子どもの大学受験にかかる費用ってどのくらいか知っていますか?私立だと学費が高いなど、なんとなくの知識だけでは、いざ受験を目前にしたときに慌てるばかり。そうならないためにも、子どもが小学生、中学生のうちから備えておく必要があります。教育費の備え方について、お金のプロに話を聞きました。
<教えてくれた人>
竹下さくらさん
ファイナンシャル・プランナー。大学生、高校生の母としての経験を踏まえたアドバイスが好評!著書に『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など。
1:保険よりもコツコツ積み立てが基本
学資保険は、5歳や7歳など加入できる子ども年齢に上限が。「保険が利用できない年齢の場合、自動積立預金などで教育資金用の貯蓄を先取りして。小学校高学年から始めるなら、毎月の積立額を多めに設定する必要があります」
2:世帯年収910万円未満なら、高校の授業料に支援が。
世帯年収910万円未満であれば、高校在学時、国の「就学支援金」を月9900円受け取れます。その分を貯めれば、3年間で約36万円に。「私立高校は、親の所得によって支援額が異なります。できるだけ使わず、貯蓄に回しましょう」
3:進学、受験にかかわる情報は、先輩ママに教えてもらおう
安くていい塾や推薦入学、奨学金の情報などは、早めに先輩ママに聞くのがポイント。「受験は狭き門なので、同学年のママ友はいわばライバル。先輩ママなら利害関係がなく、経験を踏まえた貴重なアドバイスがもらえます」
*塾代、自宅学習代だけでも、年間にこれだけかかります
中1:16万5600円 中2:20万400円 中3:26万400円
高1:11万2800円 高2:15万6000円 高3:17万7600円
塾通いしない自宅学習も含めた平均額。予備校代は含まれていないので、高3から予備校に通うなら、さらに支出増に。また、夏期・冬期講習代はその都度10万~20万円かかるので、計画的に備えておく必要があります。
※ ベネッセ教育研究所調べ(2017年12月)
4:「奨学金」制度は、情報戦!
奨学金には、返済が必要な貸与型と、返済不要の給付型があります。募集期間は限られているので、高2までの情報収集が重要。「でも、安易に借りることを考えず、まずは貯蓄を優先して」。
主な奨学金制度
*日本学生支援機構
学校を通じて申し込む一般的な奨学金。貸与型には「無利子」と「有利子」の2種類があります。高3の1学期中に「予約採用」の募集があるので、学校の説明会や申込書類を見逃さないこと!
*地方自治体
都道府県や市区町村の自治体が実施する奨学金も。給付型のものもあり、現在の居住地以外に、出身地から支援を受けられるケースも。日本学生支援機構のホームページで検索できます。
*企業・民間団体
公益財団法人や民間企業でも、多くの給付型奨学金を実施。親を病気や事故で亡くした子、ひとり親家庭などを対象に支援するものもあるので、サイトなどで検索してみる価値大!
5:大学受験にかかる費用は天井知らず。受験プランを立てて備えよう!
私大の受験料は1回3万5000円が目安。同じ大学でも学部違いで5回受ければ17万円超。「滑り止めも含めると、さらに受験料がかかり、遠方受験の場合は、交通費、宿泊費などの負担も。子どもと受験プランを話し合うことも大事!」
大学の受験料(1学部につき 2018年度入試現)
センター試験(3教科以上受験)1万8000円 ※1
センター試験(2教科以上受験)1万2000円 ※1
国公立大2次試験(平均)1万7000円
私立大(医学部除く平均)3万5000円 ※2
※1 成績通知を希望する場合は、800円かかる。
※2 私立大の場合、願書購入費用として1校当たり1000円前後かかる場合が多い。センター試験の願書、国公立大の願書は基本的には無料。
参照:『サンキュ!』9月号 とじ込み付録「子どもを大学に行かせてあげるために。知っておきたいお金の話」より。掲載している情報は19年7月現在のものです。
編集協力/トレンド・プロ 取材・文/大上ミカ 編集/サンキュ!編集部
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