イ・ドヒョン主演最新ドラマ『良くも、悪くも、だって母親』子供を想う母親の愛を描いたヒーリングコメディを韓ドラマニアが徹底解説!

2024/09/05

2017年にデビューしたイケメン俳優イ・ドヒョン。シュッとしたスマートな顔立ちですが、笑うとあどけなさが残る、そんなギャップが魅力です。

イ・ドヒョンは2023年8月14日、兵役義務を果たすため人気絶頂の中入隊しました。入隊前最後の主演ドラマとなったのがNetflixの『良くも、悪くも、だって母親』です。

厳しい母親に育てられ検事になった息子を演じた本作について、韓ドラマニアで韓ドラライターのJUMIJUMIさんに徹底解説してもらいましょう!

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韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間50作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極...

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あらすじ:「悪い母」になり厳しく育て検事になった息子が、事故で7歳の知能レベルになってしまい…。

チン・ヨンスン(ラ・ミラン)は夫と共に養豚場を経営していました。子供も授かり慎ましくも幸せな生活を送っていましたが、養豚場を不審火で失い、夫も突然他界してしまいます。ヨンスンはチョウ里という田舎町に新しい養豚場を建て、女手一つで子供を育てる決意をします。

「自分たちのような苦労はさせたくない」という思いから、生まれた息子ガンホ(イ・ドヒョン)に過度なスパルタ教育をするヨンスン。「満腹だと眠くなって勉強ができない」と食事も充分に与えず、学校の遠足にも行かせず、テレビや絵などガンホの好きな物も奪い、とにかく勉強を強要しながら育てました。

行き場のない怒りや悲しみを抱えながら育ったガンホですが、ヨンスンの望み通り検事になりました。しかし自分の野望のためなら悪事も働く冷酷な人間になっていて、「お世話になった人の養子になる」とヨンスンとの親子の縁も切ろうとします。

しかしそんな矢先、ガンホは事故に遭い生死を彷徨う重傷を負ってしまいます。ヨンスンの懸命な看病の甲斐もあり、ようやく目を覚ましたガンホ。しかしガンホは事故前の記憶を失い、7歳児程度の知能レベルになってしまったのです…。

見どころ:母の愛に涙し、サスペンスにハラハラし、胸キュン&笑いもいっぱい!

見どころ1:子供のためなら「悪い母親」になる。絶対的な母親の愛に感動!

出典:Amazon

本作の韓国語の原題は「悪い母親」です。

ヨンスンは「無知で無力な自分のような苦労はさせたくない」「臭いと罵られる養豚場など継がせたくない」という親心で、「悪い母親」となりガンホを厳しく育ててきました。

しかし事故による大怪我で体も不自由になり、知能も7歳児レベルになってしまったガンホ。ヨンスンはガンホが自分の力で立ち上がり、自分の力で生きていけるように、もう一度育て直してゆきます。

その育て方はあまりにも過激!?同じ子を持つ母である筆者すら度肝を抜かれましたが、ヨンスンの言動の根源はいつでも間違いなく「ガンホのため」でした。

普遍的で不変的で絶対的な無償の愛情を、余すことなくガンホに捧げるヨンスン。「母親像」には様々な形があると思いますが、「悪い母親」になることもその一つ。

きっと全てのお母さんたちが、ヨンスンの愛に共感できる部分を持っているだろうと思います。そしてその愛情にガンホがどのように応えていくのか…それが大きな見どころです。

見どころ2:父の死、ガンホの事故…。黒幕の悪事を証明できるのか!?

予告動画やあらすじからは、田舎町で巻き起こるほのぼのコメディーのように感じられますが、実は本作にはサスペンス要素も多く含まれています。

検事になったガンホが、それまで支えてくれた幼馴染のミジュに別れを告げ、冷酷な人間になってしまったのは何故なのでしょうか?母ヨンスンとの縁を切ってまで、何をしようとしていたのでしょうか?

これらに隠された秘密は、ガンホが生まれる前に亡くなった父親の最期や、ガンホが7歳児に戻ってしまった原因となった事故にも繋がっていくのです…。

ガンホのすぐ近くで蠢く強大な黒幕、迫る危険。ストーリーの後半を過ぎるとその真相に近付き、目が離せない展開になっていきます。ガンホは事故前の記憶を取り戻し、真実を明らかにすることができるのでしょうか?

舞台はのどかでほのぼのとしたチョウ里ですが、ハラハラドキドキの展開が加わり、ストーリーの緩急がバッチリです!

見どころ3:幼馴染のミジュ&サムシク、そして愉快なチョウ里の人々に笑い泣き!

ガンホと同じ日・同じ場所で生まれたミジュ(アン・ウンジン)は、厳しい母と暮らすガンホにとってオアシスのような存在。ミジュもガンホを一途に想い続け、ネイリストとして働きながら検事を目指すガンホを支えてきましたが、ある日ガンホから別れを告げられてしまいます…。

時が経ち、双子の母親になっていたミジュ。ソウルでネイルショップを経営していましたが、友人に騙され店を失い、仕方なくチョウ里に帰ってきます。

ガンホとミジュの幼馴染サムシク(ユ・インス)は、昔からミジュに片想いしている純粋な男ですが、出来のいいガンホとは反対にやんちゃで勉強も苦手なチョウ里のトラブルメーカーです。窃盗罪で服役していましたが、刑期を終えチョウ里に戻ってきました。

そんな2人の前に現れたのは、自分たちのことをすっかり忘れ7歳になったガンホでした…。

再会した幼馴染3人。相変わらずミジュに夢中で、ガンホを敵対視するサムシク。本当は関わりたくないのに、不憫なガンホを無視できないミジュ。そんな2人に無邪気に接するガンホ。

止まっていた3人の恋と友情が、ここからまた大きく動き出します!

チョウ里の里長を演じるのは『五月の青春』でもイ・ドヒョンと共演したキム・ウォネ。本作では彼の代名詞とも言える、クセのあるコミカルな演技を解禁!

ミジュの母を演じるのは『39歳』や『赤い袖先』などで知られるカン・マルグム。サムシクの母を演じるのは『ホテルデルーナ』や『スタートアップ:夢の扉』などに出演するソ・イスク。

ベテラン俳優たちが演じる個性強めなチョウ里の人々が、要所要所で笑いと涙を誘います!

筆者の感想:感涙必至!全ての母親に勇気をくれる作品です!

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厳しい母のもとでも真っ直ぐに育った青年期のガンホ。愛するミジュと過ごすスウィートなガンホ。検事になり悪事に手を染めるようになった冷酷なガンホ。そして7歳児になり「お母さん!お母さん!」と甘え頼るガンホ。

イ・ドヒョンは本作で変幻自在な演技を披露しました。入隊前最後の集大成として、俳優デビューから約6年間で積み重ねてきた実力を、惜しみなく見せてくれたように感じます。

またミジュを演じたアン・ウンジンの、素朴な温かさと正義感溢れる凛々しさを併せ持つ演技や、サムシクを演じたユ・インスの、お馬鹿さんだけど憎めない愛されキャラクターが、親近感が湧いてとにかく魅力的でした。
さすが今をときめく引く手数多な若手俳優たちです!

そして筆者自身も子を持つ母親として、本作を通して「良い母親」になることの難しさを改めて感じました。

子供のためを思って言うこと・やることは、子供にとっては大抵嫌なことですよね。「野菜を食べなさい」「体に悪いお菓子は食べちゃダメ」「勉強しなさい」「ゲームばっかりしない!」日々口にしている言葉たち…。

自分の夢を押し付けてもいけないし、子供に期待しないのも良くない。干渉しすぎてもいけないし、無関心すぎてもいけない。

きっと自分が求めるレベルと子供の求めるレベルを上手く近付けて、バランスよく許容できるのが「良い母親」なんだろうと感じましたが、そう簡単にできることではありません。

決してそれが「良い母親」という姿ではなくても、思い悩み葛藤しながら「子供にとって一番いい」と思う選択をし続けていくのが母親。どんな育て方であろうと、そこに「子供を想う本当の愛」があれば大丈夫。ヨンスンがその姿を通し、そう教えてくれているようでした。

この世界の悩める全ての母親たちを「それでいいんだよ」と優しく包み込んでくれる、そんな温かさのある作品だと思います。

■執筆/JUMIJUMIさん…韓国留学を機に韓国の文化に魅了される。年間30作品以上の韓国ドラマを視聴し、またライターとして情報発信も積極的に行う。ただ作品の内容を説明をするだけでなく、食や生活様式など文化面から掘り下げた解説を得意としている。インスタグラムはjumistyle99。

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