【管理栄養士監修】「わかめ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/07/31
海藻類は、低カロリーで栄養が豊富な健康食品です。なかでも、わかめには多くの栄養素が含まれています。また、味や臭いもそれほど強くなく料理しやすい素材です。お味噌汁やサラダにしたり、毎日いろいろな料理を楽しめます。わかめを、おいしく食べて健康的になりましょう。
わかめの種類と栄養
わかめは加工方法や部位によって呼び方が異なります。春になると新わかめが出回り、湯通しされたものですが「生わかめ」として食べられます。ほかには、湯通し後に塩蔵した「塩わかめ」、塩わかめを塩抜きして乾燥させた「乾燥わかめ」などがあります。
部位の違いでは「めかぶ」や「茎わかめ」などがあります。わかめなどの海藻類には、ミネラル分やカリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
わかめの成分は、加工の違いよって栄養素や部位によって差があります。ここからはわかめの栄養素をご紹介します。
わかめのカロリーと栄養素
わかめのカロリーは、加工方法によって異なります。生わかめは100gで16kcal、乾燥わかめは100gで117kcal、湯通しされた塩蔵わかめは100gで11kcalです。
乾燥されたわかめは水に戻す前の状態なので、100gの乾燥ワカメを水に戻すと約12倍に増えるとされています。わかめは、低カロリーで栄養素が豊富な素材です。
わかめの栄養素
・ヨウ素
・アルギン酸
・カルシウム
・フコイダン
・カリウム
わかめの栄養素1:ヨウ素
わかめには、ヨウ素が含まれています。ヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成成分として重要な役割を担っており、たんぱく質の合成や酵素反応を中心に、細胞の活動、末梢組織の成長、神経細胞の発達、エネルギー代謝に関係し、発育に欠かせないホルモンです 。
ヨウ素が不足すると、甲状腺に異常をきたす可能性がありますが、健康な人はヨウ素の摂取量が多少増えても、排泄により調節することができます。しかし、長期的な過剰摂取により、過剰症が起こることがあるため、注意が必要です。
わかめの栄養素2:アルギン酸
わかめの栄養素2つ目は、わかめのねばり成分の一つである、水溶性食物繊維のアルギン酸です。
アルギン酸は、水に溶ける性質の食物繊維です。わかめに含まれるアルギン酸は、通常はカリウムと結合した状態で存在していますが、胃の中に入るとアルギン酸とカリウムに分解されます。
アルギン酸は高血圧の原因となるナトリウムと結びついて排出され、カリウムといっしょに血圧を安定させます。ほかにも、アルギン酸には余分なコレステロールを吸着して排出する働きもあります。
わかめの栄養素3:カルシウム
わかめの栄養素3つ目は、骨や歯の形成に必要なミネラル成分カルシウムです。生わかめ100gあたりに100mg含まれています。
カルシウムは、骨や歯の構成成分となり、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。ビタミンDには、カルシウムの吸収を効率よくする働きがあります。
わかめといっしょに、ビタミンDを多く含むきのこや魚を食べるようにしましょう。
わかめの栄養素4:フコイダン
わかめの栄養素4つ目は、ネバネバ成分の一つで水溶性食物繊維のフコイダンです。フコイダンには、免疫力の向上や生活習慣病の改善の効果があります。
免疫細胞を活性化させ、胃の調子を整えたり、アレルギーの緩和作用などがあることから、わかめなどのねばりのある海藻は体によいと言われています。
わかめの栄養素5:カリウム
わかめの栄養素5つ目は、ミネラル一種カリウムです。ワカメの栄養素として、カリウムが多く含まれています。カリウムは、体内に水分を保持するために必要な栄養素です。
また、神経刺激の伝達や、心臓と筋肉の機能を調節する働きがあります。ほかにも、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿への排出を促す役目もあります。
わかめはダイエットに効果がある?
わかめの栄養素には、わかめの色素成分であるフコキサンチンが含まれています。
フコキサンチンは、脂肪を燃やして燃焼させる効果があるとされていて、ダイエットの強い味方になってくれます。
わかめはヘルシーな食材で、生わかめ100gあたりに糖質は2.0gしか含まれていないので、ダイエット中でも気にせず取り入れることができます。
わかめを使ったおすすめのレシピ
わかめのレシピの中には、定番の物から、変わったアレンジを加えたレシピまでさまざまな食べ方があります。
とくに、生わかめが出回る季節にはわかめ料理にチャレンジしてみると、食卓のバリエーションが広がるでしょう。
わかめのおすすめレシピ1:若竹煮(たけのことわかめの煮物)
若竹煮は、筍やわかめの新物が出回りおいしく食べられる春につくるのがおすすめです。
今回、ご紹介する若竹煮は、だしの香りが際立つ風味豊かな煮物に仕上がります。お店では、あく抜きしてある筍も販売されています。そのため、手間をかけなくても筍を調理することができます。
わかめと筍の相性がよい、若竹煮はご飯のお供に適したおかずです。
わかめのおすすめレシピ2:ワカメのきんぴら
わかめの料理として、きんぴらはあまり聞き慣れないかもしれません。わかめのきんぴらは、ゴマ油の香ばしい香りとネギの甘さがよく合う一品です。
わかめのきんぴらは、とても簡単につくることができます。ゴマ油と白ごまの香り、そして最後に少しだけかつお節を入れるのがミソです。
わかめのおすすめレシピ3:もやしとわかめのナムル
もやしとわかめのナムルは、韓国料理では定番のおかずです。ナムルは、色々な野菜でつくることができるので便利な常備菜です。
もやしとわかめのナムルはポピュラーな韓国の家庭料理の一つです。韓国の家庭では、いつでも食べられるように冷蔵庫にストックされています。もやしとわかめのナムルは、冷蔵保存で4日ほど日持ちします。
わかめをおいしく食べよう!
わかめは低カロリーで多くの栄養素を持っている海藻です。わかめを摂取することで健康や美容を維持する効果が期待できます。
わかめはあまり素材に濃い味がなく料理もしやすい素材です。ちょっと工夫するだけでわかめをおいしく食べることができます。ぜひ、わかめを食べる習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:「若布」=若返りの妙薬が由来!?太古から珍重されてきた【わかめ】の栄養キープ法
なじみ深い食材のわかめですが、じつは縄文時代の遺跡からも見つかっており、古事記や日本書紀にもたびたび登場するなど、昔から食用とされてきた歴史があります。
漢字で「若布」とも表記するのですが、その由来は、わかめに含まれている数々の栄養素によって、若返りの妙薬として珍重されていたからだとか。
アルギン酸やフコイダンといった食物繊維の健康効果はもちろん、ヨウ素による新陳代謝の促進、フコキサンチンによる脂肪燃焼効果など、これほどたくさんの栄養を含みながらも、ほぼカロリーを含んでいないという点が、魅力的なわかめ。
水に戻し過ぎたり、加熱し過ぎることで栄養素が失われやすくなるので、ぬめりが出る前に手早く調理してくださいね!