本物の「葛粉(くずこ)」は万能薬⁉ニセモノとの見分け方や料理への取り入れ方とは?
2023/04/18
「葛粉(くずこ)が体を温める」というのは聞いたことがあるでしょうか?
主成分は片栗粉と同じくでんぷんなのですが、そのほかにも多くの効果的な成分を含むため、うれしい効果がたくさん秘められているのです。
今回は管理栄養士のゆかりさんに、葛粉に期待できる効果とおすすめの食べ方について教えてもらいました。
葛粉とは?
葛粉は、葛湯(くずゆ)として飲まれたり和菓子の材料として使われることが多く、葛餅(くずもち)や葛切り(くずきり)として食べたことがある人も多いのではないでしょうか。
でんぷんを多く含むため、水分を加えて加熱すると濃度によってもっちりとした食感になったり、とろみをつけてくれる食材です。一般的にはゴロゴロとした小さな塊をしていますが、商品によってはサラサラとした粉状になっていることもありますよ。
そんな葛粉には、「イソフラボン」や「サポニン」といったマメ科特有の成分も含まれています。
中国最古の薬物学書に薬効が記されていたり、江戸時代の日本でも漢方としてすでに用いられていたとされています。
現在は、かぜのひき始めに効果的として知られている葛根湯(かっこんとう)をはじめ、10種類以上の漢方薬に配合。体を温めること以外に、風邪の症状や解熱、鎮痛、消炎などで処方されているのです。
本物とニセモノの見分け方は?
そんな効果の幅広い葛粉ですが、でんぷんが蓄えられている葛の根を土から掘り出し、繊維状に粉砕してアク抜きや沈殿を繰り返し、さらに乾燥させるなどの手間ひまがかかる工程で製品化されています。
そのため、収量が少なく、ほかのでんぷん食材と比べると高価になっているのです。
少しでも値段を下げるために、商品によっては葛でんぷん以外にさつまいも由来の甘藷(かんしょ)でんぷんや、じゃがいも由来の馬鈴薯(ばれいしょ)でんぷんが加えられていることも。
葛粉の効果を期待するのであれば、100%葛粉でんぷんを選びたいところですね。
パッケージの原材料欄に「本葛」だけの表示があるものを探すようにしてみてください。
葛粉たっぷりのおすすめの取り入れ方は?
和菓子だけでなく、ゼリーやクッキーなどの洋菓子材料としても使われる葛粉。
片栗粉の代わりに揚げ物の衣に使ったり、ゆるやかなとろみを生かして、あんかけや葛煮といった料理に使うこともできるのです。
ちょっと今日は冷えるな、というときや風邪を悪化させたくないときには、たっぷりとれるあんかけ料理がおすすめ!
だしで具材を煮込み、やわらかくなったらだしの重さの10%ほどの葛粉を水に溶き、片栗粉を使うときのように回し入れてかき混ぜながらひと煮立ちさせるだけ。
筆者は、シーフードミックスと冷蔵庫にあったにんじん、小松菜を使って具だくさんのあんかけをつくって食べてみました。(だし100mlに対し、葛粉10g+水20ml使用)
すると、低温が続く日だったのですが、食べた前日よりも食べた日のほうが冷えを感じずにすごしやすいと感じましたよ。
ぜひ、気温が変化しやすい時期の体調管理として、葛粉を活用してみてはいかがでしょうか?
■執筆/ゆかり…保育園調理、セミナー講師、出張料理、料理教室、食育サイトの記事執筆など幅広く活躍中の管理栄養士で食生活アドバイザー。1児の母。
編集/サンキュ!編集部
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