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「冷蔵庫」が安く買える時期はいつ?買い時、選び方を家電の専門家が解説

2019/06/26

時期によって価格が大きく変動することもある生活家電。家計をやりくりする主婦としては、できればいちばん安いタイミングで買いたいものです。そこで、家電コーディネーターの戸井田園子さんに、家電の種類によって異なる、安く買える時期を解説してもらいます。

今回は「冷蔵庫」が安く買える時期についてです。

大容量なのにコンパクトな機種が続々――「冷蔵庫」のトレンドは?

近年の冷蔵庫のトレンドをひと言で表現すれば「大容量コンパクト」。

十数年前までは4人家族が利用する冷蔵庫は容量400L前後が一般的でしたが、ここ数年は、500~600Lという大容量のものが主流になっています。大容量化に伴い、鮮度維持性能も向上。とくに冷凍室やチルド室の機能向上に各社とも注力し、競い合っている状況です。

ちなみに大容量化が進んだ要因としては、飲料水のペットボトルや無添加食品の利用が増えたことに加えて、お米やペットフードなどを冷蔵保存する習慣が広まったことなどが考えられます。

容量が増えると当然本体のサイズも大きくなる……と思いきや、断熱材は性能が向上したことで薄くなり、コンプレッサーも技術の進歩で小型化。結果、同じ外形寸法でも容量は10年前と比べて100~150Lくらい大きくなっています。つまり、大容量なのにコンパクトな冷蔵庫が増えているというわけです。

「冷蔵庫」が安く買える時期はいつ?

家電セクションで大きな冷蔵庫を選択するお客様
Igor-Kardasov/gettyimages

冷蔵庫の新製品は、1メーカーにつき4~6種のグレード展開が一般的で、例年9月~11月にかけて発売されています。流れとしては最上位モデルが最初にリリースされ、順に下位モデルが登場。ひとり暮らしターゲットの小容量モデルに関しては、新生活に合わせて春に発売されることもありますが、ファミリーユースの大容量モデルは年内に新製品が出揃います。

もし、最新モデルを“なるべく早く”かつ“安く”買いたいのであれば、初期の価格からある程度落ち着く発売から半年後くらいがおすすめ。冷蔵庫の場合は3~4月が目安。このタイミングであれば、発売当初より20~30%くらいは安くなっている可能性が高いです。

一方で、冷蔵庫は1年に1度新製品が出るため、毎回フルモデルチェンジとは限らず、従来モデルに新機能を搭載したマイナーチェンジ版のケースも少なくありません。新機能が自分に必要ないと思うのであれば、前年度モデルを購入するのも賢い選択と言えます。

前年度モデルが“底値”になるのは、新製品が発売されるタイミング。つまり11月ごろになります。ボーナス商戦の時期でもあるので、年内に購入するのが得策でしょう。

「冷蔵庫」の買い替え時期はどう見極める?

修理工、主婦のキッチン
JackF/gettyimages

冷蔵庫は365日・24時間、稼働している家電です。だからこそ、失敗しない1台を選びたいところ。一方で、壊れて動かくなくなるまで使い続けてしまい、慌てて間に合わせで購入してしまう家電No.1でもあります。そんな状況を避けるためにも、買い替えタイミングの見極めは大切。


冷蔵庫が壊れる兆候が現れやすいのは、モーターに一番負荷がかかる「冷凍」関係の不具合です。例えば、アイスクリームの冷凍状態がゆるくなった気がする……製氷機の氷がくっついていることが増えた……など。これらは、冷凍の温度が安定しなくなっている証拠。また、モーターの作動音が大きく感じるようになるのも、兆候のひとつです。

冷蔵庫は冷やす家電なので、上記の兆候が出ていても冬の間はなんとか運転し続けてくれることも。しかし、春から初夏にかけて気温が上がり、初の夏日となったタイミングなどでモーターへの負荷が一気に増え、突然壊れるということが起きやすいです。

稼働しているからと安心してはいけません。上記の兆候を見逃さず、壊れる前に買い替えを検討するようにしましょう。

「冷蔵庫」を選ぶときのポイントは?

いよいよ買い替えとなったときは、以下のポイントを押さえて自分に合った「冷蔵庫」を見つけましょう。

「冷蔵庫」選びのポイント1:必要な容量を選ぶ

混乱女性オープン冷蔵庫の中を見ています。
AndreyPopov/gettyimages

冷蔵庫の容量は家族の人数によって異なります。まずは、以下の計算式で必要な容量を把握するようにしましょう。

<冷蔵庫の容量の計算式>
容量=(70L×家族の人数)+(常備品容量(120~170L)+予備スペース(100L)
※L=リットル
※出典:一般社団法人 日本電機工業会

