片づけのプロが解説!家事動線をつくるときは2つのポイントを意識して
2022/09/17
快適に家事をこなすうえで意識したいのが家事動線。この動線を上手につくれるかどうかで、日々の家事のやりやすさも大きく変わってくるはず。
そこで今回は、アクティア株式会社が提供する家事代行サービス「カジタク」に所属する「美部屋(掃除・片付け)コンサルタント」の山口奈穗子さんに、家事動線をつくるコツについて解説してもらいました。
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家事動線を考えるポイントは2つ
家事動線というのは、料理、洗濯、掃除、片づけなどの家事を行うときに、人が移動する動きの経路です。家事をするときの移動経路を短くすれば、それだけ身体的な負担が軽くなり、時短にもなります。
家事は小さなことの積み重ねですから、動線を少し改善するだけでも相当ラクになりますよね。
家事動線を考えるときには、「間取り」と「収納場所」この2つが大きなポイントとなります。それぞれ解説していきましょう。
「間取り」について
家事動線に大きく影響するのは、やはり家の「間取り」です。
洗濯の動線がよい例です。洗濯機→干す場所→クローゼット、この3ヵ所を行き来する距離が長いほど、家事の負担が大きいということになります。
最近は乾燥機つき洗濯機の利用者が増えました。また洗濯機上の乾燥機や、浴室乾燥なども普及しており、設備を充実させることで動線を短くすることもできます。
「間取り」に含まれる要素として「階層」も家事動線を考えるうえで重要です。例えば、3階建ての戸建て住宅で、2階で洗濯→3階のベランダで干す→1階のクローゼットに収納する、というように上下に移動する動線のご家庭もあります。
ぬれた洗濯物は重たいですから、階段で上り下りするのは大変です。階をまたいでものが移動するのをいかに減らせるか、ということが課題となりますね。
さらに「広さ」という問題もからんできます。広い家はそれだけ移動の距離も長くなるので、家事動線という視点から見ると、広ければいいというわけにはいきません。また広ければ広いほど、掃除する範囲も広くなります。
飛行機のコックピットのように、座席ですべて家事をコントロールできればよいのですが、そうはいきませんよね。自分の生活パターンや年齢、体力などによって、ちょうどよい広さがあるはずです。
とは言え、「間取り」「階層」「広さ」については正直どうにもならない、という場合が多いはず。そこで助けになるのが「収納場所」を工夫することです。
「収納場所」について
家事は家事で使うものを定位置から取り出すことに始まり、元の場所に収納されることで完結します。
ですから、家事に使うものや家電をどこに配置・収納するかによって家事動線が変わります。家の間取りはなかなか変えられませんが、収納場所を変えるという改善の余地が残されています。
基本は、使う場所の近くに配置する、ということ。例えば2階以上あるお宅では、掃除機などの用具を各階に配置しておく、というような工夫をすることで家事動線を短くすることができます。
キッチンでは、シンク側とコンロ側に分けて考えてみます。
シンク側には、包丁、まな板、ボウル、ザルなど水と相性のいいものを収納します。コンロ側には、フライパン、フライ返し、調味料など、火と相性のいいものを収納します。たとえ1歩や2歩でも、歩かないですむなら助かりますね。
ほかにも炊飯器の近くにお茶碗を収納するなど、こまかい工夫の余地はいろいろあるものです。
家のなかにある「いちいち取りに行くのが面倒」というポイントに気づいたら、少しずつ改善していきましょう。