サポートの概念

食べて買って応援!コロナ禍で困っている生産者・事業者を支援する3つの方法

2020/08/12

新型コロナウイルスの影響で多くの食材や商品が行き場を失い、全国の生産者・事業者が大打撃を受けています。その影響は今も続いており、最近ではそうした方々を支援するサイトやサービスが立ち上がって注目されています。生産者・事業者を支援しつつ、同時に消費者にもメリットがある3つの方法を、節約アドバイザーの丸山晴美さんが紹介します。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年6月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「コロナ禍の支援方法」!

今も多くの食材や商品が行き場を失ったまま

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響で経済活動がストップ。学校給食やイベント、飲食店、旅館やホテルなどに卸す予定の食材が大量に余って行き場を失っている、というニュースを見聞きした方も多いと思います。

緊急事態宣言が解除された後も、お祭りなど中止となったイベントは多く、外国人観光客も激減したまま。経済的危機に瀕している生産者・事業者が少なくありません。この状態が続くと、産業そのものにも影響が出るのではないかと言われています。

そこで今、そのような全国の生産者や事業者を、支援する動きが注目されています。その中から、誰でも手軽に参加ができ、かつ参加した人にもお得な3つの方法をご紹介します。

支援方法1:「ふるさと納税」で返礼品をもらいつつ支援!

ふるさと納税は、自治体へ「寄附」をすると、自己負担分の2,000円を除いた金額が所得税や住民税から控除され、地方の特産品などの返礼品がもらえるというお得な制度。現在、新型コロナウイルスの影響で著しく消費が減った農水畜産物や特産品が、消費拡大を目的に、ふるさと納税の返礼品として登場しています。

特に多いのが、消費期限が限られている果物や野菜、肉、鮮魚など。その中には和牛などの高級食材や、地方に行かないと手に入らない特産物などもあり、多くが通常より増量されたり、寄付額が低く設定されたりとお得に提供されています。
また、食材だけでなく、旅館やホテルなどの宿泊券、イベント中止で行き場を失った生花、各地の工芸品、医療従事者への寄付なども返礼品となっており、これらに申し込むだけで、生産者や事業者を応援することができます。

返礼品によっては、在庫がなくなり次第終了となるものもあるでしょうし、今後の状況によっては内容が変わることもあるかもしれません。ふるさと納税をする予定のかたは、年末まで待たず、ふるさと納税ポータルサイトをチェックしてみましょう。気になる返礼品があれば、早めに申し込むのがおすすめです。

支援方法2:「送料無料」や「訳あり価格」でお得に支援!

ふるさと納税以外にも、産直サイトや各地の商工会議所のサイトなど、多くが新型コロナウイルスに影響を受けた方々への支援コーナーを立ち上げています。中でも、農林水産省が国産農林水産販売を行うECサイトの配送費を支援する「インターネット販売推進事業」に参加しているサイトは、「送料無料」というメリットがあります。

「インターネット販売推進事業」の対象となる商品は、7月11日現在で牛肉や果物・野菜、水産物、茶、花き、ジビエ、そばなど。
参加しているサイトには、地方の逸品を販売する「技わざ(わざわざ)」や、新鮮な魚介類が手に入る「豊洲市場ドットコム」、オンライン直売所「食べチョク」、花の販売に特化した「2020スマイルフラワープロジェクト」など、個性豊かなサイトがあります。
例えば、「豊洲市場ドットコム」では、落ち込むマグロ消費を盛り上げようと、市場のセリ人が選ぶ上級のマグロを手頃な価格で販売。これが送料無料で受け取れるのは、かなりお得ですよね。


「インターネット販売推進事業」に参加しているサイトは下記ページで確認でき、リンクもついています。

また、新型コロナで難しい状況にある業者・生産者の商品を「訳あり商品」として、通常よりも安いで販売している「Wakeari(ワケアリ)」もお得感が大!商品も生鮮食品からスイーツ、調味料、保存食、冷凍食品など多彩で、送料無料のものもあっておすすめです。

支援方法3:「クラウドファンディング」で観光や伝統芸能も支援!

クラウドファンディングとは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織にお金の提供や協力などを行うこと。国内には「READYFOR(レディーフォー)」や「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」、「Makuake(マクアケ)」などいくつかのクラウドファンディングサイトがあり、いずれも新型コロナの支援をサポートする取り組みが行われています。

クラウドファンディングサイトの支援の特徴は、食べ物以外のものが多いこと。外出自粛で人出が減って存続の危機になっている老舗旅館やテーマパーク、伝統芸能などのサポートや、感染拡大防止の取り組みや医療従事者への寄付、子ども食堂の応援など、さまざまな形の支援が見つかります。
プロジェクトによっては、リターン(お返し)が行われるものもあります。お得度はそれほど高くありませんが、商品購入とは異なるお返しが楽しめたり、自分なりの支援先を見つけられるメリットがあります。

いずれのクラウドファンディングサイトも、支援コーナーを設けているわけではないので、サイト内で「新型コロナ」などで検索し、支援先を見つけましょう。

支援することが「エシカル消費」にもなる

エシカル消費とは、人や地球環境、社会、地域に配慮した消費やサービスのことです。プラスチック製レジ袋の有料化も、エシカル消費の1つと言えます。

これを今回のふるさと納税に当てはめると、応援したい自治体やサービスに寄附をし、廃棄処分や値下がりの危機にある商品を返礼品としてもらい、ムダなくいただくことで、食品ロスを減らして環境にも配慮できる、ということになるでしょう。

新型コロナウイルスで困っている方たちへの支援を通してエシカル消費を身につけることも、これからの私たちの生活に必要なことなのかもしれませんね。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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