福島県の浄土平の草紅葉

紅葉ほど混雑しない!一足先に楽しめる「草紅葉」の魅力を気象予報士が解説

2023/09/13

秋になると紅葉の見ごろが待ち遠しくなりますが、紅葉の名所は毎年どうしても混雑しますよね。とくにお子さんを連れての紅葉狩りは、行き帰りの混雑だけでも疲れてしまうもの。

一方で、木々が紅葉するのに先駆けて、「草」が美しくなる場所があります。

今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに「草紅葉」の魅力を教えてもらいます。

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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「草紅葉」って?

福島県の浄土平の草紅葉

草紅葉(くさもみじ)とは、文字通り「草」が「紅葉(こうよう)」することです。主に湿原などに分布する「草」と総称される植物たちが一斉に色づきます。

木々の紅葉にも赤や黄色、オレンジなどさまざまな色があるのと同様、草紅葉もカラフル。一面が黄金色になったり、赤やオレンジのパッチワークみたいになったり、あるいは草とともにツツジの仲間などの低木も一緒に色づくこともあり、豊かな表情を見せます。

例年、9月に入ると北海道の大雪山系を皮切りに草紅葉が始まり、9月後半には福島県や群馬県にまたがる尾瀬(おぜ)や、栃木県の日光、そして長野県の上高地(かみこうち)といった、各地の名所で楽しむことができます。

草紅葉の一番の魅力はもちろん美しい景色ですが、それだけではありません。

以下で詳しく見ていきましょう!

魅力その1:あまり寒くない

山形県の月山の紅葉

通常、木々の紅葉は最低気温が8℃以下になるころから始まり、最低気温が5~6℃になるころにピークを迎えます。
でもこの気温って…、かなり寒いですよね。

もちろん外で紅葉狩りをする時間帯の気温は最低気温より高いものの、やはり防寒対策は必要。外ですごす時間が長くなるほど、上着やカイロなど持ち物も多くなってしまいます。

一方の草紅葉は木々の紅葉より1カ月ほど早いタイミングでピークを迎えるので、まだあまり「冷え込む」という時期ではありません。寒さを気にせず気軽に景色を楽しむことができるのです。

魅力その2:日が長い時期に楽しめる

福島県の浄土平の草紅葉

「秋の日は釣瓶落とし」という言い回しがありますが、秋は実際にあっという間に日が短くなっていきます。

木々が紅葉する時期には日没が早く、外でのレジャーを楽しめる時間が短くなってしまうだけでなく、太陽の高度が低いので写真を撮る際に人物に陰が入りがちです。

その点、草紅葉が見頃を迎える9月から10月初旬はまだ日が比較的長い時期。

景色を楽しめる時間が長いだけでなく、あまり暗くならないうちに家に帰ることもできます。

魅力その3:比較的混まない

福島県の浄土平の草紅葉

例年、標高の高い山では10月ごろ、市街地では11月ごろに錦秋を迎え、こういった時期はどこの紅葉名所もすさまじい混雑となります。

とくにテレビのニュースに映るような有名どころともなると、道路は渋滞、電車も満員で、もう行って帰ってくるだけでヘトヘトに。

それに比べ草紅葉がピークを迎える時期はさほど混雑することもなく、のんびりと景色を楽しむことができます。
とくに小さなお子さんのいる家庭や、人ごみで歩くのが苦手な人におすすめです。


■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部

 
 

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