《ひでこの部屋 ゲスト:小倉優子さん》「今の自分にふさわしい物を選び抜く」
2023/11/12
シングルマザーとして息子3人を育てながら、40歳を前に大学受験に挑んだ小倉優子さん。変化の受け容れからコンプレックスの断捨離、50歳までの人生展望まで縦横無尽の断捨離トークをお届け!
子どもの大量の本、どう断捨離する?
小倉:断捨離は日頃から心がけています。でも、気づくと物が増えているのはなぜなんでしょう?
ひでこ:それは自然なこと。生きていれば物は増えます。私も実は最近増え気味よ(苦笑)。
小倉:え!ひでこ先生でも!?私の場合は特に息子3人の物が増えやすくて、しかも捨てにくい。特に棚は子どもの本でギッシリです。
ひでこ:本の断捨離は難易度が高いんですよ、心の財産だから。ただ、定期点検は必要ね。
小倉:ですよね。どうしよう……。
ひでこ:子どもの本なら、子どもに選ばせてみたら?コツは「お気に入りはどれ?」と問いかけることと、選んだ本に共感してあげること。すると子どもに安心感が生まれて、それ以外の本は自然に手放せるようになる。
小倉:そっか。「捨てなさい」って言われると、子どもは悲しくなりますものね。
ひでこ:そう。自分を否定されたように思ってしまう。それに、断捨離の基本は「今の自分にふさわしい物を選び抜く」こと。子どものうちからレッスンしたらいいわね。
小倉:さっそく試してみます!
強制的な断捨離は成長への脱皮
小倉:私は変化を積極的に楽しむタイプです。でも、ときには望んでいない変化が起きることもありますよね。そんなときは「いつか『これでよかったんだ』と受け容れられる日が来るはず」と思いながら、時間が解決してくれるのを待ちます。ひでこ先生はいかがですか?
ひでこ:人生には、状況や人間関係が、望んでいないのに終わってしまったり、努力しても望んだ結果にはならないことがある。これを私は「強制断捨離」と呼んでいて、私自身何度も経験済みよ。「強制断捨離」は大きな痛みを伴う。でもね、成長するために必要な脱皮でもあるの。
小倉:脱皮!その発想はなかったです。
ひでこ:せっかく脱皮したのに、殻がまとわりついていたら窮屈でしょう?強制断捨離はつらいけど、それでも殻を脱ぎ捨てて、前に進むことが大切。もちろん小倉さんの言うように、受け容れるまでに時間がかかる場合も多いわね。
小倉:深いお話!殻を脱ぎ捨てられると考えれば、きつい「強制断捨離」も、頑張って乗り越える気力が湧いてくるかもしれないですね。
「置かれた場所で咲きなさい」の言葉に目からうろこが落ちた
ひでこ:この4月からは大学生になられたのね。
小倉:もともと教育に興味があって、私が教育系の専門書を何冊も読み込んでいるのを知ったテレビのプロデューサーの方から「大学に行ったらいいのに」と言われてはいたんです。とはいえ、私が大学受験をするという番組企画のお話をいただいたときは、さすがに「絶対に無理!」と尻込みしました。
ひでこ:よく決意しましたね。
小倉:高校時代から芸能活動をしていて、勉強をほとんどしてこなかったことがコンプレックスのひとつでした。だから今回は、自分の弱みを克服したくて、挑戦させていただきました。
ひでこ:素晴らしい心意気!コンプレックスを断捨離することはできましたか?
小倉:第1志望の大学が不合格だったときは、「やっぱり私はいくら頑張ってもダメなんだ」と落ち込みました。でもそのとき、前に息子が通う小学校で見かけた「置かれた場所で咲きなさい」という言葉が空から降ってきてハッ!として。それで「置かれた環境でとことん学んで楽しもう!」と気持ちを切り替えたんです。
ひでこ:第1志望校に行く夢が途絶えたのは、まさに「強制断捨離」。でも小倉さんは、状況を受け容れ、前に進むことを選んだ。あっぱれですよ。
小倉:ありがとうございます。合格した白百合女子大にいざ入学してみたら、児童心理学系など私が学びたい授業が充実していて、結果的に大正解でした。私はここで頑張る!って決めたあたりから、ようやく少し、自分を認められるようになった気がしますね。
大学院を50歳までに卒業するのが目標
ひでこ:キャンパスライフはいかが?
小倉:今は週3回大学に通っていて、10代の同級生たちと仲良くしています。みんな敬語ではなく、「ゆうこりん」って話してくれます(笑)。学食で一緒にランチすることもあるんですよ。
ひでこ:楽しそう♪
小倉:大学院まで進むのが目標になったんです。今39歳なんですが、子育ての時間も大切にしたいし仕事もするので、時間をかけて卒業するのもいいかなと思っています。大学と大学院で学んだことを、50代から活かしていくのが夢ですね。
ひでこ:「もう◎歳だから……」という固定観念も断捨離して、自分らしい人生を歩み始めた小倉さん。素敵だわ。これからも応援していますよ。
「強制断捨離」は大きな痛みを伴う。でもね、受け容れた先の成長は大きいの――ひでこ
第1志望校は不合格だったけれど、39歳の大学生活を満喫しています――優子
<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験したのち、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。BS朝日の高視聴率番組『ウチ、“断捨離”しました!』(毎週火曜夜9時)にレギュラー出演。
・小倉優子さん
タレント。1983年、千葉県生まれ。高校時代にグラビアアイドルとしてデビューし、「ゆうこりん」の愛称で大ブレイク。11歳、6歳、3歳の男の子のシングルマザー。大学受験(一般入試)に挑戦し、今年4月から白百合女子大学に通学している。
参照:『サンキュ!』2023年11月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2023年9月現在のものです。撮影/久富健太郎 スタイリスト/鷺岡 奏(小倉さん) ヘア・メイク/ Hachi(ひでこ先生) 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部