深夜に目を覚ました後、寝室のライトをオフにする家の所有者の浅い焦点。

電気・ガス代はまだまだ上がる!?「光熱費の見とおし」と夏に向けて「今からできること」

2023/04/01

電気・ガスの値上がりが止まりません。これは、いったいいつまで続くのでしょう。そして、対策として今私たちにできることとは?
節約アドバイザーの丸山晴美さんに、現在の光熱費事情と、今すぐできる対策について聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年3月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「光熱費事情と対策」!

電気・ガスの値上がりは続くけど、国の補助は9月まで

電気、ガスの月の請求額が、去年の今ごろに比べて驚くほど高くなっている家庭が多いのではないでしょうか。
今までと同じ生活をしているのに、料金が3割以上高く、なかには倍近くになっている家庭も。

原因は、日本のエネルギーの大半を占める原油・LNG(液化天然ガス)の高騰に加え、円安やウクライナ情勢など。さまざまな要因が複雑にからみ合っているため、1つの要因が解消されたからと言って、すぐに値下がりするものではないでしょう。それだけに、値上がりがいつまで、どこまで続くのか先が見えません。

対策として、2023年2月から政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が始まりました。この事業により、一般家庭の場合は以下の金額が補助されます。

【2023年1月使用分(2月検針分)〜8月使用分(9月検針分)】
●電気:1KWh(キロワットアワー)当たり7円
●都市ガス:1㎥(りゅうべい)当たり30円

【2023年9月使用分(10月検針分)】
●電気:1 KWh(キロワットアワー)当たり3.5円
●都市ガス:1㎥(りゅうべい)当たり15円

例えば、月300kWhの電気を利用した場合、2023年1~8月は月2,100円、2023年9月は月1,050円が補助されることに。
また、月30㎥(りゅうべい)の都市ガスを利用した場合、2023年1~8月は月900円、2023年9月は月450円が補助される計算です。(※1)

ただし、2023年10月以降の補助についての発表は今のところありません。補助が終わる9月までに、それ以降の準備をしておくことが大切です。

買い替えは電力消費の大きいエアコン、冷蔵庫、照明、給湯器から

準備として手始めに取りかかりたいのが、製造年が古い給湯器や家電を買い替えることです。
10~15年前の機種と現在の機種では電気・ガスの消費量が異なり、月の光熱費に大きな差が出ます。買い替えの際にお金がかかっても、数年単位で見れば新しい機種のほうがお得な場合がほとんどです。

とはいえ、多くの家電を一度に買い替えるのは大変。製造年の古い家電から順に買い換えればよいのですが、同時期に購入した家電がいくつもある場合は、買い替える優先順位を考えることが必要です。

下のグラフは、資源エネルギー庁ウェブサイトのなかで紹介されている「家電製品別の電力消費割合」です。左の円グラフが夏、右が冬の場合で、どちらも電力消費1位がエアコン、2位冷蔵庫、3位照明、4位給湯となっています。

同じ程度の古さならば、電力消費が大きいエアコンから買い替えていくのがおすすめ。家に複数のエアコンがある場合は、皆が集う場所で面積も広いリビングのエアコンから買い替えましょう。

エアコン、冷蔵庫、給湯器は、メーカーが部品を保管する期間がその製品の製造を終えてから10年ほどです。それをすぎて壊れた場合は、修理ができないので買い替えになります。

それを考えると、たとえ問題なく動いていたとしても、使用が10年に近づいたタイミングで「買い替え用の積み立て」を始め、10~15年くらいで買い替えるのがおすすめです。

夏は電気代がかかってもエアコンを活用して

この前の冬は、節約のためにエアコンの使用をやめたという声を多く聞きました。こたつやストーブなどで問題なくすごせるならば、もちろんそれもよいでしょう。

でも、夏は電気代がかかっても、エアコンを使いましょう。なぜなら、夏は湿度が高くなるからです。
湿度が上がると体感温度も上がり、扇風機などだけではなかなか涼しくなりません。それを我慢していると、熱中症など健康を害してしまうことに。

「除湿機を使えばいい」と思う人もいるでしょうが、除湿機には室温を下げる効果はありません。逆に除湿機によっては熱を排出してしまうものもあり、なかには冷房を使うよりも電気代がかかってしまうものもあります。

エアコンの冷房運転は最も除湿力が高く、さらに室温も下げてくれます。どうしても電気代が気になる場合は設定温度を高めにして、扇風機を併用するのがおすすめです。

ちなみに私は去年の夏、エアコンを30℃に設定して扇風機を併用することで快適にすごせました。30℃の設定でも、エアコンを使うと使わないとでは雲泥の差。エアコンが古くなっているかたは、価格が安めの今の時期に買い替えておくのも一案です。

なお、扇風機を買い替える際は、「DCモーター」型を選びましょう。「ACモーター」型よりも値段が高めですが、消費電力が小さくなり省エネ効果があります。適切な風量に設定しやすく、音が静かなので睡眠時の使用にも適しています。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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