ご両親とソン(3 -5 )に座ったリビングルームにソファー、

お金が貯められない家は、夫の給料じゃなくて「会話」に問題がある? 何を変えれば貯まるのでしょうか?

2023/03/05

年間で600件以上の家計を見続けている『サンキュ!』編集部。お金を貯めるのが上手な人は、夫婦で家計の話をするのも上手だったりします。一方で「お金の話はしたくない」という人も多くいます。

Q既婚女性に質問。あなたは夫と家計の話をしていますか?

話したいけれど話しにくいと感じる  25.7%
そもそも話したいと思わない       14.0%
充分にコミュニケーションがとれている 35.1%
いずれもあてはまらない       25.2%
22年11月実施 サンキュ!webモニターアンケートより(n=222)

アンケート結果を見ると「話しにくい」「話したいと思わない」が全体の約4割。具体的な声を聞てみましょう。

「金銭感覚の違いはなかなか合わせられない」Hさん(福島県 30代)

「夫は家計に全く無関心」Rさん(広島県 42歳)

「旦那さんがあるだけ使う人なので、貯蓄額を伝えたら気が大きくなって使われそうで怖くて、
伝えておりません(貯まってはいないです)」Nさん(34歳 高知県)

「夫には仕事を頑張ってもらっているので、お金に困っているとかやりくりが大変だとか不安にさせたくないです」たつみさママさん(福島県 43歳)

「家計管理は全て私がしているので、協力してもらう必要性を感じません」スナフさん(北海道 30代)

「夫はお金に執着がなく、全て私に任せられています。何にいくら使っていても気にしてない様子。
自由にやらせてもらって楽なような…でも本当はたくさん貯金してると思われてるんじゃないか、と

……ごめんなさい!貯金、そんなにありませーん」Hさん(宮城県 40代)

「夫は自分で稼いだお金は自分で好きに使いたいと思っています。スマホのゲームに課金したり、たばこ代などで月10万円以上使うことも。
おかげで貯金ができません」ゆかりさん(岐阜県 30代)

やる気のない夫を 家計管理に巻き込むのは ハードルが高すぎる。 自分だけで何とかできませんか?

アンケートの回答を見てもパターンはそれぞれですが、家計に関心が薄い夫を巻き込むのはものすごくハードルが高い気がします。自分だけで何とかできないか、専門家の意見を聞いてみました。



【回答者】
子ども6人を育てるファイナンシャル・プランナー
橋本絵美さん

はしもとFPコンサルティングオフィス代表。中学生1人、小学生3人、保育園児2人を育てるママ。FPに加えてお片づけプランナーとしても活躍中。www.hashimoto-fpoffice.com/

編集部:読者の悩みをリサーチしたところ、「夫にお金の相談をできない」という声が意外と多かったです。

橋本:家計に対する温度差があるご家庭は多いです。妻は家事や子どもとかかわる時間が長く、家や子どものことにお金を使いたい。夫はその時間が妻より短い傾向にあるため、自分は稼いだお金は自由に使いたいと考えているパターン、よく見られますよ。

編集部:家事や育児へのかかわり方の違いが、家計のズレを生む原因にもなるんですね。

橋本:はい。でも、そんな夫も本気を出せる目標があれば、仕事と同じように頑張れたりするもの。教育費や老後資金などの目標ががはっきりが見えることが、ポイントとなるんです。

編集部:夫に家計の話をすると「給料が少ないと責められている」と受け取られるという声もちらほらありました。

相談しているつもりで 相手に無意識のダメ出しをしていないか?

橋本:相談といいながら、無意識のうちに夫にダメ出ししたり何か要求していないかしら。「ここがダメだからこうして」とか(笑)。

編集部:ハッ! 私も身に覚えが(汗)。

橋本:そういうときって、妻も夫も家計を見直すにはどうすればいいかわからず、つい相手を責めてしまうんだと思います。でも具体的にできることがわかれば、前向きに行動できますよね。

編集部:夫が非協力的って思うときは?

橋本:相手に求めないことかな。

編集部:うう、難しい~(苦笑)。

橋本:相手に「こうして欲しい」って言うのって、相談というより現状に不満だからそこを責めているようにとられがちなんです。だから、「私はこうしたらいいと思うけど、どう思う?」と、自分がやることを伝えて意見を聞くほうが、ケンカにはなりにくいでしょう。もし何かしてほしいことがあるなら「お願いがあるの」「ここをこう変えてほしい」とストレートに言ったほうがいいです。でもそれはあくまで最後の手段かな。相手を変えたいなら、まず自分が動くことが必須です。

編集部:ハイ、肝に銘じます。

橋本:自分がやるべきことがわかっていたら、相手を責める暇はないんじゃないかな。やることはたくさんあるし、自分の反省点だって見つかります。自分もスマホ代が高いとか、子どもに習い事課金してたとか。

編集部:それはありますね(苦笑)。では、たとえば老後資金についてとか、大きなことで夫と意見が合わない場合はどうしたらいいですか? 妻は今から備えたいけれど、夫はもっと先でいいと考えている、とか……。

意見のすり合わせには どうしても時間がかかる

橋本:意見の違いは修正に時間がかかるので、会話を重ねることが大事です。でも、大げさに考えなくてOK。「〇〇スーパーはお肉が安いよ」とか「金利がニュースになってるね」とか、ふだんから何げないお金の話題でコミュニケーションをとりつつ、家計について話し合える関係性を築いていく。遠回りに思えても、下地作りが必要です。

編集部:それでも溝が埋まらない場合は?

橋本:自分で対処するしかないでしょうね。自分と夫、どちらかが絶対正しいわけではないし、間違ってもいない。だからお金を貯めたければ自分が働いて得た収入を極力貯蓄に回す。それができなければ夫にもあれこれ言わない。そういう覚悟が必要だと思います。

編集部:夫婦も他人同士、どうしても意見が折り合わないことってありますよね。埋められない部分は、相手に期待せず自分でできる範囲で何とかする。腹を据えればそのぶんだけ先に進めるし、違う景色が見えてきて、きっと道が拓けますね。

なんだか妙に納得させられた気がする編集部。
そこで実際に「夫が月に11万円使ってしまう」ゆかりさんのお悩みを橋本さんにぶつけてみることにしました。

イラスト/髙栁浩太郎 取材・文/神坐陽子 構成/サンキュ!コメつぶ編集部

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