夏になるとなぜか、ピリリと香辛料のきいた中華が食べたくなる…そんな人も多いのでは。大人にも子どもにも人気の麻婆豆腐は、夏のスタミナ料理としてもぴったりですよね。
中華料理のなかでも身近なメニューである麻婆豆腐ですが、ふだんなんとなくやっている調理作業をちょっと見直すだけで、劇的においしくすることができます。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、おすすめの「ひと工夫」を教えてもらいます。

合わせ調味料には「合わせかた」があった!
麻婆豆腐のレシピは、材料の欄でただ調味料を羅列するだけでなく、コチュジャンや砂糖、醤油などを「合わせ調味料」として表記していることがほとんどだと思います。つまり、単純に調味料をフライパンに投入するのではなく、合わせてから入れるということです。
というのも、麻婆豆腐によく入れる、コチュジャンや豆板醤などの味噌系の調味料は水にとけにくいため、そのままでは醤油や料理酒といったほかの調味料となじまないし、ダマになってしまい全体にうまく混ざらないのです。そのため、「合わせ調味料」としてほかの調味料と混ぜ合わせてから使う必要があるのですが、その「合わせかた」にもコツが。
もともと水にとけにくく味噌系調味料にいきなり醤油などの液体を合わせようとしてもなかなかとけないので、最初に砂糖を合わせましょう。
味噌系の調味料と砂糖がしっかり混ぜ合わさってから液体の調味料を加えると、全体がよくなじんで、最終的な麻婆豆腐の仕上がりもグンとよくなりますよ。
さらにもう「ひと工夫」するなら…
ここまで、いつもの麻婆豆腐のおいしくするための「ひと工夫」を解説してきましたが、「そんなのもうすでにやってるよ」「意外と簡単すぎた…」という人は、さらなる「ひと工夫」を加えるのがおすすめ。
その方法は、麻婆豆腐に入れる豆腐を角切りにしたあと、使う前に塩水でゆでておくこと。だいたい水1Lに対して塩小さじ1/2くらいの塩水を鍋で沸騰させて、豆腐を2分ほどゆでます。ゆであがった豆腐はザルにあげて水を切ってから使いましょう。
これによって豆腐のなかの水分が出てきて、そのぶんあとで調味したときに味が入りやすくなるのです。ちょっと手間はかかりますが、仕上がりがワンランクアップするので試してみてください。
夏のスタミナ料理をワンランクアップ!
定番の人気中華ともいえる、麻婆豆腐。豚肉やニンニク、ネギなど、スタミナがほしい夏にぴったりな具材が入った麻婆豆腐は、夏の間に何度も食べる!という人も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介した「ひと工夫」を参考に、ぜひふだんの麻婆豆腐をワンランクアップさせて楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部