ふるさと納税は9月中にやるべき!?10月からの「返礼品の変更ポイント」をチェック
2023/09/09
「ふるさと納税」の返礼品に関するルールが、2023年10月から厳しくなります。ふるさと納税がおトクでなくなってしまうのでしょうか?これからふるさと納税をする場合の注意点などを、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年9月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ふるさと納税の変更点」!
10月以降は寄付金額が上がり、おトク品が少なくなる!?
総務省の発表によると、2022年1年間にふるさと納税を利用し、今年度の住民税の控除を受けた人は891万1,000人。これまで最も多かった2021年より144万人あまり増え、過去最多を更新しました(※1)。
ふるさと納税利用者が増える中、これまでも何度か制度が変更されてきましたが、2023年10月からまた新たなルール変更が行われます。
変更点は2つあり、1つは自治体の経費ルールです。
これまでは、返礼品の調達費用は寄付額の3割以下、送料や事務費などを含む経費の総額を5割以下とするルールが定められていました。
しかし、今回の改正で寄付金の受領証の発行費用なども経費に含まれるように。これにより、返礼品の寄付金額が上昇するのではないかと懸念されています。
もう1つの変更点は、地場産品基準です。
例えば熟成肉の場合、これまでは他の都道府県や海外で生産された肉を購入して、地元で熟成させたケースでも「地場産品」として返礼品にできました。
しかし10月以降、「熟成肉」と「精米」の原材料については、自治体と同じ都道府県内で生産されたものに限られます。そうなると、今まで返礼品とされていたものがラインナップからなくなる可能性があります。
ふるさと納税の基本的なおトクさはキープされる
これらの点を考えると、これまで通りのおトク感でいたいのであれば、9月中までにふるさと納税を済ませておくのが安心でしょう。今すぐ使うものや欲しいものがない場合は、乾物や日用品など日持ちする物を選ぶのがおすすめです。
とは言え、ふるさと納税の基本的なおトクさは10月以降も変わりません。
ふるさと納税は、所得によって上限はありますが、自己負担2,000円で、もともと支払う必要のある所得税や住民税の一部を「寄付」という形で先払いをして、返礼品という「物」として受け取れるシステムです。イメージとしては、寄付金額が1万円の場合、3,000円ぐらいの物に変わるということ。
この点は変わらないので、まだまだふるさと納税をするメリットは十分ありと言えるでしょう。
慌てて必要でない物を選ぶくらいなら、10月以降がベター
返礼品の内容や価格がどの程度変わるかなどは、基本的に自治体に任せられています。自治体も寄付金が減るのは困るので、いろいろ工夫するはず。10月以降もおトクな返礼品がゼロになることはないでしょう。
10~12月に収入が大きく変動する可能性がある個人事業主など、ふるさと納税は年末にやった方が良いという人も少なくありません。そういう人は、9月中に慌ててふるさと納税をして必要でない物を買ってしまうくらいなら、10月以降にゆっくりじっくり返礼品をチェックして行うことをおすすめします。
また、10月以降はふるさと納税をお歳暮として活用するのにも適している時期です。
ふるさと納税の返礼品、特に生ものなどは、届くまでに1~2カ月かかるものが少なくありません。10月初旬あたりに予約しておくと、お歳暮にちょうど良い頃に届けることが可能です。
10月以降どのような返礼品になるのか冷静にチェックし、自分が納得できる活用をしていきましょう。
取材・文/かきの木のりみ