【旬食材】秋冬のごぼうと何が違う?失敗しない新ごぼうの選びかたを野菜ソムリエが解説
2024/03/24
ごぼうは秋冬の定番野菜としてきんぴらや豚汁に欠かせない野菜ですが、春から初夏にかけては「新ごぼう」というタイプのごぼうが出回ります。
秋冬が旬の通常のごぼうと比べて、選びかたや味わいに違いはあるのでしょうか。
野菜ソムリエ・気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、スーパーで新ごぼうを選ぶときのコツを教えてもらいます。
期間限定の新物「新ごぼう」
新ごぼうは通常のごぼうと品種は同じですが、成長しきる前に収穫した若いものです。
みずみずしくて香りがよいのが特徴で、秋冬に出回る通常のごぼうよりもアクが少なく食べやすいのもうれしい点。
長時間煮込む必要がなく、さっと火を通しただけで食べることができます。
また色も通常のごぼうより白っぽく、料理の仕上がりが明るくなります。
ただ、保存がきく秋冬のごぼうと違ってあまり持たないので、できるだけ新鮮なものを買って早めに使い切る必要があります。
泥つきがあればぜひ選んで!
新ごぼうはみずみずしいのが特徴ですが、逆に言うと水分が失われてしまうと一気に味が落ちてしまいます。
泥はごぼうの表面から水分が蒸発するのを防いでくれるので、泥つきのものがあればそれを選びましょう。
一方で、もし洗われて泥が落とされているものを買う場合は、表面の色ができるだけ白いものがおすすめ。
前述のとおり長期間貯蔵する通常のごぼうと違って新ごぼうは鮮度が重要ですが、新ごぼうの皮が白いのは収穫からあまり時間が経っていない証拠なのです。
太い・細いよりは「途中で変わらない」のが重要
野菜売り場には太いごぼうも細いごぼうも並んでいますが、太いか細いかで選ぶよりは、1本のごぼうの太さが途中であまり変わらないものを優先して選びましょう。
また、表面にひび割れなど裂け目がないもの、そしてもしカットされているなら断面に「ス」が入っていないものがおすすめです。
ひげ根は細くて本数が少ないものを
ごぼうは根菜類、つまり植物の根にあたる部分なので、本来は土の中に根をしっかり生やして地に根づく習性があります。
それを根づく前に収穫して私たちがいただくわけですが、収穫後に時間が経つと、だんだん「ひげ根」と呼ばれるこまかい根が生えてきて、太くなって本数も多くなっていきます。
こうなるともう、ひげ根を育てるために栄養が使われてしまうので、ごぼうの中身はスカスカになってしまうことも…。
そのため、ひげ根は細いほうがおすすめで、本数も少ないほうがおすすめです。
香りのよい新ごぼうを楽しもう
通常のごぼうはいかにも根菜類らしく、土らしい風味がしますが、新ごぼうはさわやかな香りが特徴。
さっとゆでてサラダやマヨネーズ和えにしてもおいしいですし、炊き込みご飯に入れると新ごぼう特有の香りを存分に味わえます。
春から初夏の短い間しか出回らない新ごぼう。
ぜひおいしいものを選んで今だけの「新物」を楽しんでください。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部