やせない・続かない・具合悪くなる!「体調二の次ダイエット」の落とし穴6つ
2022/07/31
短期間でやせようとムリな減量をしてしまうことがありますよね。でも、アラフォーが若いときと同じ気分でダイエットをするのはとても危険!3万人の肥満を治療した名ドクターからのアドバイスは必見です。
<教えてくれた人>
ダイエット外来医師 左藤桂子さん
30年で約3万人、減量総重量3tの肥満治療を行ったダイエット外来医師。『カラダ最適化ダイエット』(徳間書店)など著書多数。
1 炭水化物はほぼゼロの糖質オフにしたら頭がボー
ご飯、パンなどの炭水化物は、ほぼゼロにして1日の糖質を25g以下に。頭が働かず、やる気もでない状態に。糖質を少しとったら、止まらなくなって結局リバウンド……。
ウララさん(愛知県 37歳)
155cm 68kg
ダイエット期間:1年
結果:-8kg。その後、ダイエット前より増。
過度な糖質オフは誰でも不調に!続けることが難しいので、リバウンドしやすいんです
糖質は体のエネルギーを作る栄養素なので、過度な糖質制限を続けることは難しいですよね。ダイエット後、どうやって糖質量を戻していくかが重要なので、"ゆる糖質制限"くらいにとどめるほうがベターです。
2 ジムでトレーニングに励んだものの、夜中のつまみ食いで、体重アップ
トレーニング後は、動いたんだから食べても大丈夫!と、22時以降に甘いおやつをつまみ食い。その繰り返しで体重&体脂肪率が成長。
とちくんママさん(神奈川県 49歳)
157cm 67kg
ダイエット期間:約15年
結果:最高で-15kg。じわじわリバウンド中。
ジムに行けばやせるという思い込みが落とし穴。おやつではなく栄養を補給!
ジムで運動をしても、その後おやつを食べたらやせません。おやつの替わりにサラダチキンや牛乳など、たんぱく質を多く含む食品をとれば、筋肉量も増えて、体脂肪率も減りますよ。
3 16時間絶食すれば、何を食べてもOK。過食してしまい心も体もダウン……
「8時間は自由に食べれる!」と昼食後におやつを食べすぎて夕食時にはお腹いっぱい。栄養をきちんととれていないという自責の念からストレスフルに。さらに肌荒れになるなど体調面も悪化。
ポトフさん(神奈川県 40歳)
160cm 70kg
ダイエット期間:半年
結果:-1~2kg。その後2~3kgリバウンド。
"絶食"そのものが悪いのではなく、絶食後に何を食べるかが大切です
空腹時間をつくることは脂肪の燃焼を助けるので悪いことではありません。ただ絶食の反動で過食する人も多いんです。過食すると血糖値が乱高下し、さらに空腹感が増加。食事前にスープや水を飲んで空腹感を落ち着かせて。
4 1日50回のスクワットに挑戦するも、ひざを痛めて断念
スクワットなら簡単かもと思い、やってみたら-2kg!。フォームが悪かったのか、だんだんひざが痛くなって、やめた途端に体重が元に。
といぷーさん(東京都 42歳)
157cm 56kg
ダイエット期間:20日
結果:-2kg。やめたら戻った。
回数が多すぎるのは故障のもと!運動ならウォーキングがおすすめ
スクワットはひざに負荷がかかる運動なので、最初から回数が多いとひざを痛めてしまいがち。特に体重が多い方は10回くらいからはじめて。運動なら、コツなくできるウォーキングが◎。
5 朝グレープフルーツ、塩玉ねぎ……。流行の一品ダイエットに挑戦。精神的に不安定になりイライラ
最初は体も軽くなり調子がよかったものの、毎日同じ物だと飽き飽き。イライラすることも多かった。
ayaさん(埼玉県 32歳)
160cm 55kg
ダイエット期間:1年半
結果:最高で-3kg。でも、すぐ戻った。
一品ダイエットは"やつれる"のみでNG。将来"骨粗しょう症"の危険も
一品ダイエットは、将来高確率で骨粗しょう症になるというデータがあるのでアラフォーは絶対NG。やせたというより、やつれたような状態で、体調を崩してしまう可能性もあります。
6 酵素ドリンクのみのファスティングで、肌はカサカサ、目にはクマ
3日間酵素ドリンクで過ごし、3日間回復食を食べる。1回目は効果があったけど、2~3回すると効果が薄くなり、体調も悪くなって中断。
Lilyさん(宮崎県 39歳)
153cm 56kg
ダイエット期間:1週間×4回
結果:最大-4kgで現在は増。
ファスティングは向き、不向きがあり、体を壊してしまう人も。完全に栄養不足です
ファスティング後は、少しのカロリーで生きていけるよう省エネ体質になるため、普段の食事に戻したら、以前より体重が増えやすく。手軽に見えて難しい方法なので、指導者の下でおこなって。
20年後、30年後の"健康"にも影響が!アラフォーのダイエットこそ慎重に
若い頃と同じ気持ちでムリなダイエットをする方がいますが、昔とは体が違います。将来"骨粗しょう症"などにならないためにも、アラフォーからのダイエットは、たんぱく質や野菜などの栄養を意識的にとって。食事の内容を変えず、食べる順番を食物繊維→たんぱく質・油→炭水化物に変えるだけでも違います!
栄養不足のダイエットはやつれるだけで、すぐ元通り。たっぷりの栄養と10年後も続けられる運動。それが本当の近道です。
参照:『サンキュ!』2022年8月号「『体調二の次ダイエット』の落とし穴」より。掲載している情報は2022年6月現在のものです。構成/岡部さつき(風讃社) 取材・文/海老澤まり子(風讃社) 取材協力/一石沙永加(風讃社) 編集/サンキュ!編集部