“冷え”を改善するには、体によいものをバランスよく摂取することが大切~連載『はじめよう!フェムテック』

2024/01/11

2021年10月から、ニッポン放送でスタートした番組『はじめよう!フェムテック』。ベネッセコーポレーションとかます東京の共同企画で、今、社会的なムーブメントになりつつある「フェムテック」を、さまざまな角度から取り上げています。パーソナリティーは、おなじみの伊久美亜紀さんと東島衣里アナウンサー。この連載では、毎週オンエアされた内容を、ギュッとまとめてお伝えします。

番組ではフェムテックに関する、あなたの職場や家庭などでの問題点やポジティブな試みなどを募集いたします。ニッポン放送『はじめよう!フェムテック』宛にメール(femtech@1242.com)でお送りください。

<パーソナリティー>
●伊久美亜紀 Aki Ikumi
ライフスタイル・プロデューサー、企業コンサルタント。大学卒業後、『レタスクラブ』編集部、ハースト婦人画報社を経て、1995年~2022年までは、ベネッセコーポレーション発行のメディア総編集長として『たまひよ』『サンキュ!』『いぬのきもち・ねこのきもち』など年間約100冊の雑誌・書籍・絵本の編集責任者を務め、2023年に独立。31歳の長女一人。

●東島衣里 Eri Higashijima
長崎県出身。大学卒業後、ニッポン放送に入社。現在は「中川家 ザ・ラジオショー」(金 13:00~15:30)、「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(土 13:00~15:00)などの番組を担当。最近、女性の健康、そして幸せについて友人と語り合うことが多くなった33歳。

<ゲスト>
●大久保愛 Ai Okubo
漢方薬剤師、食薬アドバイザー。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室を卒業後薬剤師に。その後、北京中医大学で漢方、薬膳、東洋の美容などを学び、日本人初の国際中医美容師資格取得。年間2000人以上の漢方相談、調剤薬局、エステの経営を経て、医療・美容・食の専門家として活動。AI漢方相談システムCrowdSalonを開発し特許取得。食薬アドバイザー資格養成や商品開発、企業コンサルティング等に携わる。最新刊『心と体がバテない食薬手帳2024』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) も好評発売中。https://crowdsalon.com/

認知が広まりつつある「フェムテック」を推進して、女性だけでなく社会全体の幸せを目指したい!という意気込みでスタートしたこの番組。ゲストは漢方薬剤師で食薬アドバイザーの大久保愛さんです。「前回は乾燥対策がテーマでしたが、今回は、みなさんが冬に最も悩まされているという“冷え”についてです。私は暑がりで汗っかきなので、ずっと自分は冷え性ではないと思っていましたが、冷え性にはいろいろなタイプがあるよう。詳しく伺っていきたいと思います」(伊久美)

冷え性には、大きく分けて4つのタイプがある!

■東島アナ「ゲストは漢方薬剤師で食薬アドバイザーの大久保愛さんです。前回に続き、冬を乗り切るエイジングケアについて、漢方の視点を交えて伺っていきます。あるインターネットの調査によると、女性の冬の健康に関する悩みの1位は “冷え” だそうです。冷えは、どのように私たちの健康面に影響を与えるのか教えていただけますか」

■大久保「冷えのタイプも漢方で考えると、大きく分けて4つあると思います。1つめは、偏食によってたんぱく質の摂取が減り、ビタミンやミネラルが消耗されて生じる “気血両虚” という冷えの症状です。今の時期は、こってりしたデザートやクリーム系のパスタ、ドリアなどを食べ過ぎてしまいがちです。また、お酒を飲む機会も増えることで、体のエネルギーをつくり出す代謝ビタミンであるビタミンBが失われます。さらに、ストレスが多いかたは、ミネラルも消耗してしまいます」

■東島アナ「2つめは何でしょうか」

■大久保「寒いので、あまり外へ行かない。または、忙しいためデスクワークでずっと同じ姿勢でいるなど、運動不足によって血流が低下する “於血” という症状です」

■伊久美「確かに冬は室内にこもりがちですよね。3つめは何ですか」

■大久保「今は師走なので、忙しくてストレスが多いと思います。そうなると自律神経が乱れて血管が収縮して巡りが悪くなることで気が滞る “気滞” という症状です」

■伊久美「最後、4つめは何でしょうか?」

■大久保「1回冷えてしまうとなかなか温まらない底冷えタイプ “脾腎陽虚” です。消化器系統や基礎代謝が低下してしまうことが原因です。お伝えした4つが単体で、もしくはいくつかの症状を持っていることもあります。放置していたら体によくない場合もあれば、単純に運動や食事の見直しで改善される場合もあります」

■東島アナ「私は手先の冷えがひどいです。これまで、単純に自分は冷え性なのだと思っていたのですが、冷えにはいろいろな要因が組み合わさっているということですね。そうなるとより複雑ですね」

■大久保「そうですね。私たちの毛細血管は体内に10万kmくらいあります。30代になると、徐々に血液が末端まで行き届かなくなる “ゴースト血管” 化が進みます。これは40代半ばくらいから急激に進んでいって、加齢に伴い、体の末端がより冷えやすくなります」

■東島アナ「大久保さんは、食薬の実践を進めていらっしゃいますが、冷えを体の内側から変える食薬はありますでしょうか」

■大久保「栄養状態はとても大事だと思います。やはり消化ですね。胃酸や胆汁の分泌などが重要なので、それらを促す梅干しや酸味のある酢の物、大根おろし、山芋、かぶなど、消化を促進する食材を摂ることがスタートラインです」

■伊久美「その他に、どのようなことを心がけたらよいでしょう」

■大久保「適切なたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラル、脂質、糖質、ファイトケミカルなど、体に必要な栄養素を摂って血管を丈夫にし、血流を促していくということが大事になります。10万kmもある毛細血管の内皮細胞を丈夫にするためには、血管内細胞にTie2(タイツー)というたんぱく質があって、それを活性化することが大事なのです。シナモン、ルイボスティー、カレーパウダーなどを摂るとよいでしょう。また、血管内皮細胞の細胞膜は脂質でできています。オメガ3脂肪酸などの良質な脂肪は、血管をしなやかなものにすると言われていますので、肉より魚を選ぶことです。

そして血液を巡らせるためには、一酸化窒素を産生することも大事です。アルギニンという栄養素が含まれる、鶏肉、ナッツ類、大豆類、鰹節などを摂取するとよいでしょう。今、挙げたものを組み合わせると、定食に大根おろし、ご飯に梅干し、鶏肉を使ったドライカレー、鰹節をいろいろなものにかけるなど、そういった食事がよいと思います。一つの食材を食べて冷えを解決しようとされるかたが多いようですが、食材を組み合わせて、体の細胞から変えていくような食事を選んでいくと、根本的な冷えの改善につながると思います」

■伊久美「やはりバランスですよね。特にこの食材がよいからといって、それだけを食べるのではなく、消化のことを考えながら摂取することが重要なのですね」

■大久保「そうです。予防医療とは治癒力を高めていくことなので、一瞬で解決することを期待するのは間違っています。やはり生活習慣をどうやって正していくか、自分の生活の中のできる範囲で、体によいものを選んでいくことが大事です。今日のお話したことを、頭の片隅に残していただけるとよいかなぁと思います」

合言葉は「はじめよう!フェムテック!!!」

●次回のゲストは、森永乳業の古田雄一郎さんです。

【番組インフォメーション】 『はじめよう!フェムテック』は、毎週・土曜日15時50分~16時にオンエア。聴き逃しは『radiko』で(※首都圏にお住まいのかたは放送後1週間)お聴きになれます!

●記事まとめ/板倉由未子 Yumiko Itakura
トラベル&スパジャーナリスト。『25ans』などの編集者を経て独立。世界を巡り、各地に息づく心身の健康や癒やしをテーマとした旅企画を中心に、各メディアで構成&執筆。イタリア愛好家でもある。伊久美さんとは28年来の付き合い。https://www.yumikoitakura.com/

●撮影/寿 友紀 

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND