男女のイメージの関係が悪い

「夫婦は同じ寝室で寝るべき」という考え、本当に必要?いますぐ捨てる・やめるべき夫婦間の"思い込み"を専門家が指摘

2021/05/26

サンキュ!で特集を組むこともある「やめ家事」。家事に対する“やらなければいけない”という思い込みを捨てて、スパッとやめることで暮らしが向上するというものです。

恋人・夫婦仲相談所の所長である三松真由美さんは、夫婦関係においても「いますぐやめるべき」ことはあると話します。

一体、なにをやめればいいのでしょうか?解説してもらいました。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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「夫婦なら当然」という思い込みに縛られていませんか?

手間暇かけた手料理、洗濯機は天日干しのみ……そういった、一般的には「よきこと」とされている家事。しかし、もしそれらが自分にとって負担になっていると感じたら、思い切ってやめてみましょう。そうすることで、夫婦関係、家族関係が改善することもあるのです……という話を、以前の記事でお話しました。

今回はもっとストレートに、「夫婦なら当然」と世間で思われている行動をキッパリやめたことで、夫婦仲がよくなった、夫が妻のことを女性として意識するようになった、などのラブラブ夫婦への近道ともなるヒントをご紹介したいと思います。

「夫婦は同じ寝室で寝るべき」という考え、本当に必要?

Rawpixel/gettyimages

香織さん(40歳/仮名)の両親は、共働きでお互いに尊敬し合い、家事や育児についても“男だから”“女だから”といった固定観念にも縛られない、昭和の時代においては非常に珍しい夫婦関係を築いていました。

子どもがある程度大きくなってからは釣りや演劇鑑賞などをともに楽しみ、今もその関係はとても良好だといいます。

香織さんも、そんな夫婦関係に憧れ、自分も築きたいと考えていました。だから結婚前、母に「夫婦がいつまでも仲がいい家族でいるための秘訣」を聞いたそうです。アドバイスはシンプルでした「夫婦と子どもの寝室を一緒にしちゃだめ。また、夫婦はどれだけケンカをしても一緒に寝ること。これが夫婦仲を保つ秘訣」。

その教えを守り、香織さんは子どもが小さいうちから寝室は別にして、夫婦だけで寝るようにしたそうです。しかし、これが香織さんを苦しめることになります。

香織さんの母はどちらかと言えば、細かいことは気にしない大雑把なタイプ。一方、香織さんは細かいことまで気になる性格。とくに睡眠時の部屋の気温や物音が気になると眠れなくなってしまうのです。さらに産後、子ども部屋からいつ泣き声がするかと思うとおちおち眠れず、香織さんは寝不足で常にイライラするように。

結果、笑顔で夫に「おはよう」や「いってらっしゃい」は言えなくなってしまいました。また、いびきをかく夫に夜中に無意識に「うるさい!」と怒鳴ってしまうこともありました。それでも母の言葉を守り、香織さんは無理に無理を重ねました。

ところがある日、夫から「香織と一緒に寝てると気を使って眠れない。1人で寝かせてほしい」と言われます。その時、ハッと我に返って気づきました。

理想の夫婦であるためには、ともに過ごす夫の言葉も聞かなくてはいけない……という当たり前のことに。誰かの真似をすることが最適ではないことを悟ったのです。

それからは2歳になる娘さんと香織さんが同じ寝室、夫は別の部屋で1人で寝るようになりました。すると、毎朝笑顔で夫とあいさつすることができて、いい雰囲気で1日が始まるようになりました。なにより睡眠不足が解消されて健康になったと言います。

寝室は別になりましたが夫婦関係は大幅に改善。現在は2人目を計画中だそうです。

「やめたら夫婦関係がおかしくなるのではないか?」という不安を抱える夫婦たち

病気の女性と男が彼女に話し
takasuu/gettyimages

「親の真似するなんて馬鹿みたい」と思う人もいるかもしれません。しかし、客観的に見れば少しおかしいと思うことでも、長い間培われてきた思い込みや育まれた人間関係、性格によって当事者は、そういった疑問も持ちません。

ましてや夫婦間のことは、超プライベートゾーン。寝室事情など、気軽に人に相談するようなことではありません。SNSで夫婦仲良しキラキラ投稿はできても、寝室事情の疑問を投稿で質問するのはタブーと思われてる方が多いでしょう。

思い込みが夫婦関係を歪ませるケースはほかにもあります。

たとえば、筆者が運営する夫婦仲相談所へセックスレスの悩みを相談にした夫婦。話を聞いたところ、妻が「ママ、パパと呼び合うことが夫婦にとっていいこと」という思い込みを持っていることがわかりましたが、セックスレスの原因はまさにソレでした。

妻は、子どもが生まれた瞬間から夫に対してママと呼ぶことを求めたそうです。すると夫のほうは妻のことがお母さんに見えてしまい、エロチックに見えなくなってしまった……というわけです(妻は夫がそんな風に思っていたということを、相談所の場で初めて知りました)。

香織さんやこのご夫婦のような独自の思い込みをもった方はたくさんいらっしゃいます。また、相談にいらした際に、ご自身が夫婦にとって重要と考えていることがじつは思い込みであることを伝えても、なかなかそれを受け入れてくれません。

「それをやめたら夫婦関係がもっとおかしくなるではないか」という不安があるからです。

「どうも最近、夫婦関係がよくない」と感じたときは、勇気を出して“夫婦の当たり前”を疑ってください。当たり前の中に少しでも違和感があったら、そこにフォーカスして考えてみましょう。そして、「2人の関係性がいつそんな風になったのか」と思い当たる行いが見つかったら思いきってやめてみましょう。

“やめる”ことは“はじめる”より、じつはとても勇気がいるものです。結婚より離婚のほうが大変という声を耳にしませんか?固定概念から解き放たれる“勇気”をもって、夫婦にとって最適ではないことをやめる決断をしてみてください。

“今日からやめる夫婦の○○”。あなたの家にもいくつかあるかもしれません。


◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

 
 

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