【管理栄養士監修】「おでん」は太りやすい?気になるカロリーと炭水化物量まとめ
2021/11/07
この記事では「おでん」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい調理法や、食べ方などについてもご紹介します。
なお、文中のカロリー値は文末に載せた参考データを元にしています(一部、参考データを元に独自計算をしている場合もあります)。あったかおでんを楽しみましょう。
おでんを食べると太りやすい?
おでんは、寒い時季に食べて体を温めてくれるだけでなく、夏の終わりころからコンビニでも見かけるようになってきた身近な料理です。
おでんは一見あっさりしていて太りにくそうに見えますが、なかにはカロリーや糖質量の高い具材もあります。ダイエット中は我慢しなくてはいけないのか、くわしく見ていきましょう。
おでん1食あたりのカロリー
おでんの具材は、大根やこんにゃく、さまざまな種類の練り物などが入っています。さつま揚げやちくわ、ゆで卵など一般的な具材を10種類ほど使ったおでん1食分(754.7g)のカロリーは634kcalです。
厚生労働省の発表した日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、30~40代の女性の推定エネルギー必要量(kcal/日)は2,050kcalとされています(身体活動レベルⅡの場合)。1日3食とすると1食あたりの摂取目安は650~700kcal程度の計算になるため、食事とするならばちょうどよいカロリーといえるでしょう。
ですがおでんの具は人によって好みが違います。続いては代表的なおでんの具のカロリーを比較していきましょう。
野菜のカロリー
おでんの代表的な野菜の具材といえば、大根があげられます。おでん1人前に使われる大根(90g)のカロリーは、17kcalです。とても低カロリーな具材といえます。
純粋な野菜ではありませんが、ロールキャベツもおでんに使われることがあります。ロールキャベツ1個(177g)のカロリーは166kcalです。おでんに使われるロールキャベツはもう少し小ぶりなものかもしれませんが、ひき肉が入っているため具材としては高カロリーといえるでしょう。
●大根(90g):17kcal
●ロールキャベツ(177g):166kcal
練り物のカロリー
次に練り物のカロリーを見てみましょう。
●はんぺん(60g):56kcal
●ちくわ(30g):36kcal
●つみれ(20g):23kcal
●さつま揚げ(30g):42kcal
魚肉をすりつぶしてつくる練り物は高たんぱくで栄養のある食品ですが、大根と比べてカロリーが高く、食塩も多く含まれているので食べ過ぎには注意が必要です。
ほかの具材のカロリー
野菜や練り物以外のカロリーも見ていきましょう。こんにゃくや揚げ物などが該当します。
●こんにゃく(50g):4kcal
●ゆで卵(60g):91kcal
●ちくわぶ(40g):68kcal
●生揚げ(30g):45kcal
●がんもどき(100g):228kcal
注意が必要な食品はちくわぶです。形や名前がちくわと似ていますが、ちくわぶは小麦粉をこねてちくわ状に整えた食品です。練り物にも小麦粉は使われていますが、すりつぶされた魚肉でたんぱく質を摂取できるのに対し、ちくわぶで摂取できるカロリーの多くが糖質です。
詳細は後述しますが、糖質を気にするかたは避けた方がよい食品といえるでしょう。
おでんの炭水化物量は?
次におでんの炭水化物量と糖質量を見ていきましょう。炭水化物は体内に取り入れられ、糖質と食物繊維に分類されます。糖質はエネルギーとして使われますが、消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満の原因となります。
おでん1食分(754.7g)の炭水化物は41.28g、そこから食物繊維を引いた糖質は36gです。ご飯1膳(160g)の炭水化物が59.36g、糖質が58.88gなので、おでんだけを食事とした場合、糖質の高くない料理といえるでしょう。
おでんのなかで糖質の高い食材は、山芋が使われているはんぺん、パン粉や玉ねぎなどが使われているロールキャベツ、小麦粉が使われているちくわぶなどです。
●はんぺん(60g):6.84g(6.84g)
●ロールキャベツ(177g):12.07g(9.98g)
●ちくわぶ(40g):12.44g(11.84g)
※右側の括弧内は糖質量
おでんを食べる際のポイント
ここからはカロリーの気になるかた向けに、おでんを食べる際のポイントを紹介していきます。ダイエット中などにおでんを食べたくなった際の参考にしてください。
低カロリーな具材を選ぶ
ダイエット中のかたはできるだけ低カロリーな具材を選びましょう。
定番の大根やこんにゃく、練り物であればはんぺんが低カロリーとなっています。低カロリーなものを多めに選ぶことでカロリーを抑えるようにしましょう。
野菜を意識して食べる
多くの野菜には食物繊維が含まれています。
食物繊維は整腸効果だけでなく、糖質の吸収を抑える働きがあり、余った糖質が体脂肪とし蓄えられるのを減らすことも期待できます。
おでんに下ゆでした青菜などを添えて彩りをよくしたり、おでんのほかにあと1品野菜料理をプラスするとバランスのよい食事になります。また、野菜は低カロリーでかさが多いので、先に食べることで満腹感が得られ、食べ過ぎを防げるでしょう。
味付けを工夫する
おでんはそれぞれの地域で味つけが違うといわれています。
同じ具材でも、濃い味つけや甘めの味つけの地域ではカロリーと糖質量が高めになっています。また、練り物から塩気が出るので、最初は薄めの味つけでじっくり煮込み、食べる直前に味見して調整すると、調味料の使い過ぎを抑えてカロリーと糖質量を抑えられます。
おでん1食に調味料を多用することはそれほどないとしても、味つけが濃いと食欲が増してしまったり、塩分をとり過ぎてしまう可能性があります。できるだけ薄味で素材本来の味を楽しむことを心がけるといいでしょう。また、物足りない場合は、練りからしや柚子胡椒などを少量添え、香りを加えると満足感を高めることができるでしょう。
おでんの汁には、調味料由来の塩分以外にも、食材に含まれる塩分も溶け出しやすくなります。そのため、汁を全部飲んでしまうと1日の塩分摂取量をほとんどとってしまうことになり、むくみや高血圧などのリスクが高まります。うま味が溶け込んでおいしくてもったいないと感じても、1度に全部飲み干すのは避けましょう。余った場合は、ほかの煮物料理をつくる際に利用してもいいでしょう。
おでんを食べるなら量に注意!ほどほどに楽しもう
熱々のおでんは食べごたえもあり、食事として考えるのであればカロリーや糖質量も心配の少ないメニューといえるでしょう。ロールキャベツなどの比較的高カロリーな具材に注意して、ほどほどの量に抑えればダイエット中にも頼もしい味方になってくれるでしょう。
適量を心がけて、おいしいおでんを楽しんでください。