その使い方で大丈夫?間違えやすい日本語「確信犯」の本当の意味とは
2021/01/03
みなさんは、いつも使っている日本語の意味を正しく理解できていますか?
よく意味を調べないまま使っていると、とんでもない勘違いをしているかもしれません。たくさんの人が意味を間違えている言葉が、実はいろいろあるのです。
意味を間違えやすい日本語の言葉について、国語科教員免許を持つサンキュ!STYLEライターのdanngoさんが解説します。
「確信犯」の使い方、どちらが正しい?
今回は、「確信犯」という言葉の使い方について考えてみましょう。次の2つの例のうち、どちらが正しい使い方だと思いますか?
A.デモ活動をしていたグループのリーダーが拘束されたらしい。支持者も多い「確信犯」だから、慎重な対応が必要だろうね。
B.さっきのデッドボールは明らかにわざと当てていた。あのピッチャー「確信犯」だな……。
正解は……
答えはAでした!
「確信犯」とは、「道徳・宗教・政治的な理念により"悪事でない"と確信しておこなわれる犯罪」という意味のある言葉です。「自分は正しいことをしているのだ」という信念を持っておこなわれる、思想犯や政治犯などがこれにあたります。
「悪いことだと認識していながらおこなう犯罪や行為」というのは、本来の意味とは異なる間違った使い方です(ただし、辞書によってはこちらの意味も用法として、認められているケースもあります)。
「お父さんのおやつを『間違えて食べた』と言い張る息子は確信犯だ」といったように、犯罪以外のちょっとしたあやまちにも使うことがありますね。
「確信」の部分を「これは悪いことだと確信する」という方向でとらえたことで、誤用が広まったのではないかと考えられています。
いかがでしたか?正しい意味で使えていたでしょうか。世代間で理解度に差があることも多いので、年の離れた人に手紙を書く時などは特に気をつけたいところです。
とはいえ、長い歴史の中で言葉の意味が少しずつ変わっていくのは自然なこと。
勘違いされている意味も、「最近では」「俗に」という言葉を添えて辞書で紹介されることが増えてきています。正しい意味をふまえたうえで、間違った意味も受け入れていく柔軟さがあってもいいかもしれませんね。
◆記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライターdanngo
国語科教員免許と漢検準一級を持つ、アラフォーの専業主婦。二児の母で、子育て関連の記事を書くのが得意です。本を読むのが大好きですが、一度読み始めると家事がおろそかになってしまうのが悩み。子どもの遊び相手をすると本気になりすぎて怒られ、家事は手抜きになる一方です。甘いもの、日本の古いものをこよなく愛しています。