子育てが落ち着いたらはじめよう!45歳からのストレスのない家の作り方
2023/12/26
今までは、いつも「ママは後回し」の生活。でもこれからは、もっと自分を大事に暮らしたい!子どもに手がかからなくなって、少しずつ"脱ママ"しているイラストレーターの堀川波さんに、子育て後の家づくりについて聞きました。
<教えてくれた人>
堀川波さん
1971年生まれ。大阪芸術大学卒業後、おもちゃメーカー勤務を経てイラストレーター、手工芸作家に。夫、長女、長男と東京都内に暮らす。『45歳からの自分を大事にする暮らし』(エクスナレッジ)など著書多数。
リラックスできる空間は色を減らすことから
子育て期が終わりに近づいているわが家は「ほぼシェアハウス」状態です。家族4人にそれぞれ個室があって、気が向いたら共有スペースのLDKに出てくる感じ。LDKはここでいちばん長く時間を過ごす私の好み100%にしてもいいだろうと思うようになり、私自身がストレスなく過ごせる空間にすることを最優先にしています。
使う色が多いと部屋がごちゃごちゃして落ち着かないので、子どもの成長とともに意識したのが「色の片づけ」。家具の濃い茶色をベースに、好きな色の赤と植物の緑を差し色にしています。どぎつい原色カラーが視界に入るとストレスなので、マイクロファイバーのふきんもグレーで統一。以前はコットンの物を使っていたのですが、漂白が面倒で買い替えました。年齢とともに負担に感じるようになった家事の見直しも意識していることの1つ。これまでずっと頑張ってきたのだから、丸1日家事を休んで韓国ドラマざんまいという日もつくっています。
差し色の赤以外の物は扉の中に隠しているキッチン。スムーズに作業できるように、シンクとコンロの間には物を置かないのがルール。
物を持ちすぎず「循環」を意識したい
私の母親が典型的な「捨てられない人」で、実家の浴室に使いかけのシャンプーが15本くらいあったことも(汗)。反面教師じゃないですけど、物は適量を持ちたいと思っています。収納スペースに物をぎっしり押し込むのではなく、7~8割が気持ちいい。常に物を循環させたほうが自分の気持ちも回るというか、フレッシュな気分でいられる気がします。少し前に、子どもの運動会や学芸会の必需品だったビデオカメラをはじめ、デッキ類やテープ&CDなどを手放しました。今はスマホが1台あればOK。「時代は変わったなぁ」と実感したのと同時に、テレビまわりがスッキリして掃除もぐっとラクになりました。
堀川さんの仕事場にもなるダイニング。籐のストックなど、道具類は飾りながら収納。ポスターは会社の退職時の記念にと購入した物。
子ども優先から自分優先の暮らしにシフト
子育て期間中はどうしても自分のことは後回しにしがち。でも、子どもの手が離れて時間に余裕が生まれるこれからは、「自分を大事にする暮らし」を送りたいと思います。
最近、高校生の息子に彼女ができたようで、あからさまに彼女優先になって、母である私の優先順位が下がったのがわかるんです。すると不思議なもので、裏返しになった息子の洗濯物を元に戻してあげる気がなくなった(笑)。"猫かわいがり"はやめて、私のほうも一歩引いてつきあおうと思いました。気がついたら「子離れしてひとりぼっち」「世の中とつながっていない」とならないように、私は私で自分のコミュニティーがあって、毎日を楽しんで暮らすことが大切だなって思っています。
堀川さんが40代後半から心がけていること
●好きな物を飾る
ディスプレイは「子どもが喜ぶ物」から「自分の好きな物」にシフト。ジーンズは息子がはいていた物です。好きな物が常に目に入ると、居心地のよさがアップ!
●インテリアも衣替えする
秋冬はクッションカバーを落ち着いた色みに変えて、お昼寝用のガーゼケットもウールのブランケットに交換。見た目でも肌ざわりでも季節感を楽しみます。
●育てる喜びは植物で
子どもに手がかからなくなり、注いでいた愛情が植物に向くように(笑)。世話がストレスにならないように、丈夫な品種だけに限定。癒やしの効果抜群です。
●気分の上がる物を選ぶ
シェアハウス化しているわが家は食事も各自ということが増えました。家族がそろうレアな日は、島根県の湯町窯の陶器など、お気に入りの器で気分を盛り上げます。
●色を「片づける」
古道具が好きなので、家具はヤフオクなどで入手。色みがそろって統一感が生まれました。インテリアの差し色以外の物は、カゴに入れたり布を掛けたりしてスッキリと。
●新しいことにトライする
アクセサリーブランドのスクールがきっかけで47歳から籐工芸を始め、今年は友人とネットショップも開店。子育てが一段落したら自分優先でやりたい事を楽しみます。
参照:『サンキュ!』2021年12月号「スッキリした家はぜいたくだ」より。掲載している情報は2021年10月現在のものです。撮影/上原朋也 構成・文/志賀朝子 編集/サンキュ!編集部