涙が出るだけ…と放置していませんか?視力低下を引き起こす危険な涙目とは

2025/12/24

スマホやパソコンの長時間利用で、目の乾きから涙が出やすくなるのはよくあること。しかし、こうした身近な症状の中に病気が隠れている場合があるんです。

「涙目になる」「涙があふれる」症状で、病院を受診するタイミングや、予防・改善方法について、くらかず眼科の倉員敏明院長に聞きました。

子育て・心理分野を得意とするチャイルドコーチングアドバイザー、LABプロファイル(R)プラクティショナー。子...

>>>山名美穂の記事をもっと見る

出典:写真AC

Q.「涙目になる」「涙があふれる」症状はどのようにして起こるのでしょうか

「涙目になる」「涙があふれる」症状を引き起こす仕組みは、大きくふたつあります。

ひとつは「涙がたくさん作られる場合」です。目が乾燥したり、異物で刺激されたりすると、目を守るために涙腺が頑張って涙を増やします。その結果、涙が過剰に作られてあふれることになります。

もうひとつは「涙の排水がうまくいかない場合」です。涙は目頭から鼻へ流れますが、その通り道(涙道)が狭くなったり詰まったりすると、涙が目の表面に留まり、あふれてしまいます。

Q.「涙目になる」「涙があふれる」原因にはどのようなものがありますか

原因には次のようなものがあります。

・加齢・乾燥・アレルギーなど:
目の表面が乾いたり刺激を受けたりすることで、作られる涙の量が増えます。

・ドライアイ(涙の質の低下):
ドライアイというと涙が少ないイメージがありますが、涙の質が低下するタイプでは、涙が増えることがあります。

涙の質が低下すると、涙の量はあっても油分や粘液が不足し、蒸発しやすくなって目の表面が乾きます。その刺激で余分に涙が作られ、涙があふれてしまいます。目のゴロゴロ感や疲れ目を伴うのが特徴です。

・涙道狭窄:
涙の通り道が細くなる・詰まることで、涙が鼻へ流れず目からあふれます。片目だけ症状が出ることも多いです。

・角膜表面トラブル:
角膜に傷や炎症があると、目を守るために涙が増えます。痛みや視力低下を伴う場合は要注意です。

Q.病院を受診する目安を教えてください

出典:写真AC


・片目だけ涙が止まらない
・痛みや赤み、視力低下を伴う
・膿のような分泌物がある
・症状が長く続く

こうした症状がある場合、涙道の詰まりや角膜の病気の可能性があります。早めに眼科を受診してください。放置すると悪化することもあるので、気になるときは迷わず眼科に相談しましょう。

Q.病院ではどのような検査が行われますか

眼科では、次のような検査が行われます。

・涙道通水検査:涙の通り道に水を流して詰まりを確認する
・蛍光染色検査:角膜の傷やドライアイを調べる
・シルマー試験:涙の量を測る

細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)で目の表面やまぶたも詳しく観察します。痛みの少ない検査がほとんどなので、安心して受けてください。

Q.「涙目になる」「涙があふれる」症状を予防・改善するために自宅でできるケアはありますか。また、避けたほうがいいことはありますか

出典:写真AC

予防や改善には

・意識して瞬きを増やす
・温かいタオルで目元を温める
・室内の湿度を保つ(加湿器がおすすめ)

などが効果的です。

反対に、

・長時間のスマホやパソコンで瞬きが減る
・エアコンの風を直接目に当てる
・不要な点眼薬を乱用する

などは避けましょう。

このように「涙目になる」「涙があふれる」症状は、ちょっとした工夫で予防したり、悪化を防いだりすることができます。

教えてくれたのは・・・

倉員敏明(くらかず としあき)院長

さいたま市見沼区の眼科クリニック「くらかず眼科」院長。 白内障、緑内障、網膜硝子体疾患の日帰り手術に注力しており、特に網膜硝子体を専門とする。 「患者さま一人ひとりに合った目の治療を提供し、地域に根差した医院となる」という理念のもと、高い専門性を活かして地域医療への貢献を目指している。クリニックには、多岐にわたる眼科疾患に対応できるエキスパート医師を招聘している。

取材/文:山名美穂
編集:サンキュ!編集部

関連するキーワード

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND