【税理士が解説】確定申告で還付が受けられる税金<生命保険料控除・地震保険料控除>

2024/03/12

税理士・ファイナンシャルプランナーの高田文乃です。
会社員の方は通常は年末調整で1年間の所得税の納税が完結しますが、医療費控除や、ワンストップ納税の対象外のふるさと納税の還付申告などは税務署へ直接確定申告書を提出して行うことになります。
実は年末調整で申請を忘れてしまった保険料控除も確定申告を行えば所得税の還付や住民税の減額を受けることが可能です。
今回は生命保険料控除と地震保険料控除について解説します。

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確定申告とは

確定申告とは、個人の1年間の所得の金額とそれに対する税金を計算して税務署に対して申告を行い、納付または還付を受ける手続きのことをいいます。
直接税務署に提出に行くこともできますが、スマホやパソコンを使った電子申告が便利です。

保険料控除とは

1年間に支払った生命保険料及び地震保険料については一定の算式に基づいて計算した金額について所得控除を受けることができます。

生命保険料控除

生命保険料の控除制度は過去に改正が行われたことにより「新制度」と「旧制度」が混在します。2012(平成24)年1月1日以後に結んだ保険契約については「新制度」、2011(平成23)年12月31日以前に結んだ保険契約については「旧制度」の計算式を用いて所得控除を行います。

自分の保険契約がどちらに該当するかは、保険会社から送られてくる保険料控除証明書の「旧制度」または「新制度」の記載を確認するだけで判断できます。

新制度の生命保険料控除

1年間に支払った保険料を次の3種類に区分して控除限度額の計算を行います。
・一般生命保険料
・介護医療保険料
・個人年金保険料

各種保険料の控除額
年間20,000円まで・・・・・・支払保険料等の全額
年間20,001円~40,000円・・・支払保険料等×1/2+10,000円
年間40,001円~80,000円・・・支払保険料等×1/4+20,000円
年間80,000円以上・・・・・・一律40,000円

旧制度の生命保険料控除

1年間に支払った保険料を次の2種類に区別して控除限度額の計算を行います。
・一般生命保険料
・個人年金保険料

各種保険料の控除額
年間25,000円まで・・・・・・支払保険料等の全額
年間25,001円~50,000円・・・支払保険料等×1/2+12,500円
年間50,001円~100,000円・・・支払保険料等×1/4+25,000円
年間100,000円以上・・・・・・一律50,000円

地震保険料控除

1年間に支払った保険料が5万円以下の場合には支払金額の全額が、5万円を超える場合には一律5万円が所得控除の対象となります。
地震保険料控除の制度は2007(平成19)年1月1日に新設された制度です。
2006(平成18)年12月31日までに契約を結んでいる一定の保険契約にについては「旧長期損害保険料控除」の対象となっています。旧長期損害保険料控除の上限は15,000円です。

年末調整に間に合わなくても確定申告を行えば還付が可能に

保険契約が年末調整関係書類の提出後であったり、うっかり年末調整時に手続きを失念してしまうこともあるかもしれません。そんな時でも源泉徴収票と保険会社から届く控除証明書を用いて還付を受けることができますので確定申告の時期にはよく確認してみてくださいね。

・記事を書いたのは・・・高田文乃(税理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/宅地建物取引士)

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

 
 

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