店内にバラと白ワインのボトルを持つ女性

「お得ハンター」は食費節約にならない!? 食費が減らない人がやりがちな4つのこと 節約のプロが解説

2024/03/22

家計の中で節約しやすいものの1つが「食費」と言われています。でも、「贅沢をしているわけじゃないのに、なかなか食費が減らない」と嘆く声は少なくありません。節約アドバイザーの丸山晴美さんは「そう嘆く人は贅沢はしていなくても、意外と“ムダ”をしているケースが多いんです」と言います。

贅沢しているわけじゃないのに食費が減らない、その原因と理由を聞きました。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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食費が減らない原因1:予算を決めずに買い物に行っている

一般的な「食の贅沢」とは、おそらく「レストランで外食をする」や「高級な食材を買う」などでしょう。それらをしていないにも関わらず食費が減らない、お金が貯まらないという人は、実は「ムダ」を多くしていると考えられます。ムダな食費が多く出ているため、食費が膨らんでしまうのです。

「ムダ」が多くなる原因は主に4つあります。

まず第1に「予算」を決めていないということ。例えば、2,000円の予算で買い物に行けば、予算内に収まるよう優先順位を考えて買い物をします。

でも、予算を決めていなかったり、お財布にクレジットカードや1万円以上のお金が入っている場合は、会計で「お金が足りない」という状況になることがほぼありません。

そのため、必要な物も買うけれど、優先順位が低いものも買ってしまいがち。自分では気づかないうちに優先順位の低いもの=ムダな買い物をしていることが多いのです。

食費を減らすには、まず予算を設定することが第一歩です。

食費が減らない原因2:休日は買い物がレジャーがわり

「ムダ」が多くなる2つめの原因は「買い物をレジャー代わりにしている」ことです。旅行や遊園地、テーマパークなどに行くのを「贅沢」ととらえ、家族でショッピングモールや大型スーパーへレジャー感覚で行くことを、休日の定番にしている家庭は少なくありません。

でも、家族でショッピングモールや大型スーパーへ行けば、家族それぞれが欲しい物をかごに入れてしまいます。ちょっとしたレジャー気分で、親もそれほど厳しく制限しないでしょう。

しかも、食材は買っているのに、ついでにランチやディナーを外食やテイクアウトで済ませることが多くなり、結果、食費と外食費が膨らんでしまいやすいのです。

特に最近の郊外型スーパーは巨大化していて、小さいお子さんも楽しめるような設計の施設が増えています。それだけにレジャー代わりになりやすいのですが、節約をしたいならそういう場所に子どもを連れて行くのはNGです。

食費が減らない原因3:お得ハンター化している

「ムダ」が多くなる原因3つめは「お得ハンターになっている」こと。節約を意識しすぎると、どうしても値段に意識が行き、値引きシールや半額シールがあると「買い」となってしまいがちです。

必要な食材が値引きされていて、消費期限内におかずとして使い切れるなら買ってもいいですが、もともと買う予定のない物なら、それは「予定外の出費」です。たとえ半額でも出費は出費ですし、値引きされている商品は消費期限が近いものが多いので、買いだめするようなものでもありません。

安いからと逆に買い過ぎて、結局使いきれずに傷んで捨てるのであれば何の意味もありませんよね。

特に昨今人気の業務用のスーパーなどは大容量の商品が多数。グラム当たりに換算すれば確かに安いですが、容量が大きい分、値段も高めです。何でも業務用にすると、出費が大きくなるので注意が必要です。

定番でよく使う物は業務用でもいいですが、たまにしか使わないものはスーパーのプライベートブランドで十分でしょう。

お得を追い求め過ぎないよう気をつけましょう。

食費が減らない原因4:買い物の中に嗜好品&加工品の割合が多い

「ムダ」が多くなる4つめの原因は、普段の買い物に「嗜好品」や「加工品」が多いという点です。例えば、スナックや菓子類、菓子パン、ジュースやお酒、おつまみなど。冷凍食品も、冷凍チャーハンや冷凍ピザなどは加工品と言えるでしょう。

1つ1つは「贅沢」というほどの価格ではないので、気軽に手を伸ばしがち。習慣的に買っている人も少なくないでしょう。しかし、嗜好品や加工品は、価格に加工のための費用やパッケージ代など諸々が積み重なる分、どうしても割高です。

今は多くの食品が値上がりしていて、普段通りに生活していても食費が膨らみやすくなっています。その中で食費を抑えるには、野菜や肉、魚、米などの「原材料」を買って自炊をするのが基本。嗜好品&加工品を多く買えば買うほど、食費は逆に増えてしまうのです。

といっても、菓子やお酒などを一切やめろというわけではありません。まずは予算を決め、その中で原材料など買うべき物を買い、お金が残ったら嗜好品&加工品を買うようにしましょう。その順番を間違えると、食費が減らないスパイラルにハマりやすくなるので気をつけましょう。

ムダをなくしてお金を貯め、その分で休日にはテーマパークや旅行などに行って楽しんでください。そのメリハリをしっかりすることで生活が充実し、節約もより上手になっていきます。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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