夫を不幸にする「ママカーストに執着する妻」の実態を専門家が解説
2023/11/29
集団内での序列を説明する言葉として使われることが多い「◯◯カースト」という表現。今回は、夫を不幸にする「ママカースト」の実態について「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに解説してもらいました。
妻の行為が夫や家族を不幸に!?
「スクールカースト」という言葉を耳にされたことがあると思います。学校において自然発生する「生徒間の固定的な序列」のことを指します。
リーダー的な発言力を持つ、比較的派手で目立つ容姿の生徒が1軍。それに従うクラスの大多数の“ふつう”の生徒が2軍。地味な性格で友人も少なく、目立った活躍もないおとなしい生徒が3軍。
このように分かれているのが一般的です。
この階層は一度決まるとなかなか上位に上がることがむずかしく、しばしば上位カーストが下位カーストをいじめの対象とするようなことも起こります。
同じようなことが、じつは幼稚園や保育園、小学校ぐらいまでのママ友界隈でも発生しています。ママ友ライフをより楽しく、少なくともいじめられることなく平穏にすごすためには、上位カーストに入ってそこにい続けなければいけない…と考える人がいてもおかしくありません。
しかし、このようなママカーストの仕組みや、カースト上位に入ろうとする妻の行為が、夫や家族にマイナスな影響をもたらすこともあります。
妻たちの序列である「ママカースト」はどのように決まっているのでしょうか。
少し昔のデータではありますが、「暮らし二スタ」が2017年に行ったアンケート(※)によれば、ママカーストを決める要素は以下のようなランキングになっています。
1.ママ自身のキャラクター
2.夫の年収や職業
3.住んでいる家の優劣
次点.子どもの才能や容姿
まずはこのランキングについて、筆者が取材を通じて知った情報を踏まえて解説しましょう。
第1位:「本人のキャラクター」
「親分肌」「リーダー的性格」「社交的」といった、周囲から慕われ、人望もあるかたがリーダーなら文句なしです。カーストは生まれません。
しかし筆者が知る実情は、「性格がきつく、遠慮がない」「押しが強く、自分の意見を曲げない」「口が達者で発言力がある」「自己主張が強く、積極的に意見を発信する」「自分中心に世界が回っている」といった、周囲を圧倒するような強めのキャラの方が1軍に君臨する傾向があるようです。となると周囲は振り回されます。
第2位:「夫の年収や職業」
共働きが一般化して久しいですが、「ママカースト」世界においては昭和の専業主婦時代の名残ともいえる「夫の稼ぎ」「夫の職業や勤め先」が、いまだ重要な位置を占めています。
実業家、会社経営など、所得だけでなく社会的ステータスが高い夫を持つ妻はカーストの最上位に君臨することが多い。会社員の場合は上場企業であるか、有名企業であるかどうかがポイントになります。もちろん役職も重要。一定の年齢以上であればどんな地位にいるのかにも注目が集まります。それ以外ではキャリア官僚などの上級公務員も上位カーストの職業に含まれるそうです。
ちなみにママ自身がバリキャリあるいは経営者の場合は、上位になるかと思われがちですが、そういったママはいそがしいので皮肉なことに「ママカースト」には参加しません。
第3位:「住んでいる家」
人生の大きな買い物である「家」もその家庭の経済力を如実に表すものとして、上位カーストに入れるかどうかのポイントです。
賃貸か持ち家か?戸建てかマンションか?マンションの場合は上層階か下層階か?
…など、こまかくランクが分かれます。
さらには家具や調度品、車などもその家庭の経済力をわかりやすく反映しますので、上位カーストに入るためには強化したいポイントになります。ハイソな生活をしている妻たちのインスタ投稿に注目してみてください。におわせ写真はたくさんあります。
第4位:「子どもの才能や容姿」
ママ本人の要素に加えて「いかにすてきな子どもがいるか」も大切です。具体的にはサッカー、野球、ダンスなどスポーツが上手であったり(有名クラブに所属してるとなおよし)、学校や塾での成績がよかったりといった、他者から羨望を集める才能あふれる子であるかどうかです。
また、その子に特別な才能がないとしても、クラシック音楽やバレエ、ゴルフなどお金のかかる習いごとをさせていることで、経済力の証として周囲にマウントをとることができます。さらにはシンプルに子どもが美少女、美少年であることも、ママのステータスを上げてくれます。
また、このランキングには入っていませんが「ママ本人の容姿や持ち物」もカーストを決める大きなポイントです。
服装や持ち物、メイクなどがハイブランドであるかそうでないかは比較的わかりやすく年収を反映するため、上位カーストに入る要素になります。容姿については本人が持って生まれた要素が大きいですが、いまどきは美容整形や歯列矯正、痩身エステなど「お金があれば獲得できる美」もたくさんあります。
したがって、経済的にゆとりのある上位カーストは、エステサロン、ヘアサロン、ネイルサロンなども含めて自分に投資をすることで美を獲得し、カースト上位に君臨することが可能になるのです。
夫を苦しめる「ママカースト」とは距離を置いて
さて、ここまで見てきていかがでしょうか。なんだか読んでいるだけでツラくなってしまうのがふつうの感情です。
もし、自分がママカーストの上位に入りたいと願うなら「本人の性格」のほかに「夫の年収や職業」「住んでいる家」「子どもの才能や容姿」「本人の容姿や持ち物」にこだわらねばなりません。
そしてそれをかなえるための要素は?結局のところ「お金」の重要性が高いですね。
妻が「ママカーストの上位に行きたい」と思うなら、「金を稼いで効率よく貯める」「たまったお金を妻が自分の価値を上げるために使う」ことが必要になります。
これは言い換えれば
「夫にはしっかり稼いでもらう」
「夫自身にはあまりお金をかけず、日常の出費も抑えて、効率よく貯める」
「たまったお金はママ自身や子どものステータスを上げるためにどんどん投資する」
ということになります。
妻がママ友カースト内で上位を狙う、あるいは現在の自分の上位の立場を維持しようと執着するなら、夫にとっては悲しいライフスタイルが待っている可能性が高いのです。
「ママカースト?俺にはなんだかよくわからないけど、女性はいろいろ大変そうだね」なんて暢気に考えている世の夫のみなさま。
「ママカースト」は、じつは夫を不幸にする構造で、そのカースト制度に取り込まれている妻の目線は自分と子どもに向き、夫はセカンドです。
「ママカースト」の仕組みに巻き込まれてしまって、カースト上位に行くことにパワーを注ぐ妻の皆様。ちょっと立ち止まってカーストから距離を置き、本当に大切なことを忘れていないかを考えてみると人生観が変わってきます。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。