値上がりは食品だけじゃない!? 高くなる「手数料」を安く抑える対処法【節約の専門家が解説】
2023/10/07
値上げというと、食品や光熱費ばかり注目されがちですが、今年に入っていろいろなサービスの「手数料」も値上げされていることをご存じですか? 節約アドバイザーの丸山晴美さんは「手数料の中には、やり方次第で安くしたり、無料にできるものも少なくありません」と言います。
手数料の値上げの現状と、手数料を節約する方法を聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2023年9月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「手数料の減らし方」!
銀行や通信キャリアの手数料が続々値上がり!
ここ数年、いろいろなサービスで手数料の負担が大きくなっています。
銀行の紙の通帳のように無料だったものが有料化されたり、手数料の金額が引き上げられたり。
例えば、三菱UFJ銀行では、2023年10月2日から店頭窓口・ATM 振込手数料が改定されました。店頭の窓口で他行あての振込をする場合、これまでは594~770円だった手数料が990円に、ATMでは現金振込の手数料が374~550円から880円になりました。
同行間での振込手数料も引き上げられています。
地方銀行でも今年、ATMの振込手数料や利用手数料を引き上げたところが複数あります。
また、ドコモやソフトバンク、auといった通信キャリア大手も、店頭での各種手続きにかかる事務手数料を改定しています。
例えばNTTドコモの事務手数料は、これまでの場合新規契約や契約変更が3,300円、SIMカードの再発行が2,200円、電話番号保管1,100円でした。それが2023年7月から一律3,850円に値上げされたのです。
Au、UQ mobile、povoも4月から、新規契約・機種変更ともに3,300円だったのが、一律3,850円に。
ソフトバンクとワイモバイルは6月から、新規契約3,300円、機種変更:2,200円などが一律3,850円に引き上げられました。
手数料の多くはデジタル化ですぐに安くor無料にできる
こうした手数料の値上げは、まだまだ続くと言われています。ただし、手数料の中には、金額を安くしたり払わずに済ましたりする方法があるものも少なくありません。その方法とは「デジタル化」です。
銀行の場合、銀行アプリをスマートフォンにインストールし、ネットバンキングで振込などをすれば手数料が安くなります。明細もアプリで確認すれば通帳はいらず、それにかかる手数料も省けます。
さらに、ソニー銀行やNEOBANK住信SBIネット銀行、楽天銀行、UI銀行など、店舗を持たずにインターネット上でほぼすべての取引が完結するネット銀行には、ATMの入出金手数料や他行振込手数料が「無料」になるところが多くあります。
振り込みやATM利用が多い人は、ネット銀行に乗り換えるのも一案でしょう。
その際、無料になる条件や回数はネット銀行によって異なるので、自分の希望に合うのはどこかよく比較検討することが大切です。
通信キャリアの事務手数料も、店舗の窓口で手続きすることでかかるもの。自分でネットから契約したり変更手続きをすれば、安くなったり無料になったりします。
ただし、これもキャリアによって異なり、中には店舗でもネットでも手数料が同じ場合も。ホームページやメールをしっかりチェックし、自分が利用しているキャリアの状況を確認しておくことが大切です。
請求書(払込票)の支払いもデジタル化でお得に
公共料金や各種の税金、ショッピング代金などを、請求書(払込票)で支払っている人も多いでしょう。コンビニエンスストアや銀行などに請求書を持って行って支払うのが一般的ですが、コンビニエンスストアでクレジットカードを使って払うと所定の手数料がかかります。
ATMで振り込む場合は、時間外や他行利用の手数料がかかることがあります。
でも、これもデジタル化して「ペイ払い」にすれば、手数料を省くことができます。
「ペイ払い」は「スマホ決済」「バーコード決済」「QRコード決済」などとも呼ばれ、「〇〇Pay」のアプリで請求書(払込票)のバーコードやQRコードを読み取り、残高で支払う方法です。
支払い手数料は原則かかりません(※1)し、都合のよい場所・時間にできるので、時間や手間も節約できます。
「〇〇Pay」の種類によってはポイントが付与されるものも。
ただし、これにも注意点があって、ペイ払いのなかには請求書払いができないものもあります。
また、自治体や企業によっても、対応しているペイ払いと対応していないペイ払いがあります。
お住まいの自治体や利用しているサービスのホームページなどで、事前に確認することをおすすめします。
請求書の裏に書かれている支払い方法などの説明も、チェックするとよいでしょう。
現在、銀行の窓口やATMは減って、紙の通帳は有料になり…と、アナログに対してますますコストをかけるようになっています。この流れは銀行だけに限りません。
不便さを感じながらもアナログ生活を続けていると、今後さらなる手数料と不便さを受け入れざるを得ないでしょう。そのためにも、デジタル化を進めることが大切です。
※支払い先企業によっては、支払い手数料が発生する場合があります
取材・文/かきの木のりみ