寝起きの「白湯」が健康にいいのはなぜ?医師が教える寝起きに飲んでいいもの・ダメなもの

2023/12/30

「寝起きには白湯を飲むといい」と言われるのはなぜでしょうか。また、冷たい水や他の飲み物ではいけないのでしょうか。

寝起きの白湯や飲んでいい飲み物について、20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積み、現在は新見正則医院の院長として、がん、難病・難症の治療を行っている新見正則氏に聞きました。

Q.寝起きには、冷たい飲み物より温かい白湯がいいとされるのはなぜでしょうか

睡眠中は汗をかくため、寝起きには少し脱水傾向にある人が多いです。寝起きに水分をとりましょうと説明されるのは、寝ている間に失った水分を補うためと言えます。

またその際、冷たい飲み物よりも温かい白湯がいいとされるのは、消化管の冷やしすぎが体に悪いことが多いからです。ただ、必ずしも寝起きに白湯が必要なわけではありません。寝起きの白湯を試してみて、快調ならその習慣を続けてください。

冷たい飲み物がいけないわけではありませんが、消化管を冷やしすぎないためには、時間や季節問わず温かい飲み物をとるのを心がけるといいでしょう。

温覚・冷覚・痛覚は、のどをすぎて食道に至ると消失します。冷たいものがおいしいと感じるのは「のど越し」がいいからです。のど越しのいい冷たいものを少し楽しんだ後は、温かいものを飲むのをおすすめします。

Q.寝起きに飲むのを避けたほうがいい飲み物はありますか

アジアの女性はコーヒーを飲み、彼女のベッドで目を覚まし、日差しの上に新鮮な空気を得るために午前中にカーテンを開けます
TuiPhotoengineer/gettyimages

基本的には人それぞれで、体調に問題がなければ寝起きになにを飲んでも大丈夫です。しかしお酒や香辛料が強いもの、甘すぎるもの、しょっぱすぎるものなどは脱水傾向が強い寝起きの体には刺激が強いので、避けたほうがいいでしょう。

そのうえで、自分にあった飲み物を探して、いろいろトライしていただいてかまいません。ただし、周囲がやっていないことを行うときは慎重になってください。

また、加齢とともに体温は徐々に低下します。年齢を重ねたかたは、寝起きから冷たいものを胃に入れるより、ちょっと温かな白湯を飲むのが健康的だと思われます。病後のかたも、寝起きの冷たい飲み物は避けたほうがいいでしょう。

Q.翌朝、快適に起きるために寝る前に飲むといい飲み物はありますか

前述したとおり、消化管の冷やし過ぎが体に悪いことが多いのは就寝前も同じことですので、冷たいものよりは温かいものを飲むほうがいいでしょう。ただ、多くの人に当てはまることが、自分には当てはまらないことはあります。

たとえば一般的にカフェインを多く含む飲料を寝る前に飲むことは避けたほうがいいと言われていますが、一方でカフェイン入りのコーヒーを飲んで快眠できる人もいます。

ですので私としては、寝る前の飲み物も「人それぞれ」を肝に銘じて、自分に合うものを試すことを推奨しています。医療情報は多くのかたに当てはまりそうなことを発信しています。医療情報を集めることは大賛成ですが、大切なのは自分に合うものを探すことなのです。


教えてくれたのは・・・

新見正則さん

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は新見正則医院、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)に輝く。最新刊は「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」。

取材/文:山名美穂(Instagram「@mihoyamana」)
編集:サンキュ!編集部

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