技術者洗浄エアコンフィルター

エアコンは素人がどこまで掃除していいのか?掃除のプロに聞いてみました!

2020/06/17

定期的なメンテナンスが欠かせないエアコン。しかし、家電であるエアコンの内部は、どこまで自分で掃除していいものなのか素人にはわかりません。がんばって自分で掃除した結果、故障してしまっては元も子もありません。そこで今回は、エアコン掃除を自分でやっていい境界について、ライターの増田剛己さんに調べてもらいました。

WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・...

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いきなり結論「エアコンの内部掃除はプロに任せるのがいちばん安全」

エアコン内部の掃除というとプロに頼むものだという人もいれば、自分でできるところまでやってみたいと思う人もいるでしょう。今回はハウスクリーニング業者のかたに、素人でもできるエアコンの掃除を教えてもらうことにしました……のですが、プロは開口いちばん、こう言いました。

「エアコンにはいろいろな種類があり、その掃除方法は多岐にわたります。フィルター掃除くらいならともかく、それ以上の掃除に関しては、ハッキリ言って素人は手を出さないほうがいいです」


……というわけで、いきなり結論が出てしまいましたが、それでは記事にならないので、それでもなんとかと無理をいって教えてもらいました。すると、素人とプロの境界線が見えてきました。

エアコン掃除の準備で忘れてはいけないこと

エアコン掃除で最初にやるべきは、高所での安全な作業ができる状態をつくることだそうです。プロであるクリーニング業者は脚立などを利用しますが、家庭では安定性のある椅子などを用意しましょう。またイスの下には必ず、新聞紙などを敷いてください。

そして絶対に忘れてはいけないのが作業前、必ず電源を切って電源コンセントを抜くことです。

【ここまでは自分でやってOK!】エアコンのフィルター掃除

準備ができたら、いよいよエアコン掃除の開始です。しかし、先のコメントで紹介したとおり、素人がやっても大丈夫なのはフィルター掃除まで。

「本体カバーを外すとフィルターがあります。これは取り外せるので、掃除機でほこりを吸い取ったりしてください。水洗いも可能です」

たしかにこれくらいなら、自分ですることは問題なさそうです。ただし気をつけなければいけない点も。「エアコンの電気系統は水に弱いです。水洗いしたフィルターはしっかり乾燥させるか、乾いたぞうきんできちんと水滴を取ってから取りつけてください」とのことです。

また最近のエアコンには、フィルター自動掃除機能が搭載されているものが少なくありません。そのような機種の場合は、フィルター掃除は不要なのでしょうか。

「自動掃除機能つきだから掃除はしなくていいと思っているかたもいますが、それは間違いです。ホコリやカビなどはどうしても残ってしまいますので最低限の掃除は必要です。また、当たりまえですが掃除した汚れはどこかへ消えるわけではありません。本体内のダストボックスに収容されているので、ちゃんと中身を捨てる必要があります」

自動掃除がついているから大丈夫、と放置しっぱなしのかたは、ぜひ一度フィルターとダストボックスのチェックをおすすめます。

……というわけで、素人が簡単にできるのはこのフィルター掃除くらいまでです。

しかし、エアコン内部の掃除はここから先が本丸であり、プロとの境界線でもあります。以下にご紹介する内容は、境界線ぎりぎりの「自分でもやれる方法」として教えてもらったもので、実践を推奨するものではありません。それを踏まえたうえで、お読みください。

【自分でできなくもないけど……】内部のカビ取り

エアコン掃除の本丸ともいえるのが、カビ取り作業。最近はテレビCMなどでプロのお掃除人が水を流して洗っているシーンを見かけることがあると思いますが、あれを素人がやるのは厳禁だそうです。

「プロは機種ごとに水をかけてはいけない場所がわかるので、そこをカバーして水を流しています。見よう見真似で手を出してはいけません」。

それでも、どうしても自分でカビ掃除をやりたい場合は、水で一気に掃除ではなく、ヘラなどの細い道具を柔らかいシートなど(たとえば市販のフローリングワイパー用の取り替えシート)で覆ったうえで、吹き出し口のひとつひとつに差し込んで、汚れを掻き出す、という方法があります。

シートに水をふくませるとよくカビが取れますが、この場合も乾いたぞうきんなどで拭き取って中に水分が残らないようにする必要があります。

しかしこの方法、筆者も実際にやってみましたがとにかく時間がかかってたいへん。正直、おすすめはできません。

まとめ

個人でもエアコンのカビをある程度は除去することができます。しかし、けっこうな労力が必要です。また、機種によって吹き出し口のサイズや形状がマチマチなので、自分で工夫をしながら道具を選ぶ必要があります。

こういった作業を自分でやるか、業者に任せるかはその人の判断となりますね。筆者は見ていて、こういう作業をするなら業者にまかせて、いっきにやってもらうのがいいかなと思いました。


◆監修・文/増田剛己さん
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。

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