本格的な暑さに備えよう!気象予報士が注目するカギは「暑熱順化」
2024/05/19
まだ初夏だというのが信じられないほどの暑さにさいなまれる日々。夏本番になったら本格的な暑さに体が耐えられるか心配…、そんな人も多いはず。
暑さに耐えるには体が「暑さに慣れる」ことが必要ですが、急激に暑くなる昨今はあらかじめ意識的に「暑さに慣れる」よう備えておくのがおすすめ。
今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんに「暑さに慣れる」しくみと真夏に備えるためのコツを教えてもらいました。
「暑熱順化」とは?
毎年夏になると暑くなり、冬になると寒くなって、また夏が来ると暑くなるので、人間の体はその都度、暑さに慣れたり寒さに慣れたりというプロセスを繰り返しています。
このうち「暑さに慣れる」ことを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と言い、具体的には、うまく汗をかけるようになったり、外気温が上がっても体温が上がりすぎないよう調節できるようになったりします。
暑熱順化は何もしなくても季節とともにプロセスが進むので、もちろん自然に夏を待ってもいいのですが、最近は真夏待たずして急激に暑くなることが増え、あらかじめ意識的に暑熱順化を進めておくことがおすすめなのです。
実践は「ややきつい」を目安に
意識的に「暑熱順化」のプロセスを進めるのに有効なのは、少し汗ばむくらいの環境でややきついくらいの運動をすることです。
「ややきつい」には個人差がありますが、たとえば環境省の指標では、30分程度のウォーキングを2週間ほど続けると効果が出るとされています。
2週間もかかるの!?と思われるかもしれませんが、じつは通常なら1カ月以上かかる自然のプロセスを短縮していることになるのです。そのほか、ぬるめのお湯に10分ほどゆっくり浸かるのもおすすめです。
コツは「無理をしない」こと
暑熱順化をうまく進めるための一番のコツは、決して無理をしないことです。無理をして体調を崩してしまうと、逆に暑さに弱い体をつくってしまうことになります。
そしてもう一つのコツは、本格的に暑くなる前にやっておくことです。
たとえば2023年の東京では、5月には2回しかなかった最高気温30度以上の日(真夏日)が、6月には8回、そして7月には29回もありました。
もちろん真夏日の回数は年によって増減しますが、本格的な暑さを迎える前に体の準備をしておきたいですね。
■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。
編集/サンキュ!編集部
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。