10年以上夜の営みがない!?イマドキ夫婦のリアル

2019/07/28

「恋人・夫婦仲相談所」の所長として、数多くの夫婦にセックスレスに関するアドバイスを行っている三松真由美さん。今回は、10年以上夜の営みがない夫婦の実情に関して、解説してもらいます。

実例で考える、10年レス夫婦の実情

セックレスが10年以上続いている夫婦が、どれくらいの数いるのかは不明です。しかし、日本家族計画協会の調査2017年版にある「1カ月間夜の営みがないセックスレス夫婦は47.2%」という数字を見る限り、10年レスは決して少なくないと筆者は考えています。

事実、筆者の相談所にも10年レス夫婦が訪れるケースがあります。10年以上セックスレスの夫婦とは、実際どんな関係性なのか?まずは3組の実例をご紹介しましょう。

ケース1:智香子さん(仮名40歳)の場合

智香子さんは、大学時代に2歳上の院生の彼と結婚し、卒業してすぐに子どもができました。学生時代は毎晩のように夜の営みがありましたが、子どもが生まれてからはまったくなし。夫は製薬会社の研究に没頭し、家庭より仕事優先。研究室泊まりが続き、20代でセックスレスに突入しました。

智香子さんは「結婚前から一緒に住んでいたので、その時やりすぎてしまった」と言います。だから夫が飽きてしまって自分に興味がなくなったと。結婚していないアラフォー友だちからは「若いうちに産んどいてよかったね」と羨ましがられますが、仕事も恋愛もSEXも謳歌している彼女たちが輝いて見えるとため息をつきます。

「夫が性的に求めてくれないから『オンナ完了』の判を押されたみたいで寂しい」とも話していました。一方で「子どもは私をうらぎらない」と早期教育に燃えて、その甲斐あって成績優秀。その点に関しては、満足しているようでした。

ケース2:美南さん(仮名45歳)の場合

美南さんの夫は農業系ベンチャー企業の社員です。常に仕事に追われているタイプです。仕事が順調なときは金一封もたっぷり出て気持ちが大きくなるけれど、厳しいときはストレスを家に持ち帰って家族に文句を言い始める。大学生と高校生の息子2人は父の機嫌が悪い日は出かけてしまいます。下の子が生まれてから夜の営みはありません。

セックスレス歴は16年。当時、夫が一度風俗で遊んだことがわかり、美南さんから拒否宣言をしたのです。しかし、自分で拒否したもののこの2年くらいは「寂しい」と感じるようになりました。身体がだるい日があるし、すぐ暑くなって汗をかくし「もしかして早めの更年期?」と感じるようになり、焦りを抱いたようです。「このまま閉経しておばあちゃんになるなんて虚しい」という感覚です。パートの仕事は充実しているし、息子の成長は楽しみ。でも、自分だけ取り残されていくような気分になりました。

美南さんは、もう一度夫と向き合おうと温泉旅行に誘ったこともありましたが、夫は「今さら2人で旅行なんてつまらん。行くなら家族旅行にしよう」とそっけない反応。また、悲しくて夫の背中に抱きついて頬を付けると「君がこういうことはしたくないって言ったよな。あの時は俺が悪かったけど、一度遊んだくらいで汚い目で見られ続けて。俺だってやってらんないよ」と、今度は夫から拒否宣言が。かつての自分の怒りが、夫を頑なにしてしまったと美南さんは途方に暮れています。

ケース3:秀実さん(仮名44歳)の場合

当日付き合っていた彼をふって、今の夫と結婚したほどの大恋愛夫婦である秀実さん。しかし、セックスレス歴は12年。大恋愛と夜の営み回数は関係ないのか?と思えるほど、長いセックスレス期間を過ごしています。

夫は職場の同期。入社早々、猛烈アタックで秀実さんと交際。強引な俺様タイプの男性は初めてだったので秀実さんは振り回されましたが、その時付き合っていた煮え切らない彼氏よりは頼りになりそうと思って交際、結婚。不妊治療の末に子どもを授かりました。

不妊治療中の義務的な営みが夫の性の欲求を抑え込んだようで、産後ずっと夫婦別寝室で寝ています。しかし、夜の営みこそないものの、2人で映画を見に行ったり、子どもと3人でスーパー銭湯に行ったりと、夫婦関係は「普通に仲良し」な状態。そのため、とくにセックスレス改善をしたいというわけでもありません。夫婦仲相談所に来た理由も「ほんとになんもしなくていいんでしょうか?夫もまだ44歳なので、これから浮気とかしませんかね」と浮気の可能性を心配してのことでした。

セックスレスに思い込みや決めつけは厳禁!

思考のカップル
monzenmachi/gettyimages

3組の実例を見てわかるとおり、ひとくちに“セックスレス”と言っても、それを「問題」にするかどうかで夫婦のあり方は変わってきます。あるタレントさんが「セックスレスになってからが本当の夫婦」と発言されましたが、もちろんお互いにそう捉えていれば問題ありません。ひとの3大欲求の“食欲”と“睡眠欲”は満たさなければ生きてゆけませんが、“性欲”は封印もできるし、自己処理もできるので、夫婦でしなくても死ぬことはありません。お互いに相談して「うちの寝室事情」をカスタマイズしてゆけばいいのです。

筆者は「性の欲求と衝動は移ろいゆくもの」と実感しています。若い頃はせっせと取り組んでいたが、年齢とともに衰える人もいれば、その逆の人もいます。もちろん、最初から全く興味ない人もいるでしょう。あるいは、環境の変化で突如欲求が芽生えることもある。夫婦の性欲曲線がバッチリ一致するのは、交際初期くらいかもしれません。

だからこそ、年齢、生活スタイル、健康状態に変化があるたび、寝室事情について夫婦で話し合わないとすれ違いが生じます。

「うちは10年間なくても仲良しだもんね!」と言い切る妻の横で「う…ん、そうだね」と愛想笑いをする夫を何人も目撃しました。セックスレス問題は本音を語りにくいナイーブなもの。思い込みはいけません。決めつけてもいけません。今はなくていいけれど、3カ月後には抱きたい衝動(夫の場合)が湧くかもしれないのです。セクシー気分は予測不能のナマモノと考えて、今のうちから定期的チェックを怠らないでください。

10年間、うちら夫婦はセックスレスで……

この「……」のあとに入る言葉が、夫婦一致のハッピーな言葉ならいいのですが、さてどうでしょう。


◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

 
 

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