なお、冒頭でも触れたように、いままで冷蔵庫に収納していなかった食品を入れるケースも増えているので、余裕をもって+100Lくらい大きめのものを選ぶのもおすすめ。また、家族構成の変化や、子どもの成長などで食糧の消費量が変化することもあるので、それらを念頭に検討することも忘れないようにしましょう。

「冷蔵庫」選びのポイント2:設置スペースなど「サイズ」を検討する

キッチンに冷蔵庫を配置する 2 つの引っ越し
AndreyPopov/gettyimages

容量の目安がついたら、次はサイズを確認しましょう。冷蔵庫は大型家電なので、設置できなかった、搬入できなかった、上の段に手が届かなかった…などの失敗が起きがち。購入の際には、事前に以下の確認を必ずしましょう。

チェック1:設置スペースの最大寸法(幅・奥行き・高さ)

冷蔵庫を設置したい場所に、ちゃんとその冷蔵庫が収まるかどうかを調べない人はまずいないと思います。しかし、放熱に必要な隙間の確保は忘れがち。商品カタログなどには放熱に必要な寸法が明記されていますので、その寸法を考慮して最大寸法を把握しましょう。

もし隙間のない状態で設置するとうまく放熱ができず、冷蔵庫が冷えにくくなるため電気代も無駄にかかってしまいます。また、冷蔵庫ではアース付きコンセントが必要。設置場所と合わせて、電源(コンセント)の位置(高さ)も調べておきましょう。

チェック2:使う人とのバランス

最上段の棚に手が届かない or よく使う部分が低すぎて取り出しにくいなど、主に使う人の身長とのバランス確認も忘れずに。意外とやりがちなのが、ヒールなど底が高い靴を履いた状態で商品確認をしてしまうこと。できる限り自宅と同じ状態で確認するようにしましょう。

チェック3:搬入経路の確認

冷蔵庫は、大きな角柱のように幅・奥行き・高さともに大きいため「横にしても斜めにしても通らない!」ということが起こりがち。玄関、廊下の曲がり角、対面キッチンの入り口など、通過できるか否か良く確認を。量販店では下見サービスもありますので、活用して失敗のないように!

「冷蔵庫」選びのポイント3:扉の開き勝手

主婦のお客様には、お料理
liza5450/gettyimages

冷蔵庫を置く場所によって、使いやすい扉の開き勝手は変わります。設置場所の片方が壁の場合、壁が左にある場合は「右開き=左吊り元」、壁が右にある場合は「左開き=右吊り元」を選びましょう。

キッチン・リビングの両方から使いやすくするためには、どちらからでも開く「左右両開き」や、2枚扉の「両開き(フレンチドア)」が便利。フレンチドアは扉の出が小さいため、狭いキッチンにもおすすめです。左右両開きは引越しが多いご家庭に便利。

「冷蔵庫」選びのポイント4:必要な機能を見極める

食生活を支える冷蔵庫は、生活パターンによって必要となる機能が異なります。ご自身の買い物パターンを冷静に分析し、整理するようにしましょう。冷蔵庫にはいつもどのくらいの食品が入っているか?その量と滞留期間なども含め、各部屋(冷蔵室・野菜室・冷凍室・チルド室)に、必要な量や機能を絞り込んでください。例えば、以下のようにチェック項目化してみるのもおすすめです。


□食材のまとめ買いをする?
□冷蔵庫に入れる食材はどれくらい?
□家族の食事時間はズレがち?
□魚や肉など生鮮食品は凍らせずに使いたい?
□ホームフリージングは良くする?
□冷凍食品は良く使う?
□野菜はまとめ買い?
□大きな鍋やケーキの箱をそのまま入れたい?
□氷にはこだわりがある?

「冷蔵庫」選びのポイント5:デザインを選ぶ

扉がガラストップコートされたものや、家具のようなルックスのものなど、リビングやダイニングから見えても違和感なくインテリアに馴染むデザイン性が高い冷蔵庫も増えています。価格帯によって扉の仕様やカラーバリエーションも違うので、自宅のインテリアイメージに合うものを探すのも楽しみましょう。

メーカー別「冷蔵庫」の特徴

最後に、主要メーカーの「冷蔵庫」の特徴(2019年6月時点)も紹介。商品選びや販売店へ行く際の参考にしてください。なお、各社の冷蔵庫画像は現時点での最新モデルとなります。必ずしも、文章で紹介している内容と一致するものではございません。

三菱電機「冷蔵庫」の特徴

三菱 700L 6ドア冷蔵庫(クリスタルホワイト)MITSUBISHI WXシリーズ MR-WX70E-W

「置ける スマート大容量」シリーズで、幅685mmという最も一般的な寸法で、初めて600L台を達成したメーカー。「切れちゃう瞬冷凍」で、主婦からの支持が高いです。温度帯を「チルド(1~2℃)」、「氷点下(-3℃~0℃)」、「瞬冷凍(-7℃)」、「冷凍(-18℃以下)」と細かく設定できるので、保存期間に応じて使い分けられるのも特徴。整理整頓が得意な人に向いています。

