玄関や廊下に物を置きっぱなしにしていませんか?普段の暮らしでは支障がなくても、火事や地震など災害時では避難を妨げてしまうかもしれません。
今回は、整理収納アドバイザーのおかさんが、家の避難経路の片づけポイントをご紹介します。マンションと戸建てでも異なる点も合わせて解説しますので、ぜひチェックしてください。

避難通路に物を置くと危険な理由
玄関や廊下、階段、ベランダなどに物を置くことは、日常でさほど気にならなくても災害時では危険を生む可能性があります。
例えば夜に停電で真っ暗になったときは、物につまづいて怪我をするかもしれません。また、地震で物が倒れたり浸水で流された物が通路をふさいで脱出に時間がかかり、逃げ遅れるリスクも高まります。
特に、子どもや高齢者がいる家庭では、少しの物でも転倒や足止めの恐れがあるので要注意。避難経路にあたる場所の環境次第で、ほんの数秒の差が生まれ、命に関わることを認識するようにしましょう。
置きっぱなしになりがちな場所や物をチェック
安全な避難のために、どんな物が妨げになりやすいかチェックしてみましょう。
●玄関:必要以上に出しっぱなしの靴や傘、買い物袋、宅配で届いた段ボール、子どもの外遊びグッズなど
●廊下や階段:洗濯物やバッグや郵便物など
●窓際:大きな家具や収納グッズなど
普段は「とりあえず」と置くのに便利でも、いざという時には大きな障害物に変わります。いらない物は処分し、必要な物は転倒や落下のリスクを考えて収納や置き場所を見直してみましょう。
また、一時置きが必要な場合は、あちこちに置くのではなく場所を決めたり「寝るまでにリセットする」など、通路をふさがない工夫が大切です。
マンションはベランダの片づけにも注意!
マンションは、ベランダが大切な避難経路のひとつになります。特に火災時には隣室との隔て板を破って避難したり、非常はしごを使うなど、通路としてスッキリさせておくことは命を守ることにつながります。
だからこそ、放置したままの植木鉢や収納ケースなどで逃げ遅れがないようにしましょう。また、ベランダの柵を越える高さに物を置くのも、地震や台風で落下する危険があるので注意。
ベランダには避難に関係ない物は置かないのが理想です。どうしても物を置く場合は隔て板や非常はしごの妨げにならないよう、人が通れるスペースを確保するよう心がけましょう。
安全な避難のための片づけポイント
普段は支障がない玄関や廊下でも「避難経路」として見直し整えることが防災につながります。
●余計な物は置かない:処分や別の場所へ移動して物を増やさないようにする。
●一時置き場所をつくる:散らかりやすい場所は「一時置き用」の場所をつくり、散らかりを防止。
●定期的にチェックする:掃除やゴミ出しのついでにいらない物や置きっぱなしの物がないか確認する。
マンションでも戸建てでも大切なのは「安全に避難できるかどうか」です。日頃から、意識して整えておくことが安心につながります。
日常の片づけが安全な避難通路をつくる
避難経路は住まいや家族構成や環境によって異なりますが、共通するのは「余計な物を置かない」ことです。特にマンションは戸建てと違い避難経路が限られるので、ベランダを整えることは防災の基本になります。
ぜひ、家の避難経路を実際に歩いて物が避難の妨げになっていないかチェックしましょう。日頃の片づけと確認が「安全な避難」につながりますよ。
■執筆/おかさん
元汚部屋歴10年から整理収納アドバイザーに。自分にちょうどいい塩梅で暮らしを整える「干物主婦スタイル」で、片付け、商品紹介、家族関係など、暮らしや気持ちがラクになることを発信。インスタグラムは@o_ka_sa_n
編集/サンキュ!編集部