りんごの皮のベタベタ…食べても大丈夫なの?果肉には何か影響があるの?

2021/01/18

野菜ソムリエプロで管理栄養士のサンキュ!STYLEライター小島香住です。

童話や聖書にも登場し、古くから世界中で親しまれている「りんご」。栄養価も高く、加工もしやすいことから、離乳食から病院食まで幅広く利用されていますよね。
種類も豊富で貯蔵技術の向上のおかげで、1年を通して流通することができるようになりました。

ところで、りんごの皮がベタベタしていることはありませんか?皮がベタベタしているものは食べても大丈夫なのか、果肉には何か影響があるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
このベタベタの正体について解説します。

皮のベタベタの正体は??

これは「油上がり」という現象によるもの。

成熟すると、オレイン酸やリノール酸などの油脂分が表皮から染み出てきて、ロウが塗られたようにベタベタしてきます。収穫してから時間が経つと出てくるのですが、りんご自身が乾燥から実を守ろうとしているのです。

通常、国産のりんごはワックス処理を行うことはありません。

食べても大丈夫!?

オレイン酸やリノール酸は植物油に含まれる脂肪酸の一種。オレイン酸はオリーブオイルに代表されるもの、リノール酸は大豆油や綿実油に多く含まれています。特にリノール酸は体内で合成できないため、食べ物からの摂取が必要な“必須脂肪酸”のひとつです。

むずかしい用語が続いてしまいましたが、つまりは食べても問題はありません!食味へも影響しないので、極端に多い場合のみ拭き取れば大丈夫です。

品種によって差も

りんごは250を超える登録品種があります。最もポピュラーなのが「ふじ」ですよね。他にも「つがる」「王林」「ジョナゴールド」「紅玉」などが一般的にスーパーで売られている品種です。

油上がりの現象は、全ての品種に起こるわけではありません。つがる系・ジョナゴールド系に起こりやすいということが分かっています。
収穫後時間が経つと出てきますが、必ずしも「皮がベタベタしている=古いもの」ではないのでご注意くださいね。

【ミニ知識】“サン○○”とは

「ふじ」に「サンふじ」、「つがる」に「サンつがる」など、頭に“サン”がつくものとつかないものがあるのはお気づきでしょうか。

これは同じ品種のりんごですが、栽培方法が異なるので商品名を分けているのです。“サン”とは「SUN」つまり太陽のことで、太陽の光を当てているかどうかを表しているのです。

“サン”のつくものは太陽の光を当てる「無袋(むたい)」、つかないものは太陽の光を当てない「有袋(ゆうたい)」で栽培します。有袋栽培は果実に傷がつきにくいなどのメリットもありますが、生産の効率化や食味向上のため、最近では無袋栽培も普及してきていますね。

横スライスが皮ごとでも食べやすい

皮ごと食べる場合には、縦よりも横にスライスする方が、食べやすくなりおすすめです。食品ロスを減らすためにも、できれば皮もおいしくいただきましょうね。

横スライスは「スターカット」が、手間もゴミも最小限で見た目もかわいく仕上がります。

◇記事を書いたのは・・・小島香住(こじまかすみ)
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。男の子(1歳)のママ。子育てをしながら、野菜・果物を“おいしく食べて” “キレイに健康”になるレシピや保存のコツを紹介しています。

※ご紹介した内容は個人の感想です。

 
 

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