「冬瓜(とうがん)」の冷凍方法は?おいしく保存する方法やおすすめの活用レシピを紹介
2023/02/26
夏が旬の食材の1つとして食べられている冬瓜(とうがん)ですが、食べ切れないなどの理由から、冷凍して活用したいという人も多いのではないでしょうか。本記事では、冬瓜をおいしく冷凍・解凍する方法をはじめ、冷凍した冬瓜を活用したレシピも紹介しています。ぜひ試してみてください。
冷凍冬瓜の保存期間は?
冬瓜を冷凍保存した場合の保存期間は、通常1カ月程度になります。
冬瓜の旬は夏ですが、冷暗所で保存すれば冬まで日持ちすることから、「冬瓜」と記されるようになったと言われています。
包丁を入れていない状態では常温や冷蔵庫で長い期間保存できますが、カットした場合は切り口から劣化するため、冷蔵庫の野菜室に入れて5日程度が保存期間の目安です。
適切な方法で冷凍すれば長期保存が可能なため、丸ごと1つの冬瓜を数日中に食べ切るのが難しい場合は、冷凍保存すると便利でしょう。
冬瓜をおいしく冷凍保存する方法
前述の通り、冬瓜はカットしていなければ常温で保存できますが、カットしたものを冷凍しても、おいしく食べられます。小分けにして冷凍しておけば、さまざまな料理に活用できるため、おすすめの保存方法です。
ここでは、風味を損なわずにおいしく冷凍する手順を具体的に解説しましょう。
カットしてそのまま冷凍する
冬瓜は、一口サイズなどの食べやすい大きさにカットして、生のまま冷凍できます。切って冷凍するだけの手軽で便利な方法です。
丸ごとの冬瓜を入手して食べ切れないときなどに冷凍しておくことで、常備野菜としていつでも使えるため、以下で紹介する手順をぜひ参考にしてください。
1:皮をむき種とワタを取り除く
カットして冷凍保存するときは、初めに皮をむき種とワタを取り除きます。スプーンでかき出すようにすれば、中心部の種とワタを取り除きやすいでしょう。
皮はピーラーで薄目にむくことで煮崩れ防止になり、歯ごたえを残すこともできます。あまり厚くむきすぎないようにしましょう。同時に、冬瓜に特有の翡翠色が残りやすくなるため、見た目も鮮やかになります。
2:食べやすい大きさにカットする
次に、種とワタを取り除いた冬瓜を、好みの大きさにカットします。用途に応じて切っておくと、解凍して調理する際に大変便利です。
スープや煮物、あんかけには約3cm角、味噌汁など汁物の具材や炒め物には約1cm幅の薄切りにするなど、厚みや大きさを工夫すると良いでしょう。
カットする際は、滑らないように気をつけてください。4等分してから4cm程度の大きさに切ると扱いやすくなります。皮に近い部分は味が入りにくいため、薄く切り込み(隠し包丁)を入れると味がしみ込みやすく、食べやすくなるでしょう。
3:ジッパー付き保存袋に入れて冷凍する
最後に、カットした冬瓜を食品用ラップで包み、さらにジッパー付き保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
食品用ラップで包まなくても直接ジッパー付き保存袋に入れて保存できますが、乾燥が進むことで劣化が早まる点に注意してください。
切り口から劣化するため、確実にみずみずしさを保ちたい場合は、食品用ラップを密着させ、なるべく空気に触れないよう密閉しましょう。
下ゆでをして冷凍する
冬瓜を冷凍前に下ゆでしておくと保存期間が長くなります。また、きれいな翡翠色をキープでき、調理時にも短い時間で柔らかい食感になるため、さまざまな活用レシピをおいしく楽しめるでしょう。
1:皮をむき種とワタを取り除き食べやすい大きさにカットする
まず、スプーンでかき出すように中心部の種とワタを取り除き、皮をむいてから好みの大きさにカットします。皮を薄目にむくことで冬瓜の翡翠色が残るため、ピーラーを使うのがおすすめです。
スープや煮物には約3cm角、味噌汁や炒め物には約1cm幅の薄切りにするなど、用途に応じて切っておくと調理する際に便利になります。
さらに味を入りやすくしたい場合は、翡翠色の部分全体に深さ1~2mm程度、幅約1mmの切り目を入れ、塩2つまみ(色止め用)をすり込むと良いでしょう。
2:カットした冬瓜を6〜10分ゆでる
鍋にたっぷりの湯を沸かし、カットした冬瓜を加え6〜10分ゆでます。目安は1Lの湯に対して塩小さじ1です。粗熱が取れたあと、ペーパータオルなどで水気をしっかり拭き取ってください。
色味をよりキープしたい場合は、ゆでた冬瓜を氷水にとってから水気を取り除くと良いでしょう。この工程には、余熱で火が通り過ぎるのを防ぐ効果もあります。
下ゆでには、冬瓜の青臭さや苦味を和らげる役目や、調理時にスープやだしの味がしみ込みやすくなるメリットがあるため、料理に合わせて活用しましょう。
3:ジッパー付き保存袋に入れて冷凍する
下ゆでした冬瓜を食品用のラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍庫で保存します。空気を抜いてしっかり密閉しましょう。
