買いどきはいつ?家を買う前に知っておきたいお金の知識

2018/04/22

長く安心して住み続けるためにも知っておきたい、家とお金について。そこで編集部では、家を買う前に知っておくべき事柄について、ファイナンシャル・プランナーの深田晶恵さんと公認会計士・税理士の山田寛英さんにうかがってきました。

住宅販売のチラシを見ると、一見自分たちでも買えそうな売り文句が並んでいて一気にテンションが上がりがち。でもちょっと待って! それはあくまでも買わせるための戦略です。もし買えたとしても、そのあと数十年にわたって多額のローン返済に苦しむことになりかねません。家を買おうと思ったら業者任せにせず、まずどれくらいのローンなら返済可能なのか、予算をシミュレーションし、資金計画を立てることから始めましょう。

買いどきはいつ?

そもそも物件価格が高い今は買いどきではありません

超低金利の今のうちに買ったほうがいいと思いがちですが、2年後に東京オリンピックを控え首都圏の住宅価格は上昇中。今は「高すぎる」状況です(山田さん)

買いどきとは、頭金が貯まり家族構成が固まったとき

子どもの誕生で家計は大きく変化します。まずは貯蓄できる家計にし、子どもにかかるお金を実感してから買うのがベスト。買いどきを待つことも大事(深田さん)

頭金はいくら必要?

頭金は最低、物件価格の2割は準備して

頭金ゼロだと多額のローンを抱えることになり、返済期間も長くなります。65歳までに完済できなければ老後資金にも悪影響が出るので、2割は準備を。頭金を目標にまずは貯める力を磨いてください(深田さん)

物件価格の10%に当たる金額を現金で準備

頭金ゼロで買えたとしても、手付金やローン借り入れ費用、不動産取得税など諸経費が物件価格の10%ほど必要になります。その分を考えずに貯蓄ゼロの状態で購入しないよう気をつけて!(山田さん)

立地はどんなところがいい?

りっぱな設備より立地条件をよく見て決めよう

資産価値は立地に左右されます。「駅から徒歩○分」だけでなく、近くに買い物できる所や病院、公共施設があるか、人通りの多さも重要(山田さん)

金利のおすすめは?

「全期間固定金利型」か「10年固定金利選択型」

金利の低い変動金利に目が行きがちですが、将来金利が上がるかもしれないリスクがあります。超低金利の今だからこそ、借りたときの金利が全期間にわたって約束される固定金利がオススメです(深田さん)

月支払額はいくら?

60歳時の残高を試算してみよう

その返済金額が何十年も続くことを考えて。今は大丈夫でも、返済を続けながら教育費や老後資金の準備ができるか、そして定年までに完済できるかが重要です。大手銀行のサイトなどを利用してまず試算してみて(深田さん)

何を含んだ金額なのか必ず確認しよう!

「月8万円で買えるのか」と思いがちですが、それはローンの返済額だけを示す場合がほとんど。それ以外に駐車場代や管理費、修繕積立金なども含めて毎月いくら払う必要があるのかをしっかり確認しましょう(山田さん)

※参考サイト
みずほ銀行「ローンシミュレーション」http://www.mizuhobank.co.jp/loan/simulation
住宅ローンのページの中のシミュレーターを使えば毎月の返済額も60歳時の残高も試算できます

【理想的な住宅ローンの組み方】
・65歳(できれば60歳)に完済をめざす
・ローンを返済しながら年貯蓄額50万~100万円を確保できる
・低金利だからと借りすぎない!

家を買う前に知っておきたい、お金にまつわる知識。資金計画を立てる参考にしてみてくださいね。

<教えてくれたのは…ファイナンシャル・プランナー 深田晶恵さん>
独立系FP会社「生活設計塾クルー」所属。相談業務、雑誌・新聞への執筆などを行っている。著書に『住宅ローンはこうして借りなさい』(ダイヤモンド社)

<教えてくれたのは…公認会計士・税理士 山田寛英さん>
不動産に特化した「パイロット会計事務所」にて不動産を買う・売る・相続する際の相談業務を行う。著書に『不動産屋にだまされるな』(中公新書ラクレ)

参照:『サンキュ!』5月号「買う前&買ったあと住まいにかかわるお金のすべて」より一部抜粋。掲載している情報は18年4月現在のものです。
監修/深田晶恵、山田寛英 取材・文/秋山由紀

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