節約と聞くと、「我慢する」「買わない」「欲しいものをあきらめる」といったネガティブなイメージを持つ方は少なくありません。しかし、実際には“我慢”を積み重ねる節約は長続きせず、反動で衝動買いにつながってしまうこともあります。
大切なのは、ただ支出を減らすことではなく、自分の心が満たされるお金の使い方を知ること。
それこそが、無理をしない節約につながり、自然と暮らし全体の満足度を高めてくれます。
今回は、そんな“前向きなお金との付き合い方”を探している方に向けて、1,000万円貯めたちぇそが日常に取り入れた3つの視点をご紹介します。
“買わない”より“選んで使う” 後悔しないお金の使い方
節約をしようと思うと、「できるだけ買わない」「安ければいい」という発想に偏りがちです。しかし、本当の満足は“買わなかったこと”ではなく、“選んでよかったと思える買い物”から生まれます。
例えば、新しい日用品や服を買うとき「とりあえず安いしこれでいいか」という選び方は、短期的には節約に見えますが、すぐに買い替えが必要になったり、使っていて気分が上がらなかったりして、結局コスパが悪くなってしまうこともあります。
一方で、「長く使える」「毎日が少し快適になる」「見るだけで気持ちが上がる」など自分の価値基準で選んだものは、心の満足度が高く、結果として無駄な買い替えが減ります。
大切なのは、“買わない”ことではなく、“選ぶ理由があるものだけにお金を使う”こと。これが後悔のないお金の使い方につながり、節約も自然と続けやすくなります。
“もの”より“体験”に投資する幸福度の高い使い方
衝動買いしたものは、一時的には気持ちを満たしてくれますが、その満足は案外すぐに消えてしまいます。ものの購入よりも体験に使ったお金のほうが幸福度が長続きするという話を聞いたことがあります。
「体験」と聞くと大きな旅行を想像するかもしれませんが、決して特別である必要はありません。
・近場への日帰り旅行
・気になっていたカフェで過ごす時間
・新しい趣味を試す
・ワークショップに参加する
こんな小さな体験も、記憶として残り続け、満足感を生み出してくれます。体験にお金を向けることで、必要以上の“もので埋める買い物”が減り、暮らしがより豊かに感じられるようになりますよ。
“感謝と満足”がお金の循環をつくる
買い物をするときに「買ってしまった…」「また無駄遣いかも」と罪悪感を抱えると、満足感よりも後悔のほうが強く残ります。すると、心が満たされず、再び何かを買って満たそうとしてしまう…。この繰り返しが浪費につながります。
そこで意識したいのが、買った後の感謝と満足をしっかり味わうこと。「これを選んでよかった」「今日の自分のためのお金の使い方だった」と思えるだけで、同じ金額でも心の受け取り方が大きく変わります。
満足感が高まるほど、無駄に買い物で埋め合わせる必要がなくなり、お金の使い方自体が整っていきます。つまり、“感謝して使う”ことは、暮らしの豊かさを育て、自然な節約にもつながるお金の良い循環を生み出すのです。
節約とは、本来“我慢すること”ではなく、“自分の心が豊かになる方向へお金を使うこと”。
「選んで買う」「体験に投資する」「感謝して受け取る」という3つの視点を意識するだけで、お金の使い方は驚くほど変わります。
無理なく続けられ、しかも暮らしがより満たされていく。そんな前向きなお金との付き合い方を、ぜひ今日から取り入れてみてください。
■執筆/ちぇそ
シングルマザーとして息子2人を育てながらFP資格取得・1,000万円貯金を達成。節約を中心とした家計管理が得意。
Instagramは@single_cheso
編集/サンキュ!編集部