秋が深まってきましたね。「なんとなくだるい」「朝の冷えがつらい」「足腰が重い」と感じることはありませんか?
実はこの時季の体は、夏の疲れを引きずったまま冬への準備を始めている最中です。そんな季節の体調を整えるのにぴったりなのが、秋の味覚「栗」です。
今回は、栗の持つ健康パワーと、効果アップの食べ合わせや注意点を看護師で薬膳師の薬膳ナースけいこがお伝えします。
栗の持つ健康パワーとは?
栗は、とても優秀な健康食材です。
まず、ビタミンB1やB2が豊富で、糖質や脂質をエネルギーに変える働きを助けてくれます。仕事や家事でぐったりしているときは体が「エネルギー不足」のサインを出しているかもしれません。そんなときに栗を取り入れると、エネルギーの巡りがスムーズになり、だるさの軽減につながります。
また、薬膳の考え方では栗は「温性」で、体を内側から温める性質があります。特に五臓の「腎(じん)」をサポートする食材とされています。腎は生命エネルギーを蓄えるエネルギーのタンクのような存在。ここが弱ると冷えやむくみ、足腰の重だるさが出やすくなるんです。
さらに、栗にはカリウムや亜鉛などのミネラルが含まれており、筋肉や神経の働きを整えてくれます。立ち仕事で足がパンパンになったり、座りっぱなしで血流が悪くなったりする人にもおすすめです。
健康効果を高める食べ合わせ
小豆(あずき)
小豆には体の余分な水分を出してむくみをとる作用があり、栗と合わせると「冷え+むくみ」の両方をケアできます。栗と小豆のおこわは、体を軽くしながら疲れを癒す一品です。
黒ごま
黒ごまなどの黒い食材はエネルギーのタンクである五臓の腎の働きを助けます。また、「血を元気にする」力があるんです。髪や肌の材料は血なので髪や肌を健やかに保つことに繋がります。栗ごはんや栗のスイーツの仕上げに黒ごまをふりかけるだけで、美容面でもうれしい効果が期待できます。
鶏肉
鶏肉には体を温める効果があり、たんぱく質で筋肉を守るサポートも期待できます。栗と鶏肉の煮物やスープは、冷え性や疲労回復にぴったりの「温活ごはん」です。
食べ方と注意点
栗はヘルシーに見えて、糖質が多い食材でもあります。1日の目安は3〜5個(約30〜50g)ほどにしましょう。主食のご飯やパンを少し減らして、栗を取り入れるのがおすすめです。
また、ゆで栗や甘露煮は常温だと傷みやすく、冷蔵または冷凍保存が安心です。皮つきのまま保存すると、酸化を防いで風味もキープできます。
旬の栗は、自然がくれた最高の疲労回復フード。
体を温め、足腰を支え、内側から元気をチャージしてくれます。 秋の食卓やおやつタイムに栗のパワーをもらって、季節の変化に負けない体を整えていきましょう。
■執筆/薬膳ナースけいこ
大人女子が疲れにくい体と心で生きていくために東洋医学、西洋医学、脳と心の仕組みを使った暮らしに溶け込む健康習慣を発信。看護師、薬膳師として25年以上の実践経験を持ち令和元年生まれの息子を子育て中のママでもある。
Instagramは@「@keiko89zen」。
編集/サンキュ!編集部