家は私たちが最も長い時間を過ごし、心と体を休める場所です。
けれど、「なんだかごちゃごちゃしている」「落ち着かない」と感じることはありませんか?それは「生活感」と「清潔感」のバランスが崩れているサインかもしれません。
「生活感」は本来、居心地の良さや温かみを生みますが、行き過ぎると散らかりやストレスにつながります。一方で「清潔感」は掃除が行き届いているだけでなく、整然として視覚的なノイズが少ない状態から生まれます。
そこで今回は、心地よい清潔感のある家に近づけるためのルールをご紹介します。
教えてくれたのは、アクティア株式会社が提供する家事代行サービス「カジタク」に所属し、年間約500件のお仕事依頼をこなしている家事のプロフェッショナル、西田美保さんです。

「生活感」と「清潔感」のバランスを整える3つのルール
目指したいのは、生活の温かみを残しながら心が休まる「心地よい清潔感のある家」。そのための具体的なルールを3つご紹介します。
ルール1 床にモノを直置きしない
清潔感のある家とそうでない家を見分ける最も簡単なポイントは「床」です。床は空間の印象を大きく左右し、広さやゆとりを感じさせる重要な要素です。
• 生活感の出る家:読みかけの雑誌、脱ぎっぱなしの洋服、電源コード、バッグなどが無造作に床に置かれている。
• 清潔感のある家:床面が広く見え、コード類はまとめられ、生活動線上には「何もない」状態が保たれている。
床にモノがないだけで視界の情報量が減り、空間が広くスッキリ見えるうえ、掃除のしやすさも加わって「ゆとりのある空間」が生まれます。
ルール2 モノには必ず定位置を決める
「片付けてもすぐに散らかる」という悩みは、多くの場合「モノの住所(定位置)」が決まっていないことが原因です。
• 生活感の出る家:使ったものを出しっぱなしにしたり、空いている場所に「とりあえず」置いてしまうため、リセットに労力がかかる。
• 清潔感のある家:すべてのモノに定位置があり、家族全員が共有しているため、自然に片付けができる。
清潔感を保つには、定位置を守る習慣をつけましょう。使ったモノを元の場所に戻す習慣が身につけば、リセット状態を無理なくキープできます。
モノ一つひとつに「指定席」を与えることが重要です。
ルール3 色と素材を揃えて統一感を出す
視覚から入る情報は、清潔感を左右する大きな要素です。
• 生活感の出る家:家具や小物に多様な色が混在し、日用品のパッケージがそのまま見えて視覚的ノイズが多い。
• 清潔感のある家:ナチュラルな色を基調に、小物の素材感を揃えることで、統一感のある落ち着いた空間になっている。
日用品をシンプルな容器に詰め替えたり、小物をナチュラルな色で統一することで、視覚的な乱れを減らし、落ち着いた印象を与えます。
「生活感」を「心地よさ」に変えるために
清潔感のある家は、モデルルームのように完璧である必要はありません。大切なのは、そこに住む家族全員が「整える仕組み」を共有し、実践できることです。
思い出の品や趣味の道具など、愛着のあるモノは控えめに飾り、「魅せる収納」を工夫することで、心地よい清潔感を演出し、空間を豊かにしてくれます。
まずは「床にモノを直置きしがちな場所」を一か所決め、そこから片付けを始めてみてはいかがでしょうか。