パナソニック「冷蔵庫」の特徴

パナソニック 冷蔵庫 6ドア 650L パーシャル搭載 オニキスミラー(ミラー加工) NR-F655WPX-X

「おいしい7days」というキャッチコピーで食生活を応援するパナソニック。最上位モデルはコンプレッサーが高い位置にあるトップユニット方式で、最上段が浅く、下の引き出しゾーンが奥までしっかり使える構造は、使いやすいと評価が高いです。とくに、全部奥まで全開できる引き出し部分は、店頭で見ると圧倒的な収納量で人気。最新モデルでは、業務用レベルの急速冷凍で、おいしく冷凍できる新機能も搭載。さまざまなニーズに応えてくれる、オールマイティタイプです。

日立「冷蔵庫」の特徴

日立 735L 6ドア冷蔵庫(クリスタルミラー)HITACHI WXシリーズ R-WX74K-X

チルド室を真空にして長期鮮度維持をする「真空チルド」が有名。2019年度モデルでは、中央引き出し部分を「冷凍室・野菜室・冷蔵室」どの温度帯にも設定でき、生活スタイルに合わせて冷蔵庫のレイアウトが変えられる新提案「ぴったりセレクト」を発売し話題に。ネットにつながるIoT仕様も発売され、次世代へ向けて進化中です。

シャープ「冷蔵庫」の特徴

シャープ SHARP 冷蔵庫 プラズマクラスター(幅68.5cm) 551L ガラスドア/電動フレンチドア(観音開き) メガフリーザー 6ドア グラデーションレッド SJ-GA55E-R

いち早くネットと連携するIoT化に取り組んだメーカー。スマホと連携した食材の管理、オーブンレンジや調理鍋と連携したレシピ提案、こんだて相談など、家電がつながるコネクト化に積極的です。冷凍室の容量が大きい「メガフリーザー」も特徴のひとつ。500L台で600Lクラスの冷凍室を搭載し、お弁当世代に高い支持を得ています。左右どちらからも開く「どっちもドア」もシャープの十八番。ユニークさと先進性を楽しみたい人向きです。

東芝「冷蔵庫」の特徴

東芝 601L 6ドア冷蔵庫(クリアミラー)TOSHIBA GR-R600FZ-XK

野菜を下処理なく冷凍できる機能や野菜室を真ん中にレイアウトしているなど、名前の通り、野菜の保存に力を入れている「VEGETA」シリーズに注目。上下2つの冷却機で、プラスとマイナスそれぞれに適した温度帯で冷やすことで、水分を含んだ「うるおい冷気」で、全室最適な温度と湿度にコントロールできる。

AQUA(アクア)「冷蔵庫」の特徴

アクア 512L 4ドア冷蔵庫(ダークウッドブラウン)AQUA TZシリーズ AQR-TZ51H-T

元サンヨーの冷蔵庫「AQUA」を、Haier(ハイアール)が引き受け、AQUAブランドとして発売しています。400~250Lくらいの中型冷蔵庫が中心。無印良品のアドバイザリーボードとして知られる深澤直人氏がデザインした、家具のような冷蔵庫で一躍話題になりました。基本性能をしっかり備えつつ、価格も手頃。1~2人暮らしに向く製品が多いです。庫内全体を「冷蔵・チルド・冷凍」いずれにも設定できる、家具のような冷蔵庫「クールキャビネット」といった目を引く新提案も。

Haier(ハイアール)「冷蔵庫」の特徴

ハイアール 468L 4ドア冷蔵庫 ホワイト JR-NF468A-W

日本では低価格な1人暮らし向け家電の印象が強いメーカーですが、じつは中国の最大手家電メーカーで世界一の冷蔵庫シェアを誇ります。シンプルなデザインの2ドアタイプや、ステンレス扉のシリーズ、単体の冷凍庫など、海外メーカーらいしい展開が特徴。

LG(エルジー)「冷蔵庫」の特徴

LG SIGNATURE InstaView Door-in-Door 冷蔵庫

SAMSUNG(サムスン)と肩を並べる、韓国屈指の総合家電メーカー。今年、80万超えの冷蔵庫で日本に参入したことで話題になりました。ドアをノックすると扉が透明になるなど、斬新な機能が印象的。韓国は日本とは比べものにならないほどIoTが進んでいるので、今後は日本でも頭角を表すこと間違いなし。

◆監修・執筆/戸井田 園子
性能・コスト・デザインなどを総合的に判断し、製品選びに役立つ情報を発信する家電コーディネーター。総合情報サイトAll Aboutの家電ガイドを始め、雑誌、テレビ、ラジオなど数多くのメディアで活躍中。

 
 

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