自宅でラップトップを使用してアジアのカップル

30代・子ども2人・世帯年収810万円。普通の共働き夫婦が、資産総額1億円を達成。道のりを詳しく紹介します。

2022/11/12

30代後半で資産1億円を達成した話題の夫婦を直撃!資産を殖やすために大事だったのは、投資の知識よリも実は家族の意識改革にありました!思い描いていた理想の暮らしを実現しましょう♪

<教えてくれた人>
グミ&パンさん
30代後半のグミさん、パンさん夫婦。長女4歳、次女1歳の4人家族。ブログ「家族で育てる資産の木」で、FIRE達成の秘訣や資産形成方法などを発信。著書『夫婦でFIRE』 (フォレスト出版)も話題に。

「サイドFIRE」って何?

Seiya Tabuchi/gettyimages

□「FIRE」とは「経済的な自立と早期リタイア」を目指す新生活スタイルのこと
「FIRE」は、「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」の頭文字をとったもの。投資などで資産を殖やし、早期退職後は運用益などで生活するスタイルを指します。

□資産運用と勤労収入と合わせて生活する人を「サイドFIRE」といいます
資産運用しながら仕事もして収入を得る「サイドFIRE」なら、資産はそれほど多くなくても実現可能。時短勤務や好きな仕事で働くなど、自由な働き方を選べるのもメリットです。

元々「FIRE」が目的ではなく、理想の暮らしを実現する手段が「FIRE」だったんです

「結婚当初は、FIREという言葉も知らず、夫婦の金銭感覚が真逆でけんかばかりしていた」というパンさん。そんな2人がFIREを目指すことになったのは、長女を授かったのがきっかけでした。「将来の暮らしについて話し合ってみると、妻は実家の近くに住みたい、私は不労所得で生活していきたいという希望があり、それを実現するために資産1億円→セミリタイアという形を目指すことに。目標がハッキリしたら、お互いの価値観をすり合わせ、2人で協力して家計管理をするようになって、順調に資産を殖やすことができました」。

Before2015

子どもができる前から通信費などの固定費は見直ししていたものの、交際費や美容費などにお金をかけていました。それでも年400万円以上投資へ。

FIRE前の年間収支

世帯年収(手取り) 約810万円
投資・貯蓄 約440万円
住居費 140万円
水道・光熱費 17万円
通信費(両親の分含む) 9万円
教育費 8万円
交通費 11万円
食費 50万円
日用品費 13万円
趣味・娯楽費 17万円
衣服・美容費 10万円
交際費 72万円
健康・医療費 7万円
特別出費 14万円
その他 2万円

AFTER2021

子どもが2人になり、夫が働き方を変えて減収しても、生活費の年間支出は約310万円にセーブ。資産運用も継続しながら、セミリタイア暮らしの準備に突入。

FIRE後の年間収支

世帯年収(手取り) 約600万円
投資・貯蓄 約290万円
住居費 80万円
水道・光熱費 21万円
通信費(両親の分含む) 3万円
教育費 16万円
交通費 1万円
食費 50万円
日用品費 25万円
趣味・娯楽費 12万円
衣服・美容費 6万円
交際費 29万円
健康・医療費 13万円
特別出費 45万円
その他 10万円

【投資の内訳】
・米国株、米国債券
・日本株 ・先進国株
・新興国株 ……など
米国の個別株や債券を中心に長期投資が基本。FIRE後は個別株を減らし、手間が掛からない投資信託やETFの割合を増やしている。

【住居費】引っ越しして家賃の負担を減らした

【食費】米や肉類はふるさと納税、外食は株主優待を利用

【日用品費~健康・医療費】小遣いは設けず、用途に応じて各費目から出す

グミ&パンさんの「サイドFIRE」実現までの道のり

テーブルの上の日本の通帳と電卓
takasuu/gettyimages

お金の価値観がバラバラだった2人が、資産1億円達成するまでの道のりを追跡!紆余曲折の行程を経て、成功要因となったポイントをまとめてみました。

【結婚前】独身時代のグミさんは浪費体質で、貯蓄はほぼなし!

