【管理栄養士監修】「長芋」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/07/30
長芋は食物繊維を含み、ほかのイモ類に比べてカロリーも低いため、ダイエットに適した食材です。とろろで食べられるのが多い長芋ですが、煮ても生でもさまざまなおいしい食べ方があります。この記事では、長芋に含まれている栄養素やおすすめレシピを紹介します。
長芋の種類と栄養
長芋は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性の多年草で、長芋、つくね芋、いちょう芋などの品種があります。
主に東日本で栽培・収穫され国内でも消費されますが、台湾やアメリカなどに輸出される農産物でもあります。長芋は、長く伸びる根茎をすりおろしたり、こまかく刻んで食されます。
同じく粘りのあるイモの山芋(自然薯)と似ているものの、カロリーや水分、糖質など、含まれる栄養素の含有量が異なります。
長芋のカロリーと栄養素
長芋のエネルギーは65kcal/100gです。
また、長芋の主な栄養素は、水分・たんぱく質・炭水化物と、わずかな栄養素として、脂質・ミネラル・ビタミン類・食物繊維などで構成されています。
ここでは、それらの栄養素の含有量や効能などの詳細を見ていきましょう。
長芋の栄養素
・たんぱく質
・ジアスターゼ
・カリウム
・食物繊維
・ナイアシン
長芋の栄養素1:たんぱく質
長芋の主要な栄養素の一つであるたんぱく質は、2.2g/100g含まれています。たんぱく質は、人体の水分を除いた重量の2分の1以上を占めます。
また、体組織や酵素・ホルモンなどの元となるほか、栄養素を運搬したり、エネルギー源としても重要な三大栄養素の一つです。
長芋の栄養素2:ジアスターゼ
長芋の主成分はデンプンですが、デンプンの分解酵素であるジアスターゼを含むため、生で食べることができます。
ジアスターゼには胃もたれを防ぐ効果があります。加熱すると効力を失ってしまうので、サラダやすりおろして生で食べることをおすすめします。
長芋の栄養素3:カリウム
長芋には、カリウムも430mg/100g含まれています。
カリウムは、細胞内の浸透圧の維持や細胞活性の維持などを担っています。食塩を過剰に摂取したり老化によってカリウムが失われると、細胞の活性が低下することが知られています。
つまり、カリウムなどの無機質も重要な栄養素の一つと言えるでしょう。
長芋の栄養素4:食物繊維
長芋には、水溶性の食物繊維が0.2g/100g、不溶性の食物繊維が0.8g/100g含まれています。
食物繊維は、消化管の機能や腸の蠕動運動を促進したり、栄養素の吸収を緩やかにしたりするなどの生理作用が知られています。
長芋の栄養素5:ナイアシン
長芋の栄養素の一つであるナイアシンは、0.4mg/100g入っています。
ナイアシンは、ニコチン酸、ニコチン酸アミドの総称で、体内で酸化還元酵素の補酵素の構成成分として働き、たんぱく質・脂質・炭水化物をエネルギーに変えるのに不可欠です。
生体中に最も多量に存在するビタミンであり、欠乏すると皮膚炎や下痢、精神神経障害などを引き起こすと言われています。
長芋はダイエットに効果がある?
長芋は、ほかのイモ類に比べて低カロリーであり、長芋のネバネバの元である食物繊維が腸内環境を整えて便秘を解消する効果があると言われているため、ダイエット効果が期待できる食材です。
しかし、長芋をとろろにしてご飯といっしょに食べる際は、とろみがついて食が進みやすくなるため食べすぎには気をつけましょう。
長芋を使ったおすすめのレシピ
長芋はすりおろし、とろろとして食べられるのが一般的ですが、じつはさまざまな食べ方があります。
シャキシャキとした食感を活かした生で食べるレシピや、煮てほっこりとした食感を楽しむ食べ方など、自分の好みに応じていろいろと試してみましょう。
また、別の食材を加えて長芋に足りない栄養素を補完するのもよいでしょう。
長芋のおすすめレシピ1:長芋の豚肉巻き焦がし醤油
塩こしょうと仕上げに焦がし醤油で味つけした、シンプルな長芋の豚肉巻きのレシピです。
香ばしい風味が食欲をそそり、濃いめにつくって、おつまみにするのもおすすめです。小口切りにした薬味ねぎを散らすと彩がきれいになります。
長芋のおすすめレシピ2:長芋のみそ汁
皮をむいて半月切りにした長芋を具にした味噌汁のレシピです。
長芋のほかに、油揚げや小口切りにした薬味ねぎを入れると、さらに風味が豊かになります。じっくり火を通した長芋は、ほっこりとした食感で、みそ汁の具にもおすすめです。
出汁はかつおだしでも昆布だしでも、お好みに応じて選んでください。
長芋のおすすめレシピ3:長芋の梅和え
皮をむいて千切りにした長芋に、たたいた梅干しとそうめんつゆを使って味つけした一品です。
長芋のシャキシャキとした食感を楽しむことができ、大葉やかつお節などをまぶしてもよいでしょう。梅味であっさりとしており、とくに夏場の「あと一品ほしい」というときにぴったりのレシピです。
長芋をおいしく食べよう!
長芋は、食物繊維やビタミンなどの栄養素が含まれ、比較的カロリーも低く、食べ方に気をつければダイエット効果が期待できます。
また、食べ方もとろろだけでなく、火を入れたり味を変えたりするなど、工夫次第でおいしく食することができるレシピも多くあるので、ぜひ日々の食事に活用していきましょう。
監修者ミニコラム:長芋の芽にも栄養たっぷり!「むかご」の美味しいヒミツ
秋になると、スーパーマーケットや居酒屋などで見かける「むかご」。ごはんに混ぜて炊いたものや、シンプルに塩ゆでしたものを食べるのを楽しみにしている人もいるのでは?
そんな「むかご」は、長芋などの仲間のイモ類が伸びた葉のつけ根に丸く生えてきます。芽という呼び名にはなっていますが、種イモとして植えつけることもでき、なんと長芋そのものよりも栄養価が高いのだとか!
炭水化物の消化を促す酵素、不足しがちな鉄分やマグネシウムといったミネラルなど、小さな中にたくさん含んでいるのです。
加熱によって皮が柔らかくなるので、下処理いらず&丸ごと食べられるのもうれしいポイント。
秋限定の味覚として、ぜひ、見かけたら食べてみてくださいね!