1食分ずつ小分けにして食品用ラップに包んでおけば、解凍時に必要な分だけ取り出せます。ゆでた冬瓜は冷凍するとくっついてしまうため、そのままジッパー付き保存袋に入れず、食品用ラップで包むのがおすすめです。
冬瓜の解凍方法
冷凍した冬瓜は、解凍時に酵素反応によって色が変化するため、凍ったまま加熱するのがおすすめです。
袋から取り出してすぐ使え、簡単にさまざまな料理に活用できるため、以下に挙げる調理方法を参考にしてみてはいかがでしょうか。
凍ったまま加熱調理する
生のまま冷凍した冬瓜も、下ゆでしてから冷凍した冬瓜も、凍ったまま直接調理できます。スープや煮物、炒め物などに凍ったまま入れ、加熱してください。生のまま冷凍した冬瓜を炒め物に入れる場合は、サッと湯通ししてから炒める方法もあります。
下ゆでしてから冷凍した冬瓜の場合は、すでに火が通っているため、冬瓜の中心が温まる程度でおいしく食べられます。煮物などでは煮込み時間の短縮にもなり、さまざまな料理に役立つでしょう。
なお、解凍後の冬瓜は柔らかくなりやすいため、ほかの食材の火の通り具合を見てから入れることをおすすめします。
冷蔵庫で解凍する
冷たい料理に使いたい場合などは、100gあたり6時間程度を目安に、冷蔵庫内で自然解凍させてから使いましょう。煮物などに使う場合は、角切りにして冷凍した冬瓜を冷蔵庫で自然解凍することで、時短調理に役立ちます。
ただし、冬瓜は水分が多く、冷凍・解凍することで食感が落ちるため、サラダなどの生で食べる料理にはあまり向いていません。冬瓜の漬物のように、薄切りにした冬瓜に味付けし水分を絞ってから冷凍するなどの工夫をしましょう。
電子レンジで解凍する
調理済みのスープなどを冷凍した場合は、電子レンジで解凍し温めると良いでしょう。密閉できる容器なら、ふたをずらして1食分につき6分30秒程度加熱します。凍っている部分が残っていたら、混ぜてからさらに1分ずつ様子を見ながら加熱してください。
スープなどを冷凍する際は、1食分が入るくらいの密閉できる容器や、冷凍庫のスペースに余裕がない場合はジッパー付き保存袋を上手に活用できます。
ジッパー付き保存袋で冷凍したスープを解凍するときは、一度半解凍し、耐熱容器に移してから再度電子レンジで加熱しましょう。長時間電子レンジにかけると、ジッパー付き保存袋の耐熱温度を超える可能性があります。
自然解凍する
厚めに切った場合など、冬瓜の中まで火が通るか心配であれば、20~30分ほど常温に置いて自然解凍してから調理できます。乾燥や劣化を防ぐため、むき出しで放置するのではなく、ジッパー付き保存袋に入れたまま、もしくは食品用ラップなどで覆うと良いでしょう。
ただし、常温に長時間にわたって放置していると、傷む可能性があるため注意が必要です。
冷凍した冬瓜の活用レシピ
冷凍した冬瓜を料理に加えることにはさまざまなメリットがありますが、その1つが調理時間の短縮につながることです。
凍ったままで調理できる点や、煮込み時間の短縮になる点など、冷凍した冬瓜の利点を活用したレシピを紹介します。
冬瓜のスープ
ショウガの香りがさわやかな冬瓜のスープです。冬瓜のとろとろとした食感と、とろみのスープが好相性で、冬瓜以外にもさまざまな具が入っているため、満足感が得られます。
味付けは中華風ですが、さまざまな具材の出汁が溶け込んで、あっさりした冬瓜によく合う味わいです。
冷凍した冬瓜を使うことで、カットする手間を省け、すぐに柔らかくとろとろに調理できます。
冬瓜のそぼろあん
柔らかく煮た冬瓜と、しっかりと味の付いたそぼろが味わえるレシピです。和風の甘辛いしょうゆ味のそぼろと、ショウガがほんのりと効いたあんが冬瓜によくからみ、優しい味わいが楽しめます。
鶏ひき肉を使っているため、おかずやご飯にかけて丼にしても良いでしょう。下ゆでして冷凍した冬瓜を使えば、味もしみやすく、煮込み時間を短縮できます。
冬瓜と豚肉の炒め煮
冬瓜と豚バラ肉を炒めてから、だし汁で煮るレシピです。味付けはシンプルですが、ショウガがアクセントになり、風味豊かに仕上がります。
あっさりした冬瓜と濃厚な味わいの豚バラ肉の組み合わせで、食べ応えのある一品です。豚バラ肉の旨味が冬瓜にしみ込むため、おかずとしてご飯にもよく合います。
冬瓜の保存は冷凍を活用しよう
この記事では、冬瓜をおいしく冷凍・解凍する方法と、冷凍した冬瓜を活かしたレシピをご紹介しました。
具体的な冷凍・解凍の手順や、冬瓜を冷凍する際の注意点なども知っていただけたのではないでしょうか。冷凍した冬瓜は、そのまま調理に加えられ、柔らかくなりやすいなどのメリットがあります。
生のままカットして冷凍する方法から、下ゆでして冷凍する方法まで、冬瓜の冷凍・解凍は比較的簡単にできるため、冷凍した冬瓜を活かしたおいしい料理にぜひ活用してみてください。