【管理栄養士監修】「ぶどう」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/08
夏から秋にかけて旬を迎えるぶどう。ぶどうの味やかたちは知っていても、どんな栄養や種類があるのかは知らない、という人は多いのではないでしょうか。この記事では、知っているようで知らない奥深いぶどうの世界をアレンジレシピも交えてご紹介します。
ぶどうの種類
ぶどうは黄緑系、赤系、黒系と大きく3種類に分かれていますが、それぞれにポリフェノールやビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれ、老化予防や美肌効果が期待されています。
また、世界で1万品種以上の品種が存在するといわれています。日本でも60種類以上が栽培されていて、基本的に夏から秋が旬のフルーツとなっています。
ぶどうのカロリーと栄養素
ぶどうは、ポリフェノールやビタミン、ミネラル、食物繊維、糖質などの栄養を含んでいます。
また、ぶどうのカロリーは、生食用は59キロカロリー、干しぶどうは300キロカロリーです。とくに、干しぶどうはエネルギーの素になる糖質が多いため、カロリーは高いといえるでしょう。そのため、食べすぎには気をつけましょう。
ぶどうの栄養素
・ポリフェノール
・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
・糖質(炭水化物)
ぶどうの栄養素1:ポリフェノール
ポリフェノールは植物由来の化合物で、抗酸化作用を持つ成分です。黒や赤いブドウの果皮に多く含まれているアントシアニンは、ポリフェノールの一種です。目の疲労回復、動脈硬化の予防などに効果があると期待されています。
また、黒や赤い果皮ごとぶどうを加工した赤ワインにはレスベラトロールというポリフェノールが多く含まれ、アンチエイジングや肥満予防、肌の調子を整えるなどの効果があると期待されています。
ぶどうの栄養素2:ビタミン
ぶどうには、たんぱく質・脂質・糖質からエネルギーをつくり出し、皮膚や粘膜の健康維持にも役立つビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などが含まれています。
これらビタミン類は人の健康を維持する大切な栄養素で、人体で生成することができないため、積極的に摂取する必要があるでしょう。
ぶどうの栄養素3:ミネラル
酸素、炭素、水素、窒素以外の体を構成する元素で、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛等をミネラルと呼びます。少ない量で体の機能を維持・調整といった大切な働きをします。
ぶどうのミネラルのなかでいちばん多く含まれているのはカリウムです。カリウムは、細胞内の水分や塩分濃度を調整し、余分なナトリウムを排出することで高血圧やむくみを予防します。ミネラルは体の恒常性を保つために、必要な栄養素といえるでしょう。
ぶどうの栄養素4:食物繊維
食物繊維は、人の消化酵素で消化できない物質です。水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性があり、水溶性はコレステロールや血糖値のコントロールを、不溶性は腸内環境を整えることで知られています。
かつては単なる「食べ物のカス」と思われていましたが、今は「第六の栄養素」といわれることもあるほど重要視されています。
ぶどうの栄養素5:糖質(炭水化物)
人間が体内で利用可能な食品由来のエネルギーをカロリーといいます。糖質は、そのエネルギーをつくる三大栄養素の1つで、食物繊維と合わせて炭水化物と呼ばれています。
糖質には、でんぷんやショ糖などの種類がありますが、そのなかでも、ぶどうにはエネルギーに変わりやすいブドウ糖と果糖が含まれています。
ぶどうはダイエットに効果がある?
ぶどうは甘味があって糖質を含むことから、太りやすいイメージを持っている人もいます。ですが、ぶどうに含まれているブドウ糖は、脳のエネルギーとして必要であり、体を動かすためにも使われています。必要以上にブドウ糖をとってしまうと、高くなった血糖値を下げるためにインスリンが分泌されて中性脂肪へ変換し、肥満につながるといわれています。
しかし、果糖は直接的に血糖値を上げることはなく、即効性のあるエネルギーとして利用されやすいので、食べすぎに気をつければ問題ありません。ぶどうのポリフェノールやビタミンなどを取り入れることは健康に役立つので、適度な量を楽しむようにしましょう。
ぶどうを使ったおすすめのレシピ
ここからは、ぶどうを使ったおすすめのレシピを紹介していきます。ぶどうの栄養素をおいしく食べて摂取し、元気な毎日にしましょう。
どのレシピも、簡単につくることができるので、いつものおやつにぜひ、取り入れてみましょう。
ぶどうのおすすめレシピ1:ブドウのグラニテ
グラニテとは、フランスの氷菓で果汁などを凍らせたのちシャーベット状に砕いたもので、ぶどうの果肉と、皮の色を使ったグラニテは、まるで砕いた色ガラスと、丸いビー玉のようです。
白ワインを使いますが、アルコールを熱で飛ばしてしまうため、お酒が苦手な人にも楽しんでもらえるでしょう。
ぶどうのおすすめレシピ2:ブドウの贅沢フルーツティー
ぶどうを食べ飽きたとき、または中途半端に余ってしまったときなど、ぶどうの果汁を利用したフルーツティーをつくってみてはいかがでしょうか。紅茶にビタミンなどがプラスされて、栄養たっぷりの飲み物に早変わりします。
ひと手間かけていつもとは違うティータイムを楽しめるでしょう。
ぶどうのおすすめレシピ3:ブドウ大福
ぶどうで和のスイーツもつくれます。 ぶどうとあんことお餅でくるっと包めばでき上がりです。電子レンジで簡単につくれるのでお子さまと挑戦してみてはいかがですか。
ぶどうをおいしく食べよう!
ぶどうは、世界で1万品種、日本でも60種類以上が栽培され、とても品種の多いフルーツだといわれています。また、ぶどうは生食用だけでなく、干しぶどうやワイン、ジュースなどの加工品も多く、栄養もあり気軽に楽しむことができるフルーツです。
いろいろな食べ方を見つけて、おいしくぶどうをいただきましょう。
監修者ミニコラム:ぶどうのおいしさを長持ちさせるポイントとは?
ぶどうは追熟しない果物。買ったら早く食べるのがいちばんですが、食べきれない場合、正しく保存することで長持ちさせられます。
●冷蔵
小房のものはそのまま、大粒ぶどうは主軸から枝付きのまま1粒ずつ切り離し、密閉容器やジッパーつき保存袋へ。野菜室で5日を目安に食べましょう。食べる20~30分前に常温に移し、食べる直前に水洗いを!
●冷凍
枝は外し、サッと水洗い後に包むように優しく水気を取り、密封容器などへ。冷凍で1カ月まで。皮が剥きやすくなりますが、皮と実の間に栄養や甘味がいちばんあるので、好みの解凍状態でそのまま食べるべし!
ただし、マスカットなどの香りが強いものは、長期間冷やすと香りや味が落ちてしまうので、ご注意くださいね。