【管理栄養士監修】「冬瓜(とうがん)」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?
2020/10/27
スーパーでたまに見かける冬瓜(とうがん)は、なんとなく見ているだけで食べたことがない、どんな栄養が入っているか知らない、というかたもいらっしゃると思います。そんなややマイナーな冬瓜ですが、じつはダイエットに効果的だったり、女性にうれしい栄養素がたくさん入っているのです。
冬瓜の種類
スーパーで見かける冬瓜ですが、見かけるだけで名前も知らないかたも多いでしょう。
冬瓜の種類は、表面に艶がある縦長の「琉球冬瓜系」と、表面に粉を吹いたような丸型の「大丸冬瓜」があります。
現在スーパーでよく見る冬瓜は「琉球冬瓜系」が多く、冬瓜は名前に"冬"と入っていますが、夏が旬の野菜です。名前の由来は、夏に収穫して、冬まで貯蔵ができる、という貯蔵性の高さから来ていると言われています。
冬瓜のカロリーと栄養素
生の冬瓜は100gあたり16kcalです。
水分を100gあたり95.2gと多く含み、とても低カロリーな野菜です。ほかにも、体内の塩分を排出する効果があるとされているカリウムが100gあたり200mg、肌の調子を整えてくれるビタミンCが100gあたり39mg含まれています。
ここからは、ほかにも冬瓜に含まれている栄養素をご紹介していきます。
冬瓜の栄養素
・ビタミンC
・カリウム
・カルシウム
・葉酸
・リン
冬瓜の栄養素1:ビタミンC
ビタミンCは免疫力を高めたり肌の調子を整えてくれるだけでなく、ストレスの緩和も期待されています。
コラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれると言われている栄養素の1つです。抗酸化作用にも期待されていて、身体を若々しく保つ効果が期待でき老化を防いでくれる効果があると言われています。
また、ビタミンCは神経伝達物質のドーパミンや、アドレナリンの合成や、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成にも関係しているため、ストレスの緩和に期待がされています。
冬瓜の栄養素2:カリウム
カリウムは体に含まれている余分な塩分を排出してくれると言われている栄養素です。
カリウムを適量摂取することによって、むくみや高血圧の予防にもなると言われています。また、神経刺激の伝達に関わるほか、心臓や筋肉の働きを調節し、骨密度の増加も期待されています。
冬瓜の栄養素3:カルシウム
カルシウムは主に骨や歯をつくる栄養素と言われています。
体の中の99%のカルシウムは骨と歯の形成に、残りの1%は血液、体液、筋肉の組織にあり、この1%は出血を止め、神経の働きや筋肉の運動などの生命活動の維持の役割と言われています。
冬瓜の栄養素4:葉酸
葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、赤血球をつくるため造血作用もあると言われています。体内での細胞の分裂や成長に影響し、とくに妊娠を望んでいる人や妊娠・授乳中の人は必要量が増加します。
また、ビタミンB12とともに赤血球の形成やDNAの合成に関わり、貧血や動脈硬化の予防効果が期待できるので、年齢性別を問わず摂取する必要があります。
冬瓜の栄養素5:リン
リンはカルシウムとともに、骨や歯を形成するのに大切な栄養素と言われています。
骨や歯の正常な発達に欠かせない栄養素で、体の中のリンは85%がカルシウムとマグネシウムとともに、骨や歯を作る成分で残りの15%は筋肉や脳や神経など、さまざまな組織に含まれていると言われています。また、体内でのエネルギー貯蔵物質の構成成分や、心臓や腎臓の機能の維持などにもかかわっています。
冬瓜はダイエットに効果がある?
冬瓜の95%は水分が占めており、低カロリーな食材です。さらに、低カロリーなだけでなく、ダイエットの後押しに期待される、腸内環境を整えて便秘を解消したり、糖の吸収を抑えて、食事の満足感を高めてくれる役割のある食物繊維も含まれています。
また、むくみ予防にも期待されているカリウムを含んでいるためむくみが気になる人には食事に取り入れてもよいでしょう。しかし、冬瓜には体を冷やす作用があるので、体が冷えている人やお腹が冷えやすい人は食べすぎに注意が必要です。
冬瓜を使ったおすすめのレシピ
冬瓜に含まれる栄養素について説明してきましたが、ふだん調理する機会があまりなく、「どう調理すればいいの。」「どんな食べ方があるのか。」と疑問を抱いているかたも多いのではないでしょうか。
ここでは、冬瓜の栄養素をおいしく摂ることができる、おすすめレシピをご紹介します。
冬瓜のおすすめレシピ1:冬瓜のかき玉みそ汁
冬瓜と卵のシンプルなお味噌汁です。温かい味噌汁として食べることで、冬瓜の体を冷やす作用も気にせず食べることができます。
卵だけでなく、ほかの食材を入れてもおいしいでしょう。
冬瓜のおすすめレシピ2:冬瓜と豚バラの炒め物
冬瓜は淡白な味なため、食べ応えのある食材との相性がよいでしょう。
また、味つけにショウガを使用することによって、食欲もわいてくる味つけに仕上がっています。
冬瓜のおすすめレシピ3:冬瓜とカニカマの煮物
冬瓜の定番調理方法の煮物です。
煮物に使う場合は、下ゆですることで青臭さが抜けやすくなります。さらに、隠し包丁を入れるというひと手間で、冬瓜に出汁がよく染みておいしくなります。
冬瓜をおいしく食べよう!
冬瓜は、ダイエットに効果があると言われている栄養素が含まれているため、体重やお肌の調子、むくみが気になる方は冬瓜を食べてみるのもよいでしょう。
今回、紹介させていただいたレシピのほかにもたくさんのレシピが出てきますので、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか。冬瓜の下ごしらえも簡単にできるため、冬瓜料理に挑戦してみましょう。
監修者ミニコラム:冬瓜は丸ごと全部食べ尽くせ!~硬い皮からやわらかいワタまで調理次第~
冬瓜は、漢方やインドの伝統医療でも使われるほど、全体的に薬効を秘めているのだとか。そうはいっても、茹でても硬い皮や、傷みやすいワタは普段捨てられがち…でも、実はこんな食べ方があるんです。
・皮:きんぴら(蒸し煮調理)、漬物/ポリポリ食感や色を楽しむ!
・ワタ:みそ汁、酢の物/とろとろ食感を楽しむ!
・種:乾かして炒る/おつまみ風!
冬瓜はそのままであれば、貯蔵性が高く、室温で半年もつこともあると言われていますが、カットしてしまうと日持ちが悪くなります。ですが、生食することもでき、下茹でなしで冷凍保存も可能なので、1個買えばかなり経済的!
皮や種には利尿・鎮咳作用も期待できるので、ぜひ、無駄なく全部食べてみては。