仕事を言いつけるというニュアンスになります。
「ご用命」の正しい使い方、例文は?
「ご用命」は立場が上の相手が自分側に対して、何か命令や依頼をしてくることを指す言葉です。相手の依頼や注文を受けるとき、またはそういった状況を期待するときに使われることが多いといえます。
具体的には、こんなふうに使うといいでしょう。
・弊社のプランをご検討のうえ、よろしければぜひご用命くださいませ。
・このたびは、ご用命いただき大変ありがたく存じます。
目上の人に使ってもいい?だめ?
「ご用命」には相手を敬う響きがあり、目上の人に使える言葉です。逆に、目下や同僚には使えない表現なので注意してください。
間違いやすい「ご用命」の誤った使い方
「ご用命」はあくまでも目上の相手から自分側への依頼や注文、命令があった時に使う言葉です。
丁寧な言い方ではありますが、自分側から相手への依頼や注文をおこなう場合には使えないので注意しましょう。
したがって、以下のような使い方は誤りです。
・弊社がご用命した見積書につきましては、近日中にご提出をお願いいたします。
・我々のご用命をお引き受けいただき、大変うれしく思っております。
このように、自分側を主語にして「ご用命」を使わないようにしましょう。とても偉そうに聞こえて、失礼な印象を与えてしまいます。
自分側が相手に何か頼むケースでは「ご依頼する」「ご依頼申しあげる」といった表現を使うといいでしょう。
みなさんは「ご用命」という言葉を正しく使えていましたか?
世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に対して使うときは特に気をつけましょう。
ただ、間違って使われているうちに言葉の意味が少しずつ変わっていく可能性もあります。
正しい意味を理解したうえで、相手が間違って使っているときは柔軟に受け入れるのが大人の対応かもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・ danngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの 主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。