共働きなのになぜかお金が貯まらない「残念な家計」からの脱出法6つ

2020/05/17

共働きということは、当たりまえのことですが、お金が入ってくる「収入源」が2つあるということ。夫婦どちらか片方だけ(一般的には夫のほう)が稼いでいる家庭よりも、フツーに考えれば、2倍とまではいわないまでも、貯まるスピードは速いはずです。なんといっても「二馬力」ですから……。

ところが「うちは共働きなのになぜかお金が貯まらない」という家庭が少なくありません。
なぜかというと、「共働きなのに貯まらない」というより、「共働きだからこそ貯まらない」落とし穴があるからなんです。

共働きなのになぜかお金が貯まらない“残念な家計”が、ハマりがちな落とし穴について、全国の家計を取材してお金に関する記事を数多く手がける村越克子さんが解説します。

『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多...

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1.生活費の分担以外のお金を自分のこづかいにするのはNG

昔は「寿退職」なんていうのどかな言葉がありましたが、今どきは結婚を機に退職する女性はまれといっていいでしょう。結婚後も夫婦で働く「共稼ぎ」が一般的。財布=収入源が2つになるので、家計の管理が独身のときとは違ってきます。

よくあるのが、「夫が家賃や水道光熱費など口座引き落とし分を、妻が食費や日用品費など日々使うお金を担当」するパターン。ここまではいいのですが、その先をどうするかが、お金が貯まる共働きか、貯まらない共働きかのわかれ道になります。

家計支出に担当を決めたら、「あとは、それぞれ自由に使う」では貯まりません。独身時代に毎月決まった金額を貯金していた人ならいいですが、そうではない場合は残りのお金は、自分のこづかいとして使ってしまいます。それではお金は貯まりません。

2.夫婦それぞれ月貯蓄額を決めて貯まり具合を公開する

机の上で通帳を開こうとする若い女性
west/gettyimages

「担当分以外はこづかい」にしないためには、夫婦それぞれが毎月貯蓄する金額を決めます。仲良く同額にしてもいいですし、収入の多寡に合わせて「夫は月3万円、妻は2万円」などにしてもよし。

貯蓄は「勝手に貯まる仕組み」にするのが貯める王道なので、給料日に給与口座から、「積立定期預金」や「投信積立」などの貯蓄口座に自動的にお金が移動するように設定。「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用して節税しながら貯めるのも賢明です。

そして大事なことは、貯まり具合を定期的に確認し合うこと。相手が「貯めているはず」ではなく、年に2回、たとえばボーナス時期などに貯蓄額を公開し合いましょう。

3.分担した生活費の情報を共有する

ショッピングの領収書。小売店購入の領収書、スーパー マーケット請求書印刷とビルを購入分離ベクトル コレクション
Tetiana Lazunova/gettyimages

「口座引き落とし分は夫、日々使う分は妻」が支出を担当することを決めたあと、相手の担当分は任せっきりはNGでは、家計を共有していることにはなりません。

水道光熱費が毎月いくらくらいかかっているのか?食費は?日用品費は?1カ月生活するのにかかるお金を知ることが大事です。

毎月送られてくる電気、ガス、水道の「使用量のお知らせ」を夫も妻もチェックしたり、食料品や日用品を買ったレシートを入れる箱を決めて、いつもで確認できるようにするのも手。「相手が出す分は多くても、少なくても関係ない」ではなく、一家の家計情報として共有して、ムダづかいがないかのチェックを。

4.夫は「生活費」担当、妻は「貯蓄」担当は要見直し

夫の収入が多めで1人分で生活費がまかなえる場合、「夫は生活費、妻は貯蓄」の担当制にしているケースや、反対に「2人で貯めたお金は夫名義の口座に入金している」というケースがありますが、これにはちょっと問題が。

気持ち的には「夫婦2人の貯金」のつもりでも、「夫婦2人の名義の口座」はつくれないので、名義的にはどちらか1人の貯金ということになります。あとあともめないためにも、貯蓄はどちらか1人の口座に寄せずに、それぞれ自分の口座で貯めましょう。

5.2人分のボーナスに甘えてボーナスで月の赤字補てんはNG

封筒を支払う
SB/gettyimages

共働きではない家計にも共通していえることですが、月々の生活費の赤字分をボーナスで補てんするのはNG。共働きだとボーナスも2人分になるのであてにしがちですが、月々の家計収支は月々で完結するのが原則。ボーナスは車検、自動車保険、家電の買い替え、旅行など年間で予算を組む支出にあてましょう。

6.妻が産休育休で収入ダウンすることも想定する

将来、妻が産休、育休に入った場合、妻の収入が減ります。育児休業給付金は育児休業を開始してから180日目までは、休業開始前の賃金日額の67%、181日目以降は50%になります。育休中は妻の収入が減るので、そうなった場合でも貯蓄が確保できるように、今のうちから生活費の担当分と貯蓄分を検討しておくことも大事です。

育休中やそのあと妻が時短で働く期間は収入が減りますが、その間、毎月の貯蓄額が一時的に減ったとしても、長い目で見て貯め続けることが貯蓄を増やすポイントといえます。

まとめ

共働き家計が貯めるポイントは家計の共有にあります。夫婦それぞれが毎月決まった金額を貯蓄にまわし、夫婦の生活費として使った分も情報を共有することが大事。自分の収入と支出を全部公開する必要はありませんが、夫婦の家計に関係することはオープンに。

あとは、自分が稼いだお金ですから自分用の貯蓄を増やしても、好きなものを買っても自由……ということに。

■執筆/村越克子さん
『サンキュ!』を中心に雑誌・ムック・webなどで全国の主婦を取材し、家計のやりくりなどお金に関する記事を数多く手がける。『貯められない人の家計管理』(朝日新聞出版)の編集・執筆など。

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