「やるべきことをやらない子ども」が変わる!「自分からやる子」になる3つの伝え方
2023/12/29
子どもが「やるべきことをやらない」とやきもきした経験がありませんか。「やりなさい」と言っても聞いてくれないし、だからといって黙って見守るのも限界…。
今回はそんなときに使える、子どもに行動を促す3つの声のかけ方を、子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザーの山名美穂さんがご紹介します。例え即効性が見られなくても、長期的には効果を感じられるものです。知っておいて損はありません。
1.あえて「漠然」と伝えて考えを促す
ひとつめはこまかく言及せず、あえて漠然と伝えて考えや行動を促す声かけです。
例えば、宿題を始める様子が見られない子どもに「今日、この後のスケジュールを教えてくれる?」といった感じで伝えてください。子どもの頭に「いつやろうかな?」と考えが芽生え、行動につながりやすくなります。
ほかのことに夢中になってしまっているときには「今、何時だっけ?」なんて言うのもアリです。「あ、もうこんな時間だ」と気づいてもらえればOK。その後は様子を見てかまいません。
「やる/やらない」を問いただすのではなく、子どもが「どうやって時間を使おうかな?」「いつやろうかな」と思い浮かべられる声かけをしましょう。
2.「本人が自発的にやる前提」で話をする
「本人が自発的にやる前提」で話すのも効果的です。「誰に言われなくても、あなたが自発的に取りかかるのを知っているよ」と伝わる表現を使い、行動を促す方法です。
「明日の準備はしたの?」だと、終わってない場合に「なんで(あなたは)やらないの?できないの?」といったニュアンスで伝わりかねません。子どもは指摘されたように感じますし「できないの?」と言われれば傷つきますよね。
それより「明日の準備は、どのくらい進んでる?」や「夜ごはんの前には終わりそう?」と声をかけてください。例え、子どもがまだ取りかかっていないと分かっていても、この声かけを使って大丈夫です。子どもは「今日中にやる前提」で考えや行動を組み立て始めます。
「本人が自発的にやる前提」で伝えることは、間接的に「私は、あなたは自分でできると知っているよ」のメッセージにもなります。子どもにとって親からの信頼はうれしいものですし、やがて自信や自己肯定感にもつながります。
3.やるべきことの「障害」となっているものを見つける
やるべきことに取りかかるのに「障害」となっているものを明らかにする。そんな問いが有効な場合もあります。
就寝時間が近づいても準備ができないようであれば「なにが『布団に入る』行為を止めているのか」を聞きます。声かけとしては「なにかあった?」や「なにかに困ってる?」といった感じでかまいません。
勉強が終わらない・動画が途中・友だちからの返信を待っているなど、なにかしら就寝の「障害」となる理由やできごとが聞かれると思います。
「障害」に気づければ、策を見つけられます。今日の勉強は切り上げるのか、動画はあと何分で終わるのか、友だちの返信は明日の確認ではダメか?解決策・妥協案・優先順位を見つけ、先の見とおしをつけられるように働きかけましょう。子どもだけではむずかしかったり時間がかかりそうであれば、手伝ってあげてください。
直接的な表現を避けて子どもを信頼する
生活のなかに「やるべきこと」が多すぎると、息苦しいのは大人も子どもも同じです。まずは親が、いつの間にか「帰宅後する勉強すべき」「なにがあっても〇時にお風呂に入るべき」「これくらい自分でやるべき」と、子どもに課しすぎていないかをときどき見直せるといいですね。
そして、ご紹介した3つの伝え方はすべて「子どもへの信頼」の上に成り立つコミュニケーション方法です。子どもを強引に動かそう、判断を取り上げようといった気持ちがあると、ことばだけ使っても効果は下がります。
親ができるのはサポートやアシストで、子どもが主役であることを改めて思い出して。また、失敗しないようにレールを敷くより、例え好ましくないことが起こっても親は味方であり、最終的な責任者はとると伝え続けて欲しいと思います。その方が自分で考えて行動・挑戦できる子になると、ご存じではありませんか。
■執筆/山名美穂…子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。子育てを楽にするメソッドを発信している。
編集/サンキュ!編集部
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