じつは、トマトは冷蔵庫に入れない方がいい!?保存方法を覚えておきたい野菜3選
2020/05/15
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかりです。料理を作ることはもちろん好きですが、それ以上に食べることが大好き!
特売があると、ついつい買い込んでしまい、食べきる前に野菜をダメにしてしまったという経験はありませんか?じつはそれ、「野菜の保存方法」が間違っていたからかも⁉
この記事では、保存方法を間違えやすい野菜と、それらを長持ちさせる方法をご紹介します。
冷蔵庫に向かない野菜1:夏野菜
冷やしすぎることで腐敗・変質を早めてしまうことを「低温障害」といいます。
基本的には、食品の保存に冷蔵が向いていると考えられていますが、野菜の生育環境などによっては、常温保存が向いているものがあるのです。
その代表的なものが、【夏野菜】。
とくに、低温が苦手とされているのが、トマト/ピーマン/なす/きゅうり。
これらの野菜は、気温の高くなる夏にたくさん収穫されることから、冷たい環境がNG。低温障害によって、表面がくぼんだり、腐敗のスピードが早まってしまうのです。また、低温障害とまではならなくても、常温保存に比べて水っぽくなってしまったり、風味が落ちやすいため、保存方法と保存期間には注意が必要です。
正しい保存方法は、新聞紙に包んで直射日光の当たらない涼しい場所に置いておくこと。
新聞紙を使うことで、適度に乾燥を防ぎ、急激な温度変化を和らげてくれるのです。そして、とくに夏場の室温は高くなりやすいため、風通しがよい場所 or ひんやりとした空気の溜まりやすい低い位置が、保存場所として理想です。
決して、高温になりやすい窓際やコンロのそばなどには置かないようにしましょう。
「低温が苦手=高温が得意」、という訳ではないからです。暑すぎる場合も、腐敗を早めるので気をつけてくださいね。
なお、トマトについては、完熟しきっていない青みの部分がある場合は、ヘタが下になるようにして常温に置いておくと、追熟されて赤いトマトへと変わります。ですが、完熟したまま常温に置いておくと、過熟によって腐敗しやすくなるため、それ以降は冷蔵庫へ移して早めに食べることをおすすめします。
冷蔵庫に向かない野菜2:根菜
次に、低温障害を起こしやすい野菜は、【根菜】です。
とくに、さつまいも/さといも/じゃがいも/ごぼう/しょうが、などがあります。
これらが根菜と呼ばれるのは、土の中に埋まっている部分を食す野菜たちで、泥つきの鮮度を保った状態で売られていることもあります。その場合、決して洗い流して保存しないようにしましょう。衛生面を考えると、きれいな状態で保存したい気持ちはわかりますが、すぐに使わないのに泥を落としてしまうと、食材の風味などが失われやすくなるのです。
しかも、洗った瞬間から鮮度が急激に落ちやすくなってしまうため、泥つきのまま新聞紙に包んで常温に置くのが正解です。
新聞紙で包むことによって、乾燥を防ぐことはもちろん、光を遮ることで鮮度も保ちやすくなります。とくに、じゃがいもは日に当たることで発芽しやすくなり、毒素となるソラニンが生成されるなど食用に向かなくなるので、冷暗所に置くようにしましょう。
(ソラニンとは、緑色に変色した部分に含まれますが、取り除いて食べれば問題ありません。ただし、発芽で栄養が使われてしまうため、味は落ちてしまいます。)
正しく保存すれば、1カ月以上おいしさをキープすることも可能なので、ぜひ活用してみてくださいね。
冷蔵庫に向かない野菜3:玉ねぎ
意外かもしれませんが、玉ねぎは常温保存が◎。
(ただし、「新玉ねぎ」は冷蔵!)
どこのご家庭でも常備している野菜かと思いますが、冷蔵庫での保存は向かないのです。その理由は、湿度に弱いから。
とくに、野菜の保存用に湿度を高めに設定している野菜室では、そのまま保存していると根が生えてきたり、腐敗しやすくなるのです。理想としては、農家さんの納屋などの軒先に吊るされている状態です。
玉ねぎの上の方の細長くなった茎部分を紐でくくって、乾燥した状態を保って風通しのよい日陰に置いておくことで、2カ月ほど状態を保つことができるのです。
そうはいっても、どこのご家庭でも真似できるわけではありませんので、ネットなどに詰めて吊るして置くといいでしょう。それも難しいという場合には、1つずつ新聞紙で包んで、カゴや段ボールなどに入れて風通しのよいところを選ぶのがおすすめです。
売り場の環境を参考にすると◎
ご紹介してきた冷蔵庫に向かない野菜たち。
いつも、どのようにお店で売られているかを思い出してみてください。
●冷蔵コーナーに並べられている葉物野菜 → 基本的には冷蔵保存。
●常温で売り場に並べられている【夏野菜】【根菜】【玉ねぎ】 → 常温保存。
このようにしておくと、区別しやすいのではないでしょうか。
(お店によっては、このような区別していない場合もありますので、ご注意ください。)
どれも、冷蔵保存が絶対にできないわけではありませんので、室温が高くなりすぎる夏場などは、新聞紙に包んでからビニール袋などで密閉して冷蔵保存しておくといいでしょう。
それ以外の場合は、できるだけ収穫したままの鮮度やおいしさを保つためにも、ご紹介した正しい保存方法を取り入れるようにしてみてくださいね。ただし、使いかけのものは、そのままの野菜とは状態が変わってしまいますので、ラップなどで切り口を密閉し、冷蔵保存で早めに使い切ることをおすすめします。
★この記事を書いたのは・・・
管理栄養士&食生活アドバイザーのゆかり
4歳女の子のママ。保育園調理、セミナー講師、出張料理、料理教室、食育サイトの記事執筆などで活躍中。
食べること、料理することが好きなワーカーホリックです。