学生時代から付き合い始めた2人。パンさんは就職して関東へ、グミさんは1年遅れで卒業し、地元に就職。「お金には興味がなくて、貯め力ゼロ。『明日死ぬかもしれないから、今お金を使おう!』が座右の銘でした」(グミさん)。

パンさんは学生時代から投資をスタート

大学生のとき、米国の投資家ウォーレン・バフェットの本に感銘を受け、パチスロで稼いだお金で投資を開始。「将来は不労所得で生活したいな~と漠然と考えていました」(パンさん)。

【11年結婚】約3年間の遠距離恋愛を経て結婚

結婚祝い。
hachiware/gettyimages

結婚し、グミさんも関東へ引っ越して転職。結婚当初、グミさんの貯蓄はほぼなく、パンさんが独身時代に資産運用してきた約800万円からスタート。

●資産総額約800万円

【11~16年DINKS時代】「今」を生きる妻と、「未来」を見据える夫。価値観が真逆で、お金の話で衝突してばかり

コツコツ投資して「未来」のために備えたいパンさん。一方、グミさんは「今」を楽しくするためにお金を使いたいタイプ。「お互い納得できずに言い争ってばかりで、日々グッタリ。ある日、自己分析ツールを使ってそれぞれの価値観を確認したら、モヤモヤが解消され、少し歩み寄れるように」(グミさん)。

パンさん1人で固定費を削りまくる!

「少しでも投資にお金を回したくて、格安スマホや新電力に乗り換えて固定費をガンガン減らしました。それでも妻は、家計に関心を示さず……」(パンさん)。

●資産総額(16年)約5200万円

【17年長女妊娠】「実家の近くに住みたい」というグミさんの思いをかなえるため、サイドFIREを目指すことに

「今」の幸せを優先してきたグミさんですが、妊娠して「実家の近くで子育てしたい」という思いが強くなり、「未来」に目が向くように。「目標を実現するために優先すべきことがハッキリしたら、進んで家計簿アプリをつけ、慎重に買い物するように激変!」(グミさん)。

不用品を処分して、コンパクトな住居に引っ越し

子どもが生まれる前に、お互いの不用品を処分。持ち物が減ったら、「それほど広い部屋じゃなくてもいい」と感じ、賃貸の安い所へ引っ越し。

【18年長女誕生】断捨離(R)して支出を抑え、育休で減収しても投資ペースはキープ

心臓の物体と母親の手を持つ赤ちゃんの手
takasuu/gettyimages

出産前の断捨離で、本当に必要な物が見極められるように。「例えば、短期間しか使わない子ども用品などはお下がりにするなど、無駄を省くようになったので、夫婦とも育休を取り、年収が約200万円減っても資産形成に影響はありませんでした」(グミさん)。

●資産総額約6600万円

【20年次女誕生】約半年の時短勤務後、再び育休に

19年に時短勤務で職場復帰。次女の妊娠が分かり、20年から育休に。子どもが増えても支出はセーブ。個別株の株価が上がり、20年末、ついに資産総額1億円を突破!

●資産総額1億円達成!

【21年夫が独立】パンさんは働く時間を減らし、好きなことができる働き方にシフト

グミさんが復職し、パンさんは会社を辞めて個人事業主に。「自分のペースで働けるので、それまで通勤の移動や仕事に使っていた時間の多くを子どもと過ごしたり、趣味に費やすことができるようになり、ストレスが激減しました」(パンさん)。

●資産総額1億2000万円

【23年移住予定】妻も働き方を変え、セミリタイア暮らしに入る予定

自然の背景の前に木造の住宅
gopixa/gettyimages

来年にはグミさんの実家近くに移住。「今は週5日時短勤務ですが、移住後は転職して勤務時間を減らし、夫婦で月160時間労働を目指します」(グミさん)。「来年以降は、労働収入も得ながら、足りない分を資産から補って暮らしていく予定です」(パンさん)。

思い描いていた理想の暮らしを実現♪

結局、これがいちばん大事でした!グミ&パンさんがFIRE実現のためにやったこと

1 価値観の違いを分析して、夫婦げんかの元を解消した
夫が1人で投資を頑張っても、お金のことでけんかをしていたら目標は達成できません。「『ストレングス・ファインダー(R)』という自己分析ツールを使って2人の資質を具現化したら、それぞれの価値観を尊重して協力し合えるようになりました」(パンさん)。

2 「将来どう暮らしたいか」を深掘りして、目標をハッキリさせた
「漠然とした目標だけだと、途中で挫折してしまう元に。例えば、どこで、どういう暮らし方、働き方がしたいか、子どもの教育はどうしたいかなど、細かいところまで目標をすり合わせすることで、モチベーションが高まります」(グミさん)。

3 断捨離して、「幸福度が上がるお金遣い」に変えた
断捨離をしたことで、"自分や相手が幸せになる物かどうか"を見つめ直すきっかけに。「"幸福のコスパ"を基準に、各自が大切な物を認め合えばもめることはありません。それ以外の不要な支出が減り、その分投資に回せるようになりました」(パンさん)。

*投資には元本保証はありません。損失のリスクも検討し、自己責任の上で行ってください

参照:『サンキュ!』2022年11月号「30代で『サイドFIRE』を実現した夫婦に直撃!」より。掲載している情報は2022年9月現在のものです。